新潟市でご開業の高橋弘尚博士と長い間、電話で話し込んでいました。
高橋先生は、私と同門です。
日本歯科大学の4年先輩で、大学卒業の後、大学院へ進まれ歯科保存学を専攻されました。
御専門は、象牙質を傷めることなく削った歯の表面から如何にして感染細菌を取り除くのか!という繊細なテーマで、
コツコツと研究室で深夜までご研究されておられた事を今でも鮮明に覚えています。
先生はその後、保存学講座の講師へと昇進され、その頃に私も保存学の大学院へと進みましたので、
私は先生の後を追いかけたと言って良いと思います。
先生とは海外出張も御一緒させて頂きました。
ですから先生は、私の18の歳から現在までを知る貴重な私の戦友であります。
先生とは、現在に於いても同じ保存学講座の非常勤講師として御一緒させて頂いています。
私の診療所の現状をよく理解されて居られる先生から、興味深い言葉を頂きました。
ー 歯科の治療に不満を持たれて居られる患者さんの共通点って何なの? ー
???
ー 君んとこは、そう言う患者さんがイヨイヨとなって行くところなんだから! ー
歯科の治療に不満を持たれて居られる患者さんは、とても多いと感じています。
但し、不満と言われても様々で‥。
治療費用が高いとか、でもこれは私ではどうにも出来ないことですし、安い歯医者が良い歯医者なら、私は恐らく悪い歯医者でしょう!
結局の処、ヤッパリ歯医者は確かな技術だと思います。
そうは言っても、私にも上手くいかない症例もあります。
だってそうでしょう!
する症例全てが成功!って医者が居ると思いますか?
上手くいかない症例は、どうするの?って聞かれたら、
私は患者さんに正直に現状を伝えています。
だって私は神様ではありませんから。
それで、上手く現状を改善するためには、どの様に考えているのか!何が必要か!を明確に伝えます。
ですから私は、対患者さんに対しては難しく考えていません。
私たち医者が考えて考え抜かなくてはならない事は、あくまでも治療に関してだと思っています。
更に良い結果を得るにはどうするか!
私は毎日これにつきます。
人の身体は千差万別!
知恵を尽くしても尽くし足りない!のが現状です。
歯科不信の気持ちが強すぎて、凄まじいほどの患者さんもお越しになられますが、
私は特に意識していません。
あくまでも普通に接して、心を開いて下さる患者さんなら、アア良かった!で。
どの様にしても疑うばかりでダメな方は治療になりませんから、私は無理強いはしないアッサリした対応を採っています。
患者さんを悪い様にしたいと思っている医者など絶対におりませんし、
確かに医者によっての診断なり技術の差は大きいですが、少なくても私は変に思われるような不満の対象として観られたくないので、
本当にアッサリと、転医をお奨めしています。
お互い人間の生きた営みですから。
その様な話を、高橋先生にお伝えしたら、
ー そうなんだよねぇ! ー
と、妙に納得されて居られたのが可笑しかったです。
医者もみんな、悩んでるんですよ!