日別アーカイブ: 2017年2月14日

決意新たな少数派

私の診療所には

チョッと気軽に歯を治そうと云う患者さんは居りません。

本当に歯で困った患者さんの最後の砦だと。

ですから、

他の歯科医院の様に毎日、

新患の患者さんがお越しになられる事はありません。

が、

一昨年くらい前から、

週に2人くらいの割合で、

新しい患者さんがお越しになられるのに

当の私は驚いています。

地元香川県からの患者さんも増えました。

【芸者処流行らず】ではありませんが、

この香川県の方は保守的ですから、

私の診療所の様な他と違う歯科医院は

最初から敬遠されると、

私は端から勝負を棄てていたのです。

県外の方は、

とってもとっても多いのですが。

ですから、

地元の患者さんが増えた事に、

私は驚いているのです。

そういう訳で、

当地の歯科医院の現状レベルに、

私は詳しくなりました。

池の中の鯉にだけは成りたくありません。

が、

前は瀬戸内海、

直ぐ背後に四国山脈を控え、

東西も県境の山で閉ざされた香川県は、

本当に閉ざされた【池の中】だと実感しています。

知らない事ほど幸せなモノは無い。

当地の歯科レベルに接し、

私は本心から、

この地の歯科医院が恵まれていると感じて、

日々の診察に臨んでいます。

私はこの地の多数派にだけは成りたくありません。

生涯、少数派を貫きたいと、

決意新たにと云った心境益々と。

その為には、

もっともっと勉強しよう!

 

厳しい注文

私の可愛い弟分に、

東京都吉祥寺開業の小出 明医師が居ります。

【コーラル歯科医院】と云う名の歯科医院です。

歳は私よりも一回り以上年少です。

若さを羨ましく感じています。

小出医師も情熱の歯科医師です。

真面目な良い歯科医師です。

彼のような歯科医師が少なくなりました。

が、

彼のような歯科医師の出現を

私は喜んでもいます。

が、

時たま彼を説教します。

それは私が嘗て、

師匠からされたアリガタイ贈り物だと知っていたからです。

小出医師がブログを始めたとの事。

早速、彼のホームページを開いて、

フム?

ナンジャ!

で、

即座に小出医師の携帯電話を鳴らしたのです。

生憎、診療中なのでしょう。

出なかった小出君は幸いです。

息子の次に雷を落とされたでしょうから。

理由ですか?

院内写真の受付を観て頂ければ判ります。

椅子の上にカルテを置いて、

お片付けて、

患者さんに観せるアングルでの写真をと。

コーラル歯科医院の最初の入り口ですから。

患者さんに誤解を招かれません。

小出医師は清潔な綺麗好き。

仕事も丁寧です。

だからこそ、

お写真はお考えなさいと。

西東京では、小出明医師は間違いない歯医者ですから。

 

型と壁

【馬鹿野郎】

と、

電話口の向こう側の息子を、

想わず怒鳴りつけたのです。

私らの世代の男は、

そうやって育てられました。

親は無論の事ながら、

小学校から高校においても、

大学なんぞはモット酷かったですよ。

なんせ医療行為を身につけるプロフェッショナルスクールですもの。

白衣を纏った教官の恐ろしい事この上なし。

今でも当時の恩師には頭があがりません。

ただ、

そういう意味合いの教育である事を理解出来なかった人も

居た事も反面事実です。

人格、個性重視ってヤツでしょう。

人は或時期においては、

窮屈な環境で【型】に嵌まった教育を受けるべきと、

私の考えですが。

故 中村勘三郎の台詞ですが、

【型が無いと。型が在って初めて型破りの芸が出来るんです】

【型が無きゃ、単なる型なしってヤツですね】

私も同感です。

上手に成りたいなんて、

誰でも夢観るんですよ。

夢の実現には、人知れずの苦労を伴うモノです。

馬鹿野郎って言われた位で、騒ぐでねぇ!

そんな文句言う暇あれば、

自分の欠点と向き合い、

辛抱しなせぇ!

私は、そう思っています。

ぶん殴るられて、

蹴飛ばされて、

技術を身につけた私らは、

恐わ~いですよ。

それが男の社会、

職人の世界ってモンですから。

異議あるなら、

それはそれでどうぞ!と。

ただ、

私らの様には成れませんよ。

その壁は凄~く厚いですから。

バレンタインデー

バレンタインデーだったのですね。

治療の予定も無いのに、

わざわざチョコレートをお持ち頂きありがとうございます、

と云う今日の日です。

頂く相手は患者さんです。

宅急便であったり、手持ちであったり。

ただ、

うら若き女性は皆無です。

トホホ。

うんまぁ~先生!甘党だとお聞きしてますのよ!

序でに私のも買いましてよ。

また太りそう。

そんな会話でカシマシイ1日でした。

余裕綽々

私は時間との戦いなど考えた事はありません。

何事も、

と言っても、

歯の仕事と犬と戯れる事、

車の手当てに読書に彫刻、

映画を観たり、

文献検索に、

研究と実験等々。

多忙だとは 全く感じた事はありません。

楽しんでますもの。

時間に追われる切羽詰まった気分に成りたくありません。

ただ、

時間の使い方は上手だと思います。

何事も、

段取りの付け方でほぼ9割決まった様なモノでしょうから。

読書ですか?

読む書物の種類によって読み方変えています。

力んで読む書物と、

流して読む書物と。

コレが私の流儀です。

 

金属による修復治療

今夜は久方ぶりに街へ出ます。

熊本からの患者さんから夕食のお誘いを受けたからです。

もう高齢?の域に達した女性ですが、

お元気さは若い者には負けないそうです。

元来、外出嫌いな私ですが、

患者さんの方も其れを承知で

その様な機会を設けて下さる機会が多いのも事実です。

人にご馳走になるのは心苦しい質ですので、

用を足す振りをして、

大概は気を利かせる様にしていますが、

この方は何時も私の上を行くので、

今日は絶対に負けてはならじと、

上の上を行こうと息まいています。

本当に良い患者さんに恵まれていると

感謝しつつ治療に臨んでいます。

今、お一人治療が終わった処です。

下顎第2大臼歯に金属のクラウンを装着すべく、

歯を削って仮歯を入れました。

第2大臼歯の修復治療の際には、

私と患者さんの信頼関係が築けた時には、

意図して、

金属のクラウン修復する私です。

セラミック全盛の昨今の歯科治療ですが、

大きな大きな力を負担する第2大臼歯においては、

金属に勝る材料は無いと、

私は判断しています。

【睡眠時の喰い縛り】の際に生じる歯への歪みを

歯科医師と歯科技工士はコントロール不能です。

ただし、

あくまでも治療のレベルを【高い処】に設けての話しですが。

同部位のインプラント修復の際は、

もっともっと金属修復の出番が大きいと思います。

ハイブリッドレジン等は、

私は全く認めてはおりませんので。

次の患者さんの治療は、

インプラントの上物のクラウンの歯型採りです。

より天然歯に近い状況に観せる工夫での手当てと、

清潔さを両立させての修復処置をと、

知恵を搾り、

楽しんで治療の臨みたいと思います。

実感

この頃トイレが近い事に我ながら辟易します。

駅のトイレにて用を足す際に、

後から入って来た息子がサッサと済ませるのを観て、

ホトホト情けなくなるのです。

そんな時に、

テレビのコマーシャルでの

ノコギリ椰子の実サプリメントを買おうかと、

そんな気持ちになるのです。

歳を経る事を確実に自覚する毎日です。

それに反比例して、

治療における【診断力】は向上していると云う

意外な進歩も、

実感しています。

歯の仕事って、

深いのだなと、

益々、

コレも実感しています。

 

 

大切な歯

息子と私は声も顔も瓜二つと、

人から言われます。

私には自覚はありません。

ただ、

息子にとって都合の悪い所作の何から何まで

手に採るように判ります。

それは若い時分の私と同じだからです。

思うに、

今の若者も私の時代も本当は変わらないのですが、

時代が変わった事で、

今の若者が可哀想だと感じています。

其れほど迄に、

ぎすぎすした社会になったと感じています。

若者には可能性と時間、体力が在ります。

私らの世代の方に、

若者を育てると云う自覚が欠けている様に感じています。

私が20代後半の頃すでに著明な歯周病専門医であった

アメリカのドクター.ネビンズから言われた台詞です。

手術手技に悩む私の手術写真を前に、

【成功からは何も生まれない】

【世の中を変えるのは普通の人ではない】

【私は普通の人には成りたくない】

私は大きな衝撃を受けました。

私が幸運であったのは、

多くの大人が関わってくれたチャンスが在った事です。

私の治療の特殊性の根源は、

多くの大人から得た彼らの経験の賜物を

私なりに混合させたモノである事には間違いありません。

息子には、

私は自己経験から得たノウハウを

包み隠さずに話しする様に努めていますが、

受けとる側の準備全般を観れば、

未熟さを感じざるを得ません。

父息子の関係が邪魔するのかもしれません。

子育ては、

子供が何人いようとも、

たった1度きりです。

娘への手当てが、

息子に当てはまるとは云えませんから。

血の繋がりを確実に息子へと

リレーしなければなりません。

そんな想いで、

息子との会話を配慮しつつ、

頭を抱え、

心悩ます私です。

それに比べれば、

歯の何と素直な事でしょう!

患者さんの歯は、

私の掌の上に確実に乗ってくれますので。

ですから、

私は余計に歯を、

両の掌にて、

大切に大切に温めるのです。