歯科技工士さんには申し訳ないのですが、
この頃の私は、ダイレクトボンディング法に凝っています。
今までであれば、歯の型採りをして人工の歯を歯科技工士さんに製作して頂いていた症例の半分以上は
ダイレクトボンディング法にて対応しています。
インプラント治療と無髄歯、これは神経を採った歯のことですが、
これらの治療以外、則ち、活きている歯の治療は殆んどがダイレクトボンディング法で治療しています。
虫歯の歯であれば、マイクロスコープを使って最小限の切削で、
形態異常歯や変色歯の治療ならば、直接に口の中で、様々な色を盛り上げていって
歯の形態を造っていきます。
彫刻よりも材料を盛り上げていく手順を、私は好んでいます。
ミケランジェロの削ったミロのビーナスよりも、ロダンの盛り上げたる考える人の方に
躍動感なり活きた息吹きを感じるからです。
ダイレクトボンディング法の最中の私は、恐らく幼子が玩具に夢中になっている様と同じであろうかと思います。
活きた歯を再現できた時の達成感ほどに、充実感を覚えるモノはありません。
普段のインプラント治療は、ピリリ!とした緊張感のなかに自分を置かなければなりません。
が、このダイレクトボンディング法は、ウキウキ気分な遊び心で、楽しむことができる
私にとっては、仕事か遊びか、境目が曖昧な、嬉しい仕事です。