末の娘が小学校から持ち帰ってきて裏庭に植えた朝顔の苗。
日毎、二人での水やりを欠かしませんでした。
今朝の水やり時に、小さい可愛い蒼い花が咲いていました。
驚いて二人して、花に顔を近づけました。
この様な朝を迎えた日は、一日中、気持ちの良いモノです。
診療所での私は、ピリピリと張りつめているそうです。
最近では歳をとって丸くなったと、昔からの患者さんからはよく言われます。
自分でも意図的に、その様に気を使っているのですが、
いざ、診療台で患者さんの口の中を前にすると、本来の私に戻るのでしょう。
論文をひとつ、纏めています。
患者さんの合間には、とても出来ませんので、
自宅での作業になりますが、小さな家であるので、
とてもじゃないですが、私の書斎などありません。
以前、倅の部屋であった処は末の娘の部屋となり、
その部屋の一角に設けられたクローゼット上にあつらえた僅か畳み1畳半程のロフト状のスペースに
ブロックを脚にし木の板を置いた簡易の自作?机に座布団を置いた処が、私だけの神聖なる男の隠れ家となっています。
ここには犬も上がることは出来ませんので、
床に寝そべって、私を恨めしく眺めています。
男とは何時まで経っても、子どもの心を持ち合わせている生き物です。
幼い頃に、段ボール箱を駆使して造った自分だけの秘密基地。
そんな気分で、私は毎日、此処で新しい治療方法を考え、あるいは論文を纏めています。