何事も【相性】ってモンが在りますから、
私は【その辺の微妙なアヤ】を重要視しています。
歯周病や虫歯の制御は、
私の診療所では、既に解決済みの日常治療となりました。
歯の神経を殺す治療も、
この17ヶ月はお陰さまで、しなくて済んでいます。
既に神経を採られている気の毒な患者さんの
再治療が多いのは相変わらずですが。
兎に角、
歯を残す、神経を残す、歯質を残す。
コレが一番の【手当て】だと思います。
ただし、
【保存学】専門の私でさえも、
早く抜いた方が良い!と診断する歯も多いのは、
これもまた現実です。
其れは、
歯槽骨や歯列全体の調和を壊さないためです。
この辺りになると専門的過ぎて、
患者さんには判りにくいのだと思います。
ただ患者さんの側では、
ダメと判っていても、ヤッパリ抜きたくないと。
ソレも、よく判ります。
この様な時には、
私は患者さんの思うままにと、考えています。
若い頃は違いました。
何故、判らないのだと。
よくよく考えてみれば、
判らないのが、当たり前なのです。
相手は素人ですから。
何時かは【身を以て経験】して、
あぁ、あの時のあの歯科医の言う通りになった!と、
思い出して下さる手当てさへ、
ソレで良いと思っています。
この様な患者さんの治療は、私はしません。
出来ないと言った方が良いでしょう。
私は自分の診断に背く医療行為はできませんので。
近視眼的に観れば、
開業医の私にとっては損かもしれないように思われるでしょう。
が、
ソレは逆なのです。
【類は類を呼ぶ】と云う言葉があります。
無理に患者さんに迎合すれば、
その様な患者さんばかりの診療所になるのです。
治療と、患者さんの都合とが一致するとは限りません。
患者さんの都合に遇わせることが【ホスピタリティ】ではありません。
医療行為には【原理原則】がありますから。
この辺りが、
医療行為の難しさとも言えます。
ただ長い間、開業医として感じますのは、
最後は、
【相性】だと。