日別アーカイブ: 2017年8月19日

アナログ派

デジタル化の時代です。

若い歯科医師から診断の相談のために、

レントゲン写真をメールにて添付される機会が増えました。

メールにて即座の画像のやり取りができることは

大変有意義な事です。

が、

口腔内写真は兎も角として、

私はデジタルレントゲンの画像を

どうしても好きになれません。

診療所を新築した際に、

先々を見越して、

デジタル化のための配管を床下のアチコチに

張り巡らせはいるのですが。

無論、

CTはデジタルです。

しかし、

歯のレントゲン写真と

パノラマレントゲン写真と云う

歯と周囲の顎骨の概要を視るためのレントゲンにおいては、

昔ながらのフィルムを暗室にて手現像する事に徹しています。

何故?

デジタルレントゲン所見を信用できないからです。

嘘!でしょとは言わないで下さい。

断言します。

良質のフィルムを

徹底管理された現像液と定着液を使った現像処理にて

仕上がったレントゲンは、

とてもとても鮮明に、

【事実】を正確に表現します。

音楽の世界においても、

アナログの音が見直されているのと同じかもしれません。

今、

根管治療が終わりました。

難症例でした。

根管が細い!細い!

しかも根管の先の骨に

微妙な炎症の影が在りました。

このような症例においては、

手現像でなければ判別不能です。

で、

治療を安堵して、

院長室へと舞い戻ったのです。

 

セラミッククラウンの秘訣

セラミッククラウンを提供する際に、

形は別として、

色調再現が歯科医師では無理!

そんな難しい色の歯も実際には在るのです。

セラミックを盛り上げて釜で焼くのは

歯科技工士さんだからです。

このような際の私は潔く降参しています。

患者さんにも、

正直に告白しています。

写真だけでは、

活きた歯のように

製作する歯科技工士さんに

色調のディテールを伝えるきれません。

先夕、

私の診療所に歯科技工士さんの姿が在りました。

先生はズルいですよ!

難しい歯の色ですね、この歯は!

こうして直接に患者さんにお会いしたら、

私は下手打てません。

そりゃそうだ!

其れが私の狙いですもの。

パレットの上の絵の具のようでしょ?

脇で私はウキウキ気分で眺めています。

歯科技工士さんはプロの眼ですよ。

ジッと一点に集中しています。

音ひとつない静寂の世界に包まれる診療室です。

私はここまでヤります。

プロですから。