月別アーカイブ: 2016年6月

コイーバの旨いこと

2時から、

今は4時15分ですけど、

ずっとマイクロスコープを覗いて根管治療していました。

患者さんの歯の根の中に、

神経を採る際に使う針を捻ったような形のファイルと云う器具が

折れて刺さっているのを見つけたからです。

勿論、私の仕事ではありません。

これを採らなければ、

その向こう側にある腐った神経組織が除去できません。

途中、小休憩させて頂きました。

眼が霞み、

指が痺れ、

で、

再チャレンジ!

なんて俺は器用なんじゃろう!

てな気分に浸って、

コイーバに火をつけて、

ホーッと、

一息ついている処です。

保存屋の意地

他所の歯医者の先生が、

わざわざインプラントのコンサルティングし、

それで迷って、

私の診療所へお出でになられる患者さんの多いこと!多いこと!

まぁ、駄目と言えない事も無いかもしれません。

でも、

丁寧に手当てすれば抜かなくて済むのが判るから。

お手てが動かないから、

簡単に抜いてインプラントにしたいのでしょうが。

お手てが動かないのに、

キチンとインプラント出来るんでしょうか?

なんだかんだと言いながら、

この処の私は、

マイクロスコープを覗いて根管治療の毎日です。

メチャメチャ疲れます。

でも、

【歯科保存学】専攻の意地なんでしょうね

 

難問奇問

風呂からあがって、

ベッド脇の椅子に腰かけて本に手を伸ばした時に

携帯電話の着信音が。

熊本市の患者さんであったので、

直ぐさまに携帯電話をとったのです。

「 先生、恐かったのよ!ヤット片付いたのよ」

互いが地震の恐ろしさを語り合いながら、

ふと、

片手で髪を何気なしに触った時、

?????

なんじゃ?こりゃ?

「 先生、どうかなさったの?」

シャンプー後、

私は濯いでいませんでした。

頭じゅう、シャンプーが一杯!

爆笑して、

また風呂へと舞い戻ったのです。

現状の私は、ある症例で頭の中が一杯なのです。

他所で治療されたインプラントなんですが。

どういう積もりで治療したんでしょう!

磨けない!

噛み合わせていない!

ネジの締め過ぎ!

2本の内の1本は、

なんとかレスキュー出来たのですが。

残りの1本のネジが金属疲労し過ぎて

外れないのです!

昔のネズミ小僧のように、

【キツいネジ外し名人】自称の私ですが、

さて、

この難問をどうやって解決するか?

初めて目にしたインプラントの構造に

何処をバラセバ良いものかと、

ズーと1日中、頭から離れないのです。

私の毎日は、

1つ問題を解決しても、

次から次へと難問が。

だから歯医者って仕事は面白い!んですがね。

【歯を抜いてインプラント】と説明を受けた患者さん!チョッと待って!

私の診療所は【高松インプラントセンター】として

インプラント中心の診療に携わり、

もう時期20年は過ぎると思います。

歯が既に抜かれた患者さんが、

どうせインプラントをするのならば【専門】でと。

ですから、毎日インプラント治療に携わってきました。

ただ最近の傾向は?????

インプラントして下さいと言われる所には

キチンと【歯がある】んです。

丁寧に根の手当てをすれば残るんです。

こう言う患者さんが、ビックリするほど多いんです。

私は【歯を残す】のが一番だと思います。

ですから、

私の最近は、

インプラントの患者さんの合間に、

マイクロスコープを使った【根管治療】に勤しんでいます。

抜いたら、もう取り返しはつきません。

本当に歯を抜かなきゃなんないのか?

よくよく調べて下さい。

 

 

 

昨日は日曜日ですから、

何時もで在れば池波正太郎アワーにて

【鬼平犯科帳】から【剣客商売】へと到り、

正午をはさんで加藤剛主演の【大岡越前】を3本ほど、

で、

再び池波正太郎アワーにて朝の続きと云う具合の

時代劇三昧の休日を漫喫するのが

私の唯一の道楽なのですが。

ソレもこの処、

なんだかんだと雑用が入り

私のこの唯一の道楽はご無沙汰なのです。

そういえば、

昨日、車のハンドルを握り帰宅がてら、

テレビの民法にて東京の天婦羅屋の【みかわ】のご亭主が

芸人を前に見事な【揚げさばき】を披露されておられました。

運転中であったので、

画面こそ眺める訳にはまいりませんでしたが、

耳でご亭主の【江戸前の男降り】を

シッカリと堪能させて頂きました。

ただ食する方の芸人の食べ方が、

見えてませんが、

随分と野暮天だと、

そんな気がして、

同じ芸人でも落語や歌舞伎などの役者とは随分と違う、

否、

お笑いでも、

昔の【やすきよ】など随分とヤンチャで新聞などで叩かれて居たようですが、

料理屋での所作は、

相手の【芸人としての格の値踏み】を瞬時に付けてたんでしょうね。

自然に、綺麗に、むしろ品よく、

あぁ!流石は大阪の大芸人と云う空気を発散させて居られたように思います。

私は大阪へ参りました際には、

暇を見つけては【難波花月】へと脚が向いて行くのです。

で、

漫才を観て、

笑いあり涙ありの【新喜劇】。

良い気分になって、

宗右衛門町から三つ寺通りに向かった細い小路の

小さなカウンターだけの割烹の暖簾をくぐり

チョコッとの酒と、

少々の肴で、

で、

早々に店を退散し、

通りの古い鮨屋にて【バッテラ】をひと包み買い求めて、

犬同伴可の宿へ。

この手間隙かけた大阪鮨は、

半分が私のウイスキーの友として、

半分はマリリンの胃の府の中に一瞬にして入る不幸な定め。

ホロ酔い気分で、

シモンズのベッドにマリリンともぐり込む。

あぁ!

こういう1泊2日の休日も随分とご無沙汰だなと、

予定表を眺めて、

少なくても来春までは絶対に無理だと観念し、

せめてもの、

時代劇くらいはゆっくり堪能させて貰いたいのですが。

 

品格

先日、トアル料理店の主人と長話する機会がありました。

その店は所謂、有名店、超一流店です。

カウンターだけの、

店主の眼が行き届くことがサービスの【真髄】であると云う

確固たるポリシーのある粋な心配りのある店です。

ですからバブルの時代でも、

不況の昨今に於いても、

たかがキャパの小さな店ですから、

売上は変わらないそうです。

が、

今時は【勘違いのお客】が時に観られると、

少しばかり時代を嘆いておられました。

所謂、ドタキャン客の存在です。

で、

この店では予約は2名しか受付ないと決めたそうです。

3名だと、

ドタキャンされた時に食材の無駄がカバー出来ないからだそうです。

【本当はご家族連れにも味わって頂きたいのですが】

と、

常連客は別として、

一見さんには申し訳ないけど、

そうさせて貰ってます、との

諦め顔が印象的でした。

あぁ、何処もそうなんだなと。

何時でも誰でもイラッシャイ!と云う体勢の店と、

前以ての予約に準備万端整えてお待ちする体勢の店の

区別もつかない【阿呆】が多い時代となりました。

私の診療所も【本当の完全予約制】ですから、

随分と痛い目に遇いました。

が、

ある程度は予想できているものです。

私は自分の患者さんが一番大切です。

未だ私が診療していない方は、私の患者さんではありません。

また、治療に非協力的、

お金さえ出せばリクエストに応えろみたいな方も

ごくごく稀におられます。

アポイントを守らない方も居られました。

その様な方は、

最終的には私の診療所に姿を見せなくなります。

訳ですか?

病院でも、

聖路加とか山王とか、

ノウハウが在るんです。

私の患者さんは、

他人から聞かれた時に、

チョッとした【優越感】を感じるのだそうです。

それは私も同じです。

お答えはしませんが、

〇〇さんって、先生の患者さんですってね?

私はニコニコ笑っているだけですが。

其れが相互の【品格】だと思います。

 

 

振り返る

患者さんの奨めで【蛍】を観に出かけました。

【蛍】と云う言葉さえ忘れていました。

仕事だけで突っ走ってきた四半世紀でしたもの。

心も身構えて過ごしてきたように思います。

夏の気配を感じる今日この頃ですが、

此処は未だ、肌寒い心地よい空気に包まれていました。

で、

暗闇の中、足場の悪い深い川岸の細道をそぞろ歩き、

ウワァー!!!

オーケストラホールの階段席の観客全体が【蛍】で満たされたよう。

揺れて、

踊って、

浮き上がる【自然な光り】

それは目映いほどの【神秘な光り】です。

讃岐にも、

このような処が在ったのだと、

既に四半世紀も過ごしながら、

何処に出向く事もなく、

ただただ歯の仕事だけであった自分に、

悔やむ気持ち半分、

それで良かったのだと言い聞かせること半分。

ソッとしてあげれば良いものを

役者さんの奥方が重い病で闘病中だと云う。

テレビも仕事ですから仕方がないのも解りますが、

ソッとして差し上げれば良いものをと、

病の程度や状況を全国民に報せることが

ニュースであるのならば、

ニュースなど必要ないと。

病人の家族の心情など聞かないでも解りそうなモノです。

で、

またまた芸能人の不倫のニュース。

芸の肥やしと笑って過ごせば良いのにと。

だから私は、ケーブルテレビのドラマしか見なくなったのです。

政治向きのことは新聞で十分だと。

しかし野次馬でしかないモノに、

報道の自由とか、

知る権利などと言われれば、

そんな履き違えする輩に、

公平平等なるニュースなど伝えられる筈もないと、

朝から機嫌が悪くなりました。

兎に角、

病気が完全に治癒されることを祈っています。

本人、家族共に大変な日々をお過ごしと察します。

もう此の手のニュースは必要ないのでは?

ダイレクトボンディング修復で検索の方へ

私のホームページに【ダイレクトボンディング修復】と云う言葉から

入って来られた方が多いことに驚いています。

時代は変わったな!と。

根管治療もそうですが、

ダイレクトボンディング修復も、

歯医者の器用不器用が露見する【尺度】として、

私は、技量差の大きな治療だと思っています。

これ等はホームページを観ても判りません。

ただ、積極的にヤりたがらない理由の大半が

自信がないのだと、

私は思っています。

が、

患者さんの側にもお伝えしたい事もあります。

単にホームページの料金だけで、

歯科医を選ぶことは、

本当は感心できません。。

安かろう、悪かろうと云う言葉も昔から在ります。

が、

ボッタクリ歯医者が多いのも事実ですが、

本当のボッタクリ歯医者とは、

出来もしないのに、知らない顔して料金だけは標準と云う処です。

ダイレクトボンディング修復は、

全ての症例に適応できる訳ではありません。

しかし、

現状、多くの歯を救える治療です。

歯を多く削るのか、

少しでも残せるのかの判断は

歯科医によって大きく違います。

歯医者選びは、

博打みたいなモノですと、

言われる理由がここに在るのかもしれません。

何れにしても、

ダイレクトボンディング修復を希望されて、

逃げ腰の歯科医は、

ほぼ不器用だと思います。

歯周病の治療が基本

この10年位でしょうか?

【審美歯科】や【インプラント】ばかりが脚光を浴びています。

若手の歯科医は【派手さ】にひかれるんでしょうね?

愚かな事です。

もう30年以上も前の事でしょうか?

ペンシルベニア大学のアムステルダム先生が

【歯周補綴】という概念を提唱しました。

歯科医が被せモノをした処ほど悪くなっているのに、

アムステルダム先生が気づいたからです。

人工の歯と、歯周組織が、

共存できるようにと、

様々な工夫を仕込んだのが【歯周補綴】です。

当時のアメリカの一流の臨床家が、その影響を受けて、

【機能美】と云う表現で、

身体と調和した歯科治療を披露していました。

私が新人歯科医の頃です。

口腔外科とは一味違った【メスさばき】に魅了されたモノでした。

好奇心旺盛な私は、

元来の【人懐こい性格】が幸いしてか?

多くの著名な先生方の胸を借りて、

今では歴史的人物となった先生方に可愛がって頂きました。

歯科治療の基本は、

虫歯の制御、

歯周病の制御、

無意識下の過剰な噛む力の制御、

その3つに尽きます。

私に残された課題は、力の制御です。

審美は、【ついでに】でしかありません。

どうせ治療するなら【自然な美しさで】程度のモノでしかありません。

インプラントは、歯科治療の単なる【1手段】でしかありません。

今日の歯科治療は、

主従が逆転しています。

特にインプラント。

歯周病治療の制御なくして、

インプラントはあり得ません。

歯科治療の信頼のために、

昔にたちかえり、

基本に戻るべきでしょう。