月別アーカイブ: 2015年7月

仕事感‥‥?

昨夜、トアル歯科医の先生からお電話を頂きました。

都内でご開業の40代の半ばの先生でいらっしゃいます。

歯科医過剰と言われる昨今ですから、都内での歯科医院の競争は激しいモノがあります。

そういう状況で、歯科医院は患者さんの獲得のために知恵を搾って苦労されておられます。

歯科医が本来の技術なり、診断力で競いあうことは望ましいと思っています。

しかしながら、技術以前の患者さんの獲得にエネルギーの全てを消耗している様は、

なにかしら残念な心持ちを覚えます。

この先生は、スタッフの教育についての深刻な悩みを抱えて居られました。

数名の若い歯科衛生士を雇用して居られるようですが、

彼女らの勤務に対する姿勢に、憤懣ヤルセナイ想いを抱えて居られました。

勤務時間ギリギリにしか来ない。

指示を出しても、返事がない。

仕事中はボーとしているが、休憩時間にはスタッフ同士でワイワイと楽しそう。

スキルを自ら上げようという熱意など全く感じられない。

延々と愚痴は続きます。

私の考えですか?

その様な人たちとは一緒に仕事をすべきではないというにつきます。

言って解るような人ならば、そもそもその様なことはしません。

私は歯科医になりたくて歯科医になりました。

親なり誰かに頼まれて歯科医になった訳ではありません。

ですから、仕事での生き甲斐や目標常に頭のど真ん中において仕事に就いてきました。

当然、壁にぶち当たったり、行き詰まる経験も数多く在りました。

そりゃ、苦しかったですよ!

但し、無関心、無気力なんて云う気持ちなど一度もありませんでした。

必死でしたし、それは今も変わりません。

人は1日の大半の時間を仕事に費やします。

ですから、仕事を疎かにすることは、1日を無駄に過ごすことになります。

神様が、人皆に平等にお与えられになられたモノと云えば、

1日の長さだと思います。

この大切な1日の過ごし方の積み重ねが、その人の人生を豊かなモノとすると思っています。

1日の大半を占める仕事を疎かにする人を、私は理解できません。

アレコレと仕事に専念出来ない訳は、単に言い訳にか過ぎません。

何かの才能に恵まれた訳でも私はありません。

縁があって出会えた歯科という仕事に精一杯に向き合うだけで、特別な理由などありません。

モチベーションが上がらないなどという台詞も耳にしますが、

そんなものお前の勝手だろう!としか考えていません。

自分で自分にムチ打つことだけだと考えています。

人の大切な身体を与る責任ある歯科の仕事です。

大の大人になったモノがそんなことも解らない様であれば、

その先生が、幾ら頑張っても、同じことの繰り返しになるでしょう。

たとえ先生独りになっても、自分の患者さんは、自分が身体を張って守るんだ!という意気込みで!

スタッフ総取っ替えすれば良いんです。

新しいスタッフが来るまでと言わずに、

今から患者さんの数を減らしてでも、先生が頑張れば患者さんは離れません。

かく言う私も、同じ経験を何度も味わいました。

診療所で私独り。

電話応対、受け付け、診療、会計、掃除。

何ヵ月も独りでやったことが何度もありました。

情けない気持ちにもなりましたよ!

但し、私は大切な患者さんを腐った人間には触らせない!と言う強い想いがありますから出来たんだと思います。

私のアドバイスをアクセプトされるかどうか判りませんが、

私の仕事感、歯科が私の命と、

バカな私は単純に、そう思って過ごしています。

鰻の話のついでと言ってはなんですが‥

先程の鰻の話のついでと言ってはなんですが、

大学の近所に鰻屋があったので、昼休みに車を出して覗いてみました。

10人も入れない程のカウンターに上がり座敷にキツキツで8人程度の店です。

規模はますまず善し!

で、早速にカウンターの隅に腰かけてお品書きを。

鰻重と鰻丼のみ。

よし合格!

で、特上の鰻重を。

注文した後で、カウンター周りをグルリと見渡して、

あっ失敗した!

並にしておけば良かった。

カウンターの真ん前に、【S&B山椒】とスーパーの陳列のままの小瓶が置いてあるのが眼に入ってきたのです。

で、人の良さそうな亭主は、予め下仕事を終えた串に刺さった後は焼くだけの鰻を

冷蔵庫から取り出して、タレのなかへ。

値段だけは一流の店と変わらぬこの店の亭主!

いったいどんな自信から、その値段をつけたのか!

大体、なんだ!この既成の山椒は!

食べる前から腹がたって、ビシャビシャの鰻と、不味い米に

亭主の顔を何度も何度も、見直す私でした。

回転スシは鮨ではありません。

食べる私も、それは認識していますし、値段も大きな差があります!

この鰻屋なり、最近の歯医者って、同じだと思いませんか?

手間隙かけて

この頃の高松市は昼はウットオシイ程に蒸し暑く、

で、明け方は肌寒いと云った1日での気温の差が大きく、

なんだか気だるく重苦しい毎日が続いています。

こんな時こそ鰻でしょう。

カンカンに照ったなかの汗をかきながらの鰻も良いですが、

こうも気だるい時こそ鰻だと思います。

せっかちの癇癪モノの私ですが、

鰻だけは速い処はイケません!

お客の顔を観てから捌くくらいの店でないと。

そりゃ、時間はかかるでしょ!

そのくらいの覚悟がなければ、旨い鰻なんか御目にかかれません。

私らの前に、テカテカとした鰻重がスーと置かれる迄には、

それはそれは手の込んだ下仕事がありますから。

歯科の治療においても同じことです。

速いのが名医の証し!と、信じて居られるお方でいらっしゃったら、

私なんぞは、天下一のヤブ医者でしょう。

自分のなしたる手当ての結果を見極めてから先の手順に進んでいく方法をとる私の治療は、

頻繁には来て頂きませんが、経過の良否により再評価を加えながら進めて行きます。

その日の天候の塩梅によって、料理人が塩加減を変えるとの同じです。

人から観れば同じようなことの繰り返しの毎日ですが

患者さんの状態、状況によって手当ての加減を変えるのが

私は当然の仕事だと思います。

治療成功へのパスポート

新しくお越しになられる患者さんは、ヤッパリ難しい症例ばかりです。

さて?どうやって治そうか?

歯科の治療などは簡単なもんでは?と、お考えになられて居られる方も多いと思います。

それはありがたいことだと感謝して下さい。

世の中には、それはそれは、歯でご苦労なさって居られる方も大勢居られます。

治療する歯科医が、手を焼く位に難しい症例ですから、

私にとっても、それは同じことです。

私は自分で言うのもなんですが、手先は器用だと思います。

しかし、歯科の治療の成功.不成功は、

それは手先の器用さは最低の条件でしかありません。

確りとした診断と、治療方法の選択、そして治療計画の如何にかかっています。

嘗て大日本帝国が戦艦大和.武蔵.戦闘機O戦という最新.最高性能の軍備を保有していたにも拘わらず、

戦略や政治的判断において稚拙であったために、敗戦の憂き目に遇ったのと同じです。

インプラントやセラミックなどは、治療における1戦術にしか過ぎません。

多方面からのバランスの取れた治療計画を立案する作業が、

治療成功へのパスポートとなるんです。

患者さんを拝見していない時間の多くを私は、

患者さんから収集したレントゲンや資料との格闘で費やしています。

師からの贈り物

宅急便にて届いた荷物を手に、

はて?誰からだろう?と、裏返して荷の送り主を観ると

我が歯科医学の師である内藤正裕先生からのモノでした。

先生は多くの書籍を遺されていますが、最近の先生からのお電話にて

先生の集大成とも云える1冊を書き終えたとのことでした。

【内藤正裕の補綴臨床 オーバーロードと向き合う】

気合いを入れて表紙を捲ると、先ず第1頁に

ー 三枝先生 同じ時代を共有できた感謝をこめて‥内藤正裕 ー

!!!

で、奉るようにして、次へと頁を進め、

これは診療の合間で読むようなご本ではない!

今夜からの深夜の勉強は、他の論文は全て読むのを中止して、

この1冊と向き合うことになりそうです。

美容師だか、なんか判らないようにまで落ちぶれた歯科医の現状ですが、

確かに立派な歯科医が、この国に居るという事実は、確かであります。

私は先生の影響を受けて、今に至ります。

博士号を頂戴した大学での恩師よりも、ずっとずっと先生からの大きな影響を受けて診療に勤しんで来ました。

時には、この厳しい師の姿に、出会いを後悔したこともありました。

が、疑いなく先生は、私の最も尊敬する歯科医であります。

先生が末長く、臨床のトップを走り続けられますように、

先生のご健康を祈っています。

充電時間

雑用に追われ自分の時間が持てるのは、一度就寝した後で朝方起床してからの

世間一般では皆が熟睡の最中の頃だろうと思います。

起床すると直ぐに、横で眠っているマリリンと平蔵も伴に起き出して

コチラはまだ頭の中がボーとしているなか、

玄関戸を開けて、奴等を外へと。

世間一般で言う処の深夜ですし、家の真正面は公園ですので、人などいる筈もなく。

家の前の道路で、奴等が用をたした後、じゃれあっているのを、

煙草をくわえて眺めています。

大型犬というのはホンにお利口だとシミジミ思います。

コリーのラッシーは、上の娘と行動を伴にするのが当たり前と思っているようですし、

3匹の犬たちにリードなどというのは、常識上の飾りでしかなく、放れていく事などなく

何時も身体の何処かしらかに触れています。

犬たちのようがたすのを見届けて、後の始末を主人たる私はさせて頂いて、

玄関戸を開けると、さっさと先に帰って行くのも毎朝のこと。

そこから私は、文献を読んだり本を読んだり。

犬たちですか?

また眠っています。

ホンに羨ましいことこの上なくといった処です。

娘たちを起こす前の数時間が、私の充電時間です。

この頃は、象牙質の文献や、微生物の文献に埋もれています。

臨床の方は、やはり噛み合わせ関係の文献ですかね!

目を通さねばならない資料って、多いんですよ。

最後の砦

ホームページなどをご覧になられて、お越しになられる患者さんも多いです。

そのような患者さんとの初対面では、私の方も緊張します。

私の診療所へお越しになられる患者さんは、他では手がつけれれない状況迄にといったケースが多いです。

今日、新患でお越しになられた40代の女性もそうでした。

本格的な検査は次回からになりますが、

確かに難しい症例ですが、キチンとフィニィシュ出来ると確信しました。

その旨をお伝えすると、

ホロホロと、患者さんの頬に涙が‥。

私の診療所は、本当に困った時に思い出して頂きたいし、

絶対的な安定感で治療を提供する最後の砦だと自負しています。

患者さんの、期待以上の治療を確りと尽くしたいと思っています。

男の隠れ家

末の娘が小学校から持ち帰ってきて裏庭に植えた朝顔の苗。

日毎、二人での水やりを欠かしませんでした。

今朝の水やり時に、小さい可愛い蒼い花が咲いていました。

驚いて二人して、花に顔を近づけました。

この様な朝を迎えた日は、一日中、気持ちの良いモノです。

診療所での私は、ピリピリと張りつめているそうです。

最近では歳をとって丸くなったと、昔からの患者さんからはよく言われます。

自分でも意図的に、その様に気を使っているのですが、

いざ、診療台で患者さんの口の中を前にすると、本来の私に戻るのでしょう。

論文をひとつ、纏めています。

患者さんの合間には、とても出来ませんので、

自宅での作業になりますが、小さな家であるので、

とてもじゃないですが、私の書斎などありません。

以前、倅の部屋であった処は末の娘の部屋となり、

その部屋の一角に設けられたクローゼット上にあつらえた僅か畳み1畳半程のロフト状のスペースに

ブロックを脚にし木の板を置いた簡易の自作?机に座布団を置いた処が、私だけの神聖なる男の隠れ家となっています。

ここには犬も上がることは出来ませんので、

床に寝そべって、私を恨めしく眺めています。

男とは何時まで経っても、子どもの心を持ち合わせている生き物です。

幼い頃に、段ボール箱を駆使して造った自分だけの秘密基地。

そんな気分で、私は毎日、此処で新しい治療方法を考え、あるいは論文を纏めています。

早いもので今年も完全に後半戦を迎えました。

まだこれといった成果を出せていないと焦る毎日です。

但し、今年に入ってからは、新患の患者さんが多いように感じます。

例年に比べて、地元香川の方も増えたように思います。

どちらかと云えば、簡単な症例の患者さんがお越しになられることはありません。

皆さん、歯でご苦労されて居られるんだなぁ!と、溜め息の毎日です。

患者さん其々の個性に調和した歯科治療をと、常に心がけていますが、

思案の繰り返し、反省の繰り返しの日々の繰り返しでもあります。

生涯、快適な環境で過ごして頂けるようにと、後半戦!頑張って、気合いいれて過ごします。

昨夕から雨です。

敷いたばかりの庭の芝生も、この雨で定着してくれるでしょう。

確りと根のはえた1年になりますように。