日別アーカイブ: 2015年9月10日

馬耳東風

綺麗な診療所ですね!とか、

良い患者ばかりに恵まれて良いですね!とか、

他人からのその類いの台詞をしばしば耳にします。

挙げ句は、資産家の息子だからできたんでしょ!とまで。

この様な台詞に対して私は、ホウホウ!と、ニコニコ顔で応えています。

結果を造るに、虫の良い話などあるはずはなく。

そんな単純なことさえも判らぬ人に、マトモにぶつかる程に、私は体力はありません。

夢と目標を胸に、後は引きずられても、引っ張られても、

岩にかじりついて、岩に血の指を引っ掻けて、

ジリジリもがいて前へ前へと、進んで来たのです。

考える余裕などあるはずもなく。

この姿勢は、今も正に最中でありますし、

これは生涯続いていくでしょう。

馬耳東風という言葉があります。

一見、偏った姿勢ですが、

そのくらいでなければ、夢の実現などほど遠いでしょう。

途中でさじを投げる位ならば、夢など持てません。

少なくても私は、そう信じています。

潔い生き方

私は批判なり、嫌がらせの類いが、力の源になる負けん気の強い性格です。

所謂、お世辞とか、他人から誉められたりすると、

自分をよく認識しているので、そんな筈はないと、その辺りは阿呆ではありません。

仕事に関しては、もっともっと上手になりたい!と強く望んでいますので、

好んで批評して教えて頂きたいと欲しています。

私の考え方なり流儀については、

元来、短気で怒りっぽい性格なのですが、これはもう歳も歳ですから、

意識して堪えて平静を装っています。

但し、仕事の流儀というか、私なりのプリンシプルを大きく侵された時は、

プツンと、我満の糸が切れる時も正直あります。

しかしながら、現状の私を怒らせる所作は、明らかに常軌を逸脱したものでしょう。

若い先生方や学生さんから、遠慮しぃしぃ色々とお電話を頂く機会も多くなりました。

こんな私でさへも、色々な方が頼ってくれてるんだと思って、

大学に戻ってからは、特に自分の見せ方に注意するようになりました。

先生でも怒るんですか?

昔の私を知って居られる方なら、フンゾリ反って驚く事でしょう。

私の持つルールは、一般からしてみれば違う処、大きいとも自覚しています。

仕事を通じて身に付いた習性、仕事を通じての責任、仕事の特性上、

今の自分が在るのだと思っています。

ですから、自分のなかで常に反省を繰り返してはいるモノの、

それは他との物指しでは測ることはできない種類のモノだと思います。

電話口の向こう側からの言葉に対して、ただただ黙って聞いて差し上げることしかできません。

しかしながら、それでも明確に判るのは、

その先生なり学生さんが、歯科という学問、仕事にどれだけ真摯に向き合っているのかと云うことです。

私はなぁなぁの人が嫌いです。

無難にという言葉も嫌いです。

例え小さな夢でも良いではありませんか。

その夢の実現に向かって、コツコツと決してさじを投げないで、

変な言い訳などしないで、

馬鹿や阿呆と言われても、

屈せず、頭を垂れて、足を前へ進める凡人を尊敬します。

他からの評価や後からの賛辞など無意味であると思っています。

今を一生懸命に生きることこそが、潔い生き方と思っています。

秋の夜に

診療所に泊まり込んで、大学での講演用のスライドを作っていました。

作ると言っても、実際にパワーポイントを使うのは、スタッフの宮田君ですが。

勤務時間の間に、患者さんの間を縫って、煩い私の指示に従って工夫しながらの作業に

心から感謝しています。

このところの猛読から仕入れたネタから浮かんだ言葉や、患者さんの症例写真の数々と格闘して

夜を過ごしていました。

院長室の窓を全て開け放ち、通りからの冷たい外気に驚きながら、

改めて、あぁ夏は終わったのだと実感したのです。

講演タイトルは例年と通り【素晴らしい仕事 歯科治療】ということで、

教務部長である藤井教授からご指示を頂いています。

1年生に対して、プロとしての職責を自覚させるために近年、歯科大学ではプロフェッションという科目があるそうです。

私の話は、私が歯科を志した頃からを振り返り、現在に至る半生を症例を交えて語りかけるというスタイルをとっています。

2時間ほどの時間ですが、若い学生さんたち6年の間に定まった方向を見つけてくれる一助となれることを

祈りながら、スライドを列べていました。