70を間近に控えましたと、
笑みを浮かべながら語るご婦人の奥歯の虫歯治療を終えた処です。
この歯の治療に着手したのは、
既に昨年の年も暮れようとする頃でした。
古い修復物を外して、
冠の中に進行した虫歯を取り除くと、
薄い紙ていどの歯質を残した向こう側に、
淡いピンク色を帯びた歯の神経が透けて見えています。
虫歯検知液にて削った部分の虫歯の取り残しはありません。
しかし、
虫歯検知液の赤い色と、
活きた神経の色が似通っていることから、
このような場合には、
私はとても神経質になるのです。
で、
ラバーダム防湿環境下にて、
歯面の清掃を行うのですが、
私はアスコルビン酸を好んで使用しています。
次いで、
MTAセメントと私独自の処方のモノを練和して、
深く進行した神経に近接した部分に付与しています。
その後に仮の歯を被せて経過観察に移行しています。
このような症例に使うMTAセメントはGC社の製品が
成績が良いと、
私のデーターでは結論付けされています。
今日、
仮歯を外して、
エアーをかけて、
歯の反応を観察すると共に、
レントゲン所見においては、
神経のある部屋と、MTA三枝メソッドの間には、
鮮明なバリアーが形成されていました。
で、
歯の型採りとなった訳です。
このような症例が、
外からのストレスに強い歯質を持った歯である事は間違いありません。
今日の治療は、
無麻酔下での治療です。
これが本当の【無痛治療】【歯に優しい治療】だと、
歯が好きでが高じて、
今日の治療に至っています。