病気はついででは治らない!


この様な四国と云うへんぴな田舎街まで、ワザワザ歯の治療のためにお越しに来られるからには、何らかの訳が在るのだと思います。

業界用語で云う処の、面倒な患者さんの多い私の診療所です。

しかしながら当の私は、毎日診察している患者さんを、ごくごく普通の方ばかりと認識しています。

ご自身の健康に関心が高いのは、医者としてありがたい患者さんではありませんか?

私は、ハッキリと治せるものは治せる!治せないものは治せない!とお伝えする考えです。

但し、ダメと云う前に、ベストは尽くします。

悲しいかな、それでも力及ばず、病気に負けることも、少なからず在ります。

隠さずに患者さんに正直に、現状と将来的な予測をお伝えし、また患者さんの側も病状と直面し、
共に考えて、次の手をうつのが、治療の有り様だと考えています。

歯科恐怖症、歯科の治療に対する不信感の強い患者さんに対しては、
何故その様に至ったのかを、さかのぼって探す手順を踏まないと、
治療は上手く運びません。

私は患者さんの前では、決して飾らない様に心がけています。

治療に関する文献を絶えず眼を通すのは、医者として当たり前の話です。

それよりも、心理学、人間学の書物にも、気を配るのは人を観る臨床家の責務であります。

病を観て、人を観ずという医者にはなりたくありません。

最近では、悲しいかな、お金を出すから治して下さいと云う心をあからさまに出される方、
治療の途中から、とかく費用の事ばかり注文を付けられる方が、時に見られます。

とても悲しい気持ちになります。

一生懸命に治療して下さい!と云う患者さんに支えられて私の診療所は今に在ります。

歯科の治療等は、どこで治療を受けても同じだと思って居られる患者さんに、
私は心を、情熱を向ける事が出来ません。

今は歯科医は巷に溢れかえっているほどに沢山あるのですから、
他の医院へと早々に、転医される事を明確にお奨めしています。

私はお金儲けで、歯科の仕事をしている訳ではありません。

歯で困って居られる方のためのユートピアを創りたいと誓って、臨床家になりました。

そのための苦労は、どのようにしてでも耐えて、良い治療を提供したいと誓います。

病気はついででは治らないと云う言葉は、正に的を得た言葉でありましょう!