この10年位でしょうか?
【審美歯科】や【インプラント】ばかりが脚光を浴びています。
若手の歯科医は【派手さ】にひかれるんでしょうね?
愚かな事です。
もう30年以上も前の事でしょうか?
ペンシルベニア大学のアムステルダム先生が
【歯周補綴】という概念を提唱しました。
歯科医が被せモノをした処ほど悪くなっているのに、
アムステルダム先生が気づいたからです。
人工の歯と、歯周組織が、
共存できるようにと、
様々な工夫を仕込んだのが【歯周補綴】です。
当時のアメリカの一流の臨床家が、その影響を受けて、
【機能美】と云う表現で、
身体と調和した歯科治療を披露していました。
私が新人歯科医の頃です。
口腔外科とは一味違った【メスさばき】に魅了されたモノでした。
好奇心旺盛な私は、
元来の【人懐こい性格】が幸いしてか?
多くの著名な先生方の胸を借りて、
今では歴史的人物となった先生方に可愛がって頂きました。
歯科治療の基本は、
虫歯の制御、
歯周病の制御、
無意識下の過剰な噛む力の制御、
その3つに尽きます。
私に残された課題は、力の制御です。
審美は、【ついでに】でしかありません。
どうせ治療するなら【自然な美しさで】程度のモノでしかありません。
インプラントは、歯科治療の単なる【1手段】でしかありません。
今日の歯科治療は、
主従が逆転しています。
特にインプラント。
歯周病治療の制御なくして、
インプラントはあり得ません。
歯科治療の信頼のために、
昔にたちかえり、
基本に戻るべきでしょう。