月別アーカイブ: 2017年8月

遠くに来たもんだ

実際の日々の診療は、

インプラント、マイクロスコープ治療に

入れ歯造りに追われています。

が、

研究に関しては

もっぱら虫歯の制御のための微生物の性質を検討中。

開業歯科医が研究?

当たり前じゃないですか。

研究することを放棄した臨床家は

【考える】ことから眼を避けた

生きた医療ロボットでしかありません。

私は何時までも

何故?

何故?

尽きない興味を追いかけてゆきたいのです。

しかしながら、

日本各地の水系と微生物の関係に

詳しくなりました。

私の研究対象である微生物は

全国各地の沼などの水源に生息しています。

ただし、

水の質によって、

活性度が違っています。

もっぱら私は、この微生物の餌として、

虫歯の象牙質を与えて、

その代謝を観ては、

あるメカニズムに気がついたのです。

本年、

日本歯科大学の岡準教授が触発され、

オドントロジーと云う専門誌に英語で論文発表したのも、

この流れからです。

彼は真面目な人ですから、

正面突破の素直な研究手法を採用していました。

これから城で云えば、

大手門をくぐり、

正面の石段を一歩一歩前進してゆくのでしょう。

元来のイタズラ坊主を自認し、

発案者たる私は、

違う進め方を選んだのは自然の成り行きでしょう。

私の微生物のウンコからテーマに攻めこんでいます。

そんなこんなで、

長いお盆休みは、

日頃なら到底足を運べない処まで

微生物採集に出かけることが出来ました。

まぁ微生物ってバイ菌ですから、

よくもまぁ!物好きなこと!

ってお感じになられることでしょう。

青年期、

初めて新潟市に赴いて散策した際に、

新潟大学医学部附属病院近くの

小路に立つ小さな石碑に気づき、

ハッ!

と、

身体が凍り付いた。

その時の記憶が私の無意識下の脳髄に

焼き付け現象を起こしたんだと確信しています。

其処は、

産婦人科の開業医であった荻野博士の診療所跡を

後世に伝える石碑だったのです。

基礎体温から推し測るオギノ式避妊法の発見者と云えば

あぁそうか!

皆さんも、その名前くらいは聞かれたことが在りますでしょう。

天下の大学病院の直ぐ其処で

個人医院を開業する度胸も凄いが、

患者さんの治療の傍らで、

研究生活を送った博士に対して、

私の将来の大きな目標となったことは言うまでもありません。

私には博士のような偉業を成し遂げることは無理でも、

夢を追いかけて、

コツコツ努力の人で居たいと思います。

行きは良い良い、

帰りは遠い!

車での移動故に運動不足となった犬たちに

束の間のご褒美。

爆睡

どうしたモノでしょう?

すっかり寝坊していました。

朝ごはんのご準備ができましたと、

襖越しに声をかけられ、

ホウホウの体で、

髪は親子で金田一探偵のようであったことでしょう。

お焦げの雑ざったご飯は旨い!

梅干しの佳し。

あぁ大いに満足であったと、

珈琲、コレは本格的珈琲です。

至極極楽気分に浸って、

うん?

犬たちのことをスッキリ忘れていたのです。

が、

ご心配には及びません。

飛騨の山中の、

それはそれは肌寒いこと。

シャバとは違うのですよ。

 

 

本物のもてなしとウソつきのホスピタリティ

日頃では、

既に床に就く時刻ですが、

興奮して眠れません。

こりゃ眠れんわな!

それでも、

悲しい私の習慣は、

夜も暗いうちに起きると云う

朝寝坊の方々のために、

爪の垢なり鼻くそをコロコロ丸めて

丸薬【三枝目覚丸】として売り出してやろうか!

馬鹿はさておき、

特製粉末青汁入りのインスタント珈琲を自作し、

ただ紙コップにインスタントコーヒー、粉ミルク、砂糖、

で、

大正製薬の【からだ環境  青汁】と云う粉末を一気に入れて、

ポットの湯をそそぎ1、

インスタントコーヒー付録の紙スティックで

かき混ぜた代物です。

気持ちの問題だと人は笑うでしょう。

が、

気持ちの問題が何事にも大切なのです。

カフェインの効能が仇となるか?

珈琲を呑むと云う行為の持つ

心鎮めの効果が勝るのか!

コレは博打的チャレンジですね、キット。

座卓に座って、

珈琲の準備に追われて気がつきませんでした。

夕食のご飯は、

わざわざ土鍋で炊いて下さいました。

熱々の立ったお米に

佃煮風仕立てのちりめんじゃこをふりかけ、

で、

冷出汁をサラッと注いで、

無我夢中に、

一気呵成に喉奥に送り込み、

で、

旨い!のため息。

旨いと讃えつつ、

食い意地はった私は、

どうせなら出汁をかけずに、

白米で食べたかったと大いに後悔したのです。

が、

ハシタナイので、

我ながら我慢の子でありました。

部屋で、

信長とセミナリヨと題する書籍、

娘の宿題のまとめ、

採取した微生物の調べものの書籍に埋もれて

なんでしょう?

水戸黄門さま道中記にて見かける昔のお弁当包み。

嬉し、楽しみ、気が利くことに感動し、

丁寧に包みを開いて、

私が感動極まったのです。

先の土鍋で炊いたご飯で作った小さなおむすびが3つ。

ここにホスピタリティを見たのです。

 

4

お盆の夜は更ける

馳走になり、

大いに満腹。

極楽心地にてお盆を堪能しています。

部屋にて、

昨日、安土にて購入した書籍に眼を通して

これまた大いに満足の心地です。

縁が在って、

カトリックの勉強を始めた私には、

この国古来から信仰される神々と仏さま、

そして、

織田信長の時代に西洋から伝来したキリスト教の混合に

興味を抱いて、

書籍に眼を通し、

また、

この地区は山上信仰の中心であったことから、

その辺りに関心を持ち、

散策しました。

伝道師たちは、

結局はマリア観音と謳う昔の人に

落胆しつつ、

信仰の布教に一層励んだのでしょう。

そんなこと、

あれこれ想像を巡らせて、

お盆の夜は更けるのでありました。

思いは募る

沢には音が在ることを

すっかり忘れていました。

で、

何故か牧野富太郎博士を思い出したのです。

幼い頃に手にした博士の伝記を

何度も何度も

読み返したものでした。

市井のしがない開業歯科医でしかない私が、

日々の診療から、

歯科医学の現状と自分の毎日に

大いに疑問を抱き、

決して肉眼では観ることができない

微生物に興味を抱くことになり、

こうして遠方にまで、

アチコチ足を運ぶようになりました。

虫歯菌に食され代謝の結末となった

朽ちた象牙質を

逆なる発想にて微生物の代謝にて解決しようと

思い立ち、

今では母校の多くの方の助力にて

一歩一歩、

私の謎解きは進んでいます。

歯への興味は尽きません。

縁側に腰かけ、

思いは募る一方です。

昭和の時代

沢を目指して、

飛騨の山奥へと。

大日岳を望む高原を前に仰ぎながら、

朝食に豚汁を。

人が暮らしを営む街であるのに、

この水の清々しさは

いったいどういうことでしょう!

で、

幼い頃を彷彿とさせる【店構え】

 

家のお仏壇のお土産にと、

ついつい木戸をくぐったのです。

菓子を選ぶのが、

これほど楽しいとは。

n

そんなこんなしながら、

時間は過ぎて、

贔屓筋のお宅にご厄介になるために

車を先に進めます。

囲炉裏と冷たい麦茶、

そして冷えた梅の甘露煮にてのお出迎え。

今夜の私の宿は、

離れの茶室の隣に設えた部屋であるそうな。

古里のもてなしに、

あぁ昭和に浸った、

ただひたすら、

昭和に浸った、

幼い頃に囲まれた人々の顔を思い出し、

ひたすら浸ったのです。

 

犬たちとの暮らし

中学1年の娘の夏休みの課題と、

私の研究テーマと歴史好きが

たまたま重なっていました。

私の後をノート片手にメモを録る娘です。

本当に良い話し相手になってくれました。

昨夜は不覚にも

娘より先に夢の中にいた私です。

早朝、

犬の鼻を鳴らしてのトイレの催促に

コレは大変!

跳ね起きて、

車外へと、

犬たちにいざなれて。

蜩もまだ鳴いていない時刻。

森に包まれた暮らしに憧れ、

静かに石に腰かけ、

犬たちの様子を眺めて、

街喧騒から逃げ出したことに

良い選択であったと。

娘ですか?

自然探索のきっかけ造り

車の中の、

採取した微生物を保管するための冷蔵庫の中に

高松市を出立する際に

インターチェンジ近くのコンビニにて購入した

冷酒の小瓶が紛れこんでいます。

一般の方には、

到底理解するのは無理でしょう。

不潔じゃないかと。

ご心配には及びません。

呑んだら乗るな!

乗るなら呑むな!

無論、当然、常識でしょう!

運転する気力、体力など

在る筈もなく。

後ろで犬の高いびきが聞こえています。

明日はもっと奥地まで

足を伸ばす積もりです。

車内は、このような状況です。

ラッシーは中学1年の娘に忠実です。

今年に入ってから寮生活の始まったご主人様の

会えるのは週末だけ。

淋しいのでしょうね!

ご覧の通りです。

マリリンですか?

そりゃそうだ!

娘に隠し撮りされました。

私のお馬鹿な顔を笑ってください。

平蔵は利発でクールな男性です。

煩い処を避けて、

床の上で、

どんな夢を見ているのでしょう?

明日は早い時刻の出立です。

と言っても、

娘たちと犬たちは川遊び。

私は無論、

微生物採集です。

見っけモノ

湖の畔の田園の中に在る街だからでしょうか?

ムッと息圧迫するほどの熱気の中の高松市とは

全く異なり、

つかめる程に乱舞する蜻蛉の中を

私は山頂目指して歩いていました。

この前に此処を訪れてから10年近くは経ったでしょう。

近いようで遠いのが、

ここ安土です。

よくよく考えれば、

頻繁に往復する新潟への道すがらの街ですが、

行程を急ぐ私には、

立ち寄る心の余裕がなかったのだと。

で、

大手門遺跡付近に入場料を

所有する寺が徴収するための関所が設けられていました。

この城の主は、

嘗て関所を廃したことで有名であったのにな?

そんな皮肉を思いながら、

序でに、

横の売店に寄り、

クダラナイ土産物の中から

興味深い書籍を見つけたのです。

今夜はお盆休みのごった返すシャバの習いにて、

思いつきの遠出であった私の泊まる宿など

在る筈はなし。

最初から車で泊まる覚悟にて、

犬と出かけた私です。

スーパー銭湯で汗を流したあと、

じっくりと頁を捲ろうと思っています。

琵琶湖の畔にて

歯科医師としての使命を

虫歯の制御についての研究だと気づき、

この命題に対して

本格的に取り組んでから

数年が経過しました。

で、

河川や池、沼、湖へと

赴く機会がしばしば。

水源の汚染問題に対して、

地方自治体も本格的に取り組んだ感があります。

最近では魚や昆虫などの生物も、

昔ほどとは言えませんが、

還ってきたようです。

その汚泥の浄化に役立っているのが

微生物の力です。

私はこの点を最重要視しています。

水源の汚泥と、

虫歯に罹患した象牙質が似ている処に着目したのです。

ですから、

暇さへ在れば、

そういった場所で私の姿が頻繁に観られると思います。

濁った水源の堤が私の研究のネタもと、

宝庫と言って良いでしょう。

採取したサンプルは直ちに冷蔵保管します。

また、

持参の顕微鏡にて概要を観て、

資料の区分けに勤しんでいます。

こういう表現は申し訳ないのですが、

綺麗とは言い難い広い水源に私は惹かれているのです。

琵琶湖です。

余談ですが、

私が産まれて初めての水浴が琵琶湖であったそうな。

そんなことを思い出しながら、

まとまった休日の有効利用だと思い、

琵琶湖まで足を伸ばしたのです。

その序でに、

私にとってのパワースポットである

【安土城跡】へと。

初めて此処を訪れたのは、

高校1年の夏休みでした。

人生初の独り旅です。

リュックを背負い、

在来線に揺られて、

4泊ていどの小旅行でしたが、

私にとっては大きな冒険でしたから

今に思うと可愛らしいことと。

その際に、

小高い山の頂きに

悠然とそびえる天守閣をイメージしつつ

田んぼの畦道を歩いたものの、

来て観れば、

荒れ果てた姿に唖然としたのを覚えています。

その後、

秘かに歯科医師を心ざしたる際にも、

また、

若き歯学を学びし学徒たる私が、

進む方向に悩んだ際には、

天守台の石垣に立ち、

向こうの琵琶湖を望んで、

思案すること一度や二度ではありません。

この城の主人は、

人間50年と唱ったようですが、

少年から青年期を此処に立った私も、

既に50の半ばとなりました。

目の前に拡がる光景は変わりました。

光景を望む私も老いました。

が、

歯科医学への情熱は未だに炎々と燃えています。

再び私がこの地に立ったのです。

私に新たなるエネルギーが宿ったことは言うまでもありません。