月別アーカイブ: 2016年5月

懐かしいでしょう?

この処、新潟市から

私の大学院時代の恩師である山口隆司 元日本歯科大学助教授が

頻繁に、私の診療所へお越しになられます。

で、

私が診療している間、先生はこの通り。

院長室でゴソゴソして居られます。

日本歯科大学で当時を過ごされた皆さん!

どうですか?

懐かしいお姿でしょう?

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でも、

お気づきになられましたよね!

先生も歳をとった。

小泉純一郎 元首相みたいでしょう?

当時は相当に女性を泣かせた先生ですが、

今は当時の面影はありません。

信用出来ない?

いいや、コレは私が補償しましょう。

診療が終わって夕食へと出かけ、

で、

昔だったら【カナディアンクラブのソーダ割り】が定番の先生でしたが、

今は、

【焼酎の烏龍割り】

どうですか?

もう、お爺ちゃんですね。

で、8時半になったら、

「三枝、ホテルに帰る。寝る。」

信用出来ないでしょう?

でもね、

翌朝、お会いすると、

キチンと昨日の研究内容や仕事の膨大な資料は

完全に先生の頭の中で消化済みなのです。

聞けば、

私と同じです。

早く寝る。

で、

夜中に起きて、文献を読む。

ただ私との違いは、

相変わらず、頭は切れる。

そんな懐かしいワンショットです。

三枝デンタルオフィスの【流儀】

私も一開業医ですから、

患者さんからの診療報酬を頂いて生業をたてている訳です。

言い方が適切ではないかもしれませんが、

診療が私の商売とも言えます。

しかしながら、

人の大切な身体の治療を商売と言い切るれほど

私はドライな気持ちで、

この仕事に就いた訳ではありません。

報酬を頂かなければ、

無論、私は生計をたてられませんし、

設備や機材、薬品、材料の購入も出来ません。

ズット、ズット、

診療行為と診療報酬を頂くことの境目に

私はモヤモヤとした解決出来ない引っ掛かりがありました。

難しいことを考えずに、

決まりごとの健康保険の診療だけに従事していれば、

気持ち的には楽だったと思います。

が、

国の決めた、個々への配慮に欠けた画一化された治療に対しても

私は大いに疑問を持つのです。

私は【歯】が好きなだけです。

で、

それならば、その様に生きて行こうと。

私の診療所は、【私の書斎】です。

歯でとてもお困りの患者さんが、

【歯のオタク】である【私の書斎】を訪ねてお越しになられる。

これが、私の診療所のコンセプトです。

皆さんが、

私の一番に良いと考える治療をして下さい!と、

一様に言われます。

この一番良いと言うのが、

個々の方によって、大きく異なる訳です。

ここを見つけて、解決することが

私の仕事の【醍醐味】なのです。

治療する際には、

私の手先は、私の意思とは別に活きたように動いてくれます。

治療とは、手を動かす前が勝負だと考えます。

料理も仕込みが命であるのと同じでしょう。

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私の診療室の中の一部分です。

診療台のすぐ横のコーナーです。

診療台に患者さんに横たわって頂き、

で、

私はこのデスクで知恵を搾るのです。

好きで好きで【この仕事】をしています。

ですから、

本当に歯で困った!

歯医者など信用出来ない!

と云う患者さんだけお越し下さい。

歯医者など、何処でも同じとの価値観の方は

どうぞご遠慮下さいますようお願いします。

【セワシイ】性格は

先程、マイクロスコープを使った治療が終わりましてね、

今、眼を休めている処です。

眼を休めると言っても、

別段、眼を閉じて、温かいタオルで温湿布っていうのではありません。

ただ、歯を視ないでおくと云う位のことです。

落ち着きない質でして、

こうしてブログを認めながら、

横には開きかけの書籍を。

読んだり、

飽きたらブログを書いたり。

何もしないでジッとなんか、

私にはとてもとてもじゃありませんが、

無理なことです。

テレビは殆ど自分からは観ません。

日曜に家に居た時に、

池波正太郎アワーかCSI科学捜査班にチャンネルを合わせる程度で、

これも繰り返し繰り返し観てますので、

台詞もほぼ頭に入ってます。

で、

手は他の事に勤しんでいたり、

ながら読書であったりと。

足では脇に横たわるマリリンを撫でています。

もうこの性格は治らないでしょう。

旅行に行っても、

頭の中では、完全に予定を時間刻みで決めています。

窮屈だと感じられるかもしれませんが、

これも

仕事の特性が、こうしたんだと思います。

仕事の成否の殆どは、段取りで決まります。

ソレを長い間に身を以て経験したので、

こういう質になったんじゃないかと。

レントゲンを眺めていたと思ったら、

診療所内の研究室で試験管の調製をしていたり。

で、

患者さんの姿が見えたら、また診療へと。

私なんぞ定年退職なんてのがあったら、

もうどうしようか?と頭を抱えるでしょう。

もうお一方、

マイクロスコープを使ったセラミック冠の患者さんが来られたようです。

さて、眼に頑張って貰いますか!

父と息子

私には息子がひとり居ります。

私からして観れば、

息子が成長する過程において生じる様々な出来事では、

最善策を選択していた気持ちになっていました。

その良否は、

私には論評できる立場ではありませんので、

控えさせて頂きますが、

周囲が、或いは息子本人が

【今どの様に感じる】と云うよりも、

先々に過去を振り返って父のアクションをどう考えるのかの方が

重要だと思っています。

それは将来、息子がどのような考え方の人間に育っているのかと云う

ひとつの指標だと、

興味を持っています。

彼は彼で、

父の行動に大きな非難を持っている部分も相当あるはずです。

それとは別に、

父の苦労や努力を誰よりも知る人間でしょうし。

私の恩師に山口隆司先生と云う歯科医がいらっしゃいます。

父親は日本歯科大学の教養過程の法学を担当された山口五郎教授でした。

私自身も先生の父君の講義を2年間受講させて頂きました。

山口隆司先生の父君は憲法学者でいらっしゃいました。

東北大学を卒業された後に、新潟大学へ講師として勤務され、

その後に日本歯科大学の新潟校の設立に際して教養過程の人材の確保に

随分と大きな情熱を注がれた事は、

当時の大学の教養過程の教授の陣容は礎の重みがありましたから

間違いない事実でしょう。

で、

海軍士官を彷彿させる、

本心は憲法学者ナンですから兵隊は嫌いなんでしょうが、

そういった匂いのある紳士であった事は間違いありません。

私はこの山口五郎と云う人は好きだったですね。

その御子息である隆司先生と、

現在多くの仕事をご一緒させて頂きながら、

学問はもとより、

様々な多くのことを学ばせて頂いています。

父君の五郎先生は、意外や家では暴君であったそうな。

で、

親子で専門の分野は大きく違います。

隆司先生は先生で、

この方にも独特の【ダンディズム】があります。

無難に生きてきた普遍の男には、

先生の【仕掛け】など、

先ずは見落とすでしょう。

私は最近、

私ら親子と、山口先生親子を対比しながら

興味深く、先生の話全般を聞いています。

で、

ヤハリ父息子の親子は親子であると確信したのです。

研究の焦点の当てかた、

研究の攻めかた、

分析方法の選択の手段、

コレは自然科学のみに触れた人間の技ではありません。

先生に私は、山口五郎先生の遺伝子を確りと感じるのです。

 

 

オールセラミック冠の仕上げ

今日はキツい1日となりそうです。

お昼をはさんで、

マイクロスコープ顕微鏡を使った【歯削りの仕上げ】があります。

歯にオールセラミック冠を被せる際には、

歯の全周をグルリと削ります。

この際、削った処と被せモノの境目を【マージン】と呼びます。

このマージンが、どれだけスムースに仕上がっているかで、

セラミック冠と歯の密着度合いが変わります。

ピタッ!と適合するセラミック冠を造るためには、

先ずは歯科医が

綺麗に

キチンと正確に

精密に

歯を削る器用さを持っていなければなりません。

で、

肉眼で見える状態も

更にマイクロスコープで確認すると

凸凹状態なのです。

ですから、

最後の仕上げはマイクロスコープを使って

拡大視野下で、マージンに【カンナ】をかけて

ツルツルにまでもっていくのです。

1本の歯の仕上げに、

最低1時間は要します。

今日の患者さんの場合は3本ですから。

その間は、

私も患者さんも共に、

ジッと、

細かな作業になる訳です。

患者さんには私の緊張感が伝わるのでしょうか?

皆さん、協力して下さり、

ジッと。

この作業をキチンとしていれば、

被せモノの境目から虫歯になることもありませんし、

歯茎が黒く変色してくることもありません。

歯の治療の成績は、

使う材質に左右されるより、

歯科医の技術的要素に大きく影響されると言って良いでしょう。

今日の私の眼のコンディションは万全です。

普通の生活

今月は出張が2回ほど残っています。

ひとつは新潟へ。

日本歯科大学新潟校の4年生への【歯科保存学】実習の指導です。

コレは、結構と体力的にキツい!のです。

午後1時から6時半まで、

広い実習室の中を歩き回るので。

で、実習に勤しむ学生にチェックをいれる訳です。

その後、学生への小テストの試験監督。

未だ未だ、仕事は残っています。

研究室に戻って、

新海教授や医員、大学院生との研究討議。

何時になるんでしょうか?

もうひとつの出張は東京です。

師匠である内藤先生からの個人講義を受けます。

11時から5時まではぶっ通しでしょうね。

私は心から師匠を尊敬しています。

私の診療所が、

内藤先生の流れをくんでいることを、

東大阪市開業の、

もう一人の大切な師匠である本多正明先生がお越しになられた際に

指摘されたこと覚えています。

私と師匠の時間は

今時の講習会では考えられない位の緊張感があります。

その後は、

若手の先生の診療所へと移動して、

インプラントと歯肉移植の併用法の手術を2症例ほど。

若手の先生に、

私の歳を知ってますか?

と、想わず尋ねてしまいました。

でも、

この若手の歯科医を私は評価しています。

私の技術を隠さず全て伝授しようと思います。

それは現在でも、

昔から私が内藤先生からされた事と同じですから。

出張滞在日程は最低時間で、

すぐさま高松市へとトンボ帰り。

患者さんが多くて、

ユックリ出来ないのです。

疲れませんか?って?

歯を触っているのが至上の時です。

ただ今日は、朝の3時からゆっくりと犬の散歩を楽しんで、

3時間ほど読書。

で、

【鬼平犯科帳】と【剣客商売】を。

その後、

マリリンをお風呂に入れて、

で、

また【時代劇】

もう少ししてから読書して、

9時には床に就くと云う何時ものリズムで。8

最近ハマったモノ

この間、新潟へと行った際に

野中広務氏の回顧録を購入し、

ソレからキチンとした政治家の回顧録に興味を覚えたのです。

で、

今は宮澤喜一元首相の回顧録を。

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それにしても、

編集者である中村隆英 元東京大学教授の文章の

正確さと技術には脱帽しながら頁を捲っています。

良い書籍です。

とは別に、

私は田中角栄 元首相のファンのひとりですが、

まぁコレは、私の越後人贔屓とは別の意味合いである事は

書き添えておきます。

で、

元首相の自伝書がアマゾンにて29000円の値段が付いているのを観て、

どうしようか?と思案している処です。

手術を前に、

30分ほど手が空いたので、

コイーバに火を点し、

頁を開いたと云う現在です。

【モシも】の話

死んでも使いキレない程の

沢山のお金があったら?

と、聞かれました。

そりゃ、欲しいモノだらけです。

車は3台。

シボレーのシルバラードとタホ。

で、

キャデラックの新型のCT6。

フェラーリですか?

要りません。

私の好みではありませんので。

後は、

家は建て変えて。

銭型平次が神棚を背に座っていた和室を造って云々。

ブランド物ですか?

そりゃ、今はUNIQLOばかりナンでね。

ロエベのコートを買って、

後はエルメスで。

歯科の方ですか?

歯科関連では、

欲しいモノは全部あつらえ済みですから。

歯科だけは、欲しいモノは何時も揃えていましたから。

患者さんに使うモノなので。

後は、

もうありませんね。

よくよく考えてみれば、

死んでも使いキレない程の沢山のお金なんか

要りませんよね。

旅行ですか?

患者さんがいますから。

長い休みは取れませんから。

そう考えると、

今で十分です。

ありがたいと感謝しています。

 

 

 

【歯科医】と【スタイリスト】の違い

歯科医とスタイリスト。

最近の歯科医の行為を観ていると、

その境目がアヤフヤになってきたなと、

私なんかは、そう想っています。

どちらも【職人】である事には間違いありません。

どちらも【美】に携わる仕事である事も間違いありません。

が、

スタイリストは、【お客さん】の【求める】ままに。

歯科医は、どうでしょう?

【患者さん】は【お客さん】でしょうか?

【求める】ままの治療が、

先々に患者さんの健康を壊すことが予知できたならば、

【求める】に応じるのでしょうか?

私らは【医師】であることを忘れてはなりません。

もう一度、

【ヒポクラテスの誓い】を

思い出す時だと感じる歯科の昨今です。

【相性】

何事も【相性】ってモンが在りますから、

私は【その辺の微妙なアヤ】を重要視しています。

歯周病や虫歯の制御は、

私の診療所では、既に解決済みの日常治療となりました。

歯の神経を殺す治療も、

この17ヶ月はお陰さまで、しなくて済んでいます。

既に神経を採られている気の毒な患者さんの

再治療が多いのは相変わらずですが。

兎に角、

歯を残す、神経を残す、歯質を残す。

コレが一番の【手当て】だと思います。

ただし、

【保存学】専門の私でさえも、

早く抜いた方が良い!と診断する歯も多いのは、

これもまた現実です。

其れは、

歯槽骨や歯列全体の調和を壊さないためです。

この辺りになると専門的過ぎて、

患者さんには判りにくいのだと思います。

ただ患者さんの側では、

ダメと判っていても、ヤッパリ抜きたくないと。

ソレも、よく判ります。

この様な時には、

私は患者さんの思うままにと、考えています。

若い頃は違いました。

何故、判らないのだと。

よくよく考えてみれば、

判らないのが、当たり前なのです。

相手は素人ですから。

何時かは【身を以て経験】して、

あぁ、あの時のあの歯科医の言う通りになった!と、

思い出して下さる手当てさへ、

ソレで良いと思っています。

この様な患者さんの治療は、私はしません。

出来ないと言った方が良いでしょう。

私は自分の診断に背く医療行為はできませんので。

近視眼的に観れば、

開業医の私にとっては損かもしれないように思われるでしょう。

が、

ソレは逆なのです。

【類は類を呼ぶ】と云う言葉があります。

無理に患者さんに迎合すれば、

その様な患者さんばかりの診療所になるのです。

治療と、患者さんの都合とが一致するとは限りません。

患者さんの都合に遇わせることが【ホスピタリティ】ではありません。

医療行為には【原理原則】がありますから。

この辺りが、

医療行為の難しさとも言えます。

ただ長い間、開業医として感じますのは、

最後は、

【相性】だと。