月別アーカイブ: 2017年2月

恐怖心の為せる技

肌に冷たい外気のなかにも、

何やら丸みを帯びた温かみを感じるのは、

確かに春が一歩近づいたのでしょう。

と、云っても

まだ屋根を全開にして、

清んだ空を仰ぎながらの通勤をする気にはなれません。

窮屈な車のハンドルを握って、

診療所へと向かっています。

凡そ歯科医師の仕事は、

窮屈なモノです。

患者さんを抱くような姿勢で、

手先だけを細かく動かし、

ルーペとマイクロスコープを使った

強拡大下の狭い視野での作業の連続です。

余暇は文献とのニラメッコ。

この様な数十年を過ごして来ましたので、

趣味を持つ事が恐いのです。

若い時分に先人たちを注意深く観察しました。

ゴルフや盛り場にマメな歯科医師に、

技術的な教わる処はありませんでした。

そんな観察結果から、

私の怠惰な性格より、

私の強い恐怖心が勝ったのだと思います。

そもそも私は恐怖心の強い質です。

小学3年まで水が恐くて泳げませんでした。

水が恐いから、

入浴時の洗髪でさえも、

溺死してはならないと、

カッパ頭のようなビニールのシャンプーハットを

被ってはの毎日でしたモノ。

自分の中でヤバい!と察知する虫が居たんだと思います。

敏感センサー完備の危険信号を持っているのが

私の性格の中心部だと思っています。

この性格は歯科医師と云う仕事柄、

良かったと思っています。

危ない橋は渡らないと云うよりも、

危ない橋を渡る前に、

橋の下を埋めたてて、

橋を鉄骨にて補強を施し、

橋の両端に安全ロープを引いてから、

風の無い日を選んで、

初めて橋を渡ると云う、

そんな治療を心がけていますモノ。

歯磨き

歯科治療に際しては、

【歯磨き】を見直す事から始めて頂く事が大切です。

今さら歯磨きなんて幼い頃から毎日してるからと、

お感じになられるかもしれません。

もし上手な歯磨きが出来ていたならば、

歯でお困りになられる事が稀な筈。

精密で正確な歯科治療を行うには、

健康な歯周組織が在ってこそ。

炎症のある歯周組織環境での歯科治療の痕跡を

毎日、患者さんを通して診て来ました。

少しでも良い治療を受けて頂きたいと思います。

ですから、今更とお感じにならないで下さい。

全ては患者さんのためですから。

歯科医師の品格

他人から先生と呼ばれる人には

ろくな人は居ないと、

陰口を叩けれ無いように、

若い時分から気をつけて来ました。

多くの大人から、

その様に仕込まれましたので。

コレが良かったと、

今になって感謝しています。

この様な境遇にて歯科医師の新人時代を過ごせなかった方は、

本人的には幸せ気分、

傍目からすれば阿呆だと思われているのです。

長い期間を生きる事が、

人を大きく変えます。

ですから私らの世代になると、

自分の顔に自信を持たねばなりません。

厚化粧の年増とか、

バブリーイカサマ紳士だけには成りたくありません。

値の張るモノと良いモノの違いの判らない阿呆にだけは、

成らなかった自分を安堵しています。

コレもヤハリ周囲の大人のお蔭です。

私が、ごく一部の歯科医師とだけしか付き合わないのは、

賢くない、品のない人が多いからです。

治療を観れば、

治療内容と、その人の成りは比例していますもの。

 

 

気配り

トイレを観れば、

その店の気配り具合が判断出来ると、

私の経験から、

その様に信じています。

ですから私の診療所においても、

トイレの清潔さにはとても気をつけていますし、

それ以上に診察周りの清潔さを保っておりますので、

トイレの清潔さは最低限の当たり前だと。

患者さんが誰かトイレをお使いになられたら、

直ぐにベンザを拭き、

ゴミ入れ中を空っぽにし、

洗面所上を綺麗に拭くのが、

私の診療所の日常です。

診察がお一人終われば、

診察周りの清掃、消毒はスタッフが、

ですから自然と成り行きで、

トイレ掃除は私の仕事となります。

院長自ら?

と、お考えになるのは間違いです。

掃除は大切な仕事です。

患者さんに気持ちよく、

私の診療所の中では、

過ごして頂きたいと思いますから。

緊張と弛緩

昨日の日曜日は久しぶりにゆっくりと過ごしました。

朝から時代劇。

昼はマリリン、ラッシーを連れて近くのため池の畔を

時間をたっぷりかけての散歩。

久しぶりの温かな初春の陽射しを浴びて、

犬たちは大喜びでした。

で、

帰宅してからは、

時代劇。

夜の12時近くまで画面に釘付けでした。

こう言うサボりも大切だと思います。

後からグッと効果が効いて来ますもの。

論文や文献読み込みは仕事の一環です。

嫌がおうでも避けては通れません。

単に読めば良いのと云う代物でもありません。

完全消化が必要とされる読み込みですから。

ただ、

こればっかりでしたら、

脳ミソが受け付けなくなるんです。

仕事の長続きの秘訣は、

緊張と弛緩の繰り返しだと考えています。

緊張10に弛緩1位の割合で、

私は、そう考えています。

 

 

 

清々しい表情

とかく最近の若い者はと嘆きがちなのですが、

スケートの羽生選手の演技には、

この考えが間違いであると、

否、

若い人のエネルギーを思い知らされる感が在ります。

先ほどの嘆きなど忘れて、

若い人って素晴らしいなと。

スケート技術については全く判りませんが、

あの表情が良いじゃないですか!

私も、ああで在りたいと。

絶対王者って表現は上手いこと言うもんだと、

ただ、

周囲の大人は判ってるんでしょうか?

当の自分は精一杯頑張ってるんでしょうか?

二十歳過ぎの若者に、

絶対王者って酷じゃないかと思うのは

私だけでしょうか?

あんなに早く王者になったら、

後、何になれって言うんでしょう?

可哀想ですよ。

それにしても大人の都合を吹き飛ばすほど、

清々しい表現に、

心洗われる想いがします。

福岡から根管治療に通って下さっている患者さんの

最後の詰めの治療が在り、

今は朝の硬直した指先を解してのストレッチの最中です。

何の事は無し。

単にキーワードを叩いたり、

このブログを認めているだけなのですが。

それに加えて、

掌から指を伸ばしたり、

折り曲げたりの屈伸運動です。

午後からは大阪からの患者さんの

噛み合わせの治療。

歯の治療にて大きく噛み合わせが狂って、

肩や頚の痛みが強い患者さんです。

セラミックの修復処置をお受けになられていました。

白い歯であれば良いってモンじゃないですね。

噛み合わせ無視の治療でした。

大きく狂った噛み合わせから来る不快症状を回復させるのは、

とてもとても大変な作業です。

4回転何とかってテクニックに近い手当ての必要な治療です。

清々しい表情に、

患者さん、私共になりたいですね。

 

気持ちに余裕

休める時に休んでおこう!

と、

最近になって気持ちに余裕が生じた様に思います。

まだ頁を開いていない書物や、

自動車の整備、

映画を観たり、

犬たちと出かけたり。

普段、気持ちを張り積めて仕事していますから。

ノンビリする事も大切だと。

 

チャレンジ

毎年、新しい具体的な目標を創り、

チャレンジする習慣を自分に課せたノルマとしたのは

私が42歳の年でした。

今年は仕事の拠点を、

今まで通りの高松市と新潟市に加えて、

神戸にも、と。

で、

芦屋近郊に住まいを手当てしたのです。

閑静な住宅街の光景は、東京田園調布を凌駕するほどにて、

と、云っても其れはあくまでも周囲の他人の住まいですが。

坂と木々と川在る土地の風は、

今後の私の仕事のモチベーション向上に役立ってくれる事と

大いに期待しています。

 

 

気づき

今では成人した息子が高校1年の頃に誘われて、

矢沢永吉さんのコンサートへと出向いた事は、

私には大きな刺激となりました。

矢沢永吉さんがキャロルのボーカルとして売り出した頃は、

私が中学1年の頃でした。

私が日頃から馬鹿にしていた不良グループは、

皆が示し合わせた様に、

鞄の底の両端を針金で縛って、

薄い鞄の形状を保ち、

決まって矢沢永吉さんのステッカーを貼っていたのが印象的でした。

ですから、

不良の教祖が矢沢永吉さんだと、

私はその様に信じこんでいたのです。

コンサートの雰囲気も、

他の歌い手のモノとは大きく異なるのにも、

最初の印象は決して良いモノではありませんでした。

が、

コンサートを観つつ、

私は大いに反省したのです。

手の先まで、

瞳の動き1つをとっても、

全て計算され尽くした上での、

どれ程までリハーサルを積んだのででょう?

と、プロならば判る凄まじさを

私はひしひしと感じて圧倒されたのです。

 

 

歯科医師は正直であれ

新しい患者さんへのコンサルテーションが在ったので、

ちょうど良い機会だと、

たまたま応援に来院されて居られた歯科技工士さんに

見せて差し上げました。

人工歯を直接造る歯科技工士さんにとって、

私が、

どのように患者さんと接しているのかを

知って頂く良い機会だと。

上顎の第1大臼歯を

残すべきか?

抜くべきか?

と云う岐路に立たされた正にその時でした。

で、

抜いた後の治療は?

そのドキュメントを歯科技工士さんに見せて差し上げました。

治療方法の決定においては、

より客観的に!より客観的に!

と教育を受けます。

其れは大いなる綺麗事だと思うのです。

専門家である私は、

儲けなど一切、頭の中には置かずに、

私自身が1番良いと信じる治療方法を提示しています。

インプラントよりもブリッジが良いと感じたならば、

ブリッジの治療を自信を持って提示します。

逆に、

この症例は絶対にインプラントだ!

と、判断した際には、

一生を背負う覚悟でもって、

インプラント治療を提示しています。

其処には駆け引きなどありません。

私は、

患者さんの治療に関しては、

正直で在り続ける積もりです。

その後、

歯科技工士さんには想う処が在ったのででょう。

グンと、

距離が縮まるのを感じたからです。