月別アーカイブ: 2016年5月

視える事と出来る事

昨日のラストの患者さんの治療に際して、

私は覚悟してたのです。

何時に終わるか解らないと。

前医の為した根菅治療の再治療なのですが。

患者さんは、抜歯の宣告を受けておられました。

まぁ、解らないでもありません。

レントゲン所見において、

根の中に、神経を採る際に使うファイルと云う針が折れて残ってます。

また、歯の根の先から少し手前の処で、

針の挿入方向が逸れたんでしょうね!

ポッカリと根の側面に孔が空いています。

この様な症例って、多いのです。

が、

私にはドウシテモ解らないのです。

私には【視えるモノ】には絶対に【手】は届きます。

マイクロスコープを使って【拡大】できれば、

尚更の事です。

何故、折れた針が捕れないのか解りません。

私自身も、

気合いが入り過ぎて、

針を折ることが昔はありました。

正直、いっぱい折りました。

が、

折った数だけ上手に取り除く技術を身につけました。

手が滑ったんでしょうね。

それは偶発事項ですから、

責める積もりもありません。

ただ、不始末は自分で【けじめ】をつけないと。

そんな感じで患者さんに臨み、

ラバーダム防湿をして、

マイクロスコープをセットして、

両の肘で患者さんの頭部を優しく挟んで、

小一時間ほど経ったでしょうか?

スルン!と、

針が飛び出して来て

ヨシ!と。

後は根菅の中を綺麗に掃除して、

根の先と、脇の孔に、

MTAセメントを丁寧に詰め込んで終了!

拍子抜けするほど呆気なく終わり、

予め後は患者さんの予約を入れてなかったので、

書店へと出掛けて行ったのです。

今日の歯は、

長持ちすると思います。

何故って?

根の中の状態を、

眼で視て、

手で触って、

そう思っています。

私を【主観の人】と【客観視に欠ける】と云う歯科医が居られます。

別に其れで良いのでは?と、

私は職人ですから、

【主観的な勘】ほど大切なんじゃないですか?

開業医の生活って

先程、インプラントの埋入手術が終わりました。

粛々と粛々と。

40分位で終了しました。

次は、修復治療の患者さん。

で、

その次は、マイクロスコープを使った根菅治療の患者さんです。

他人のやり直しほど大変なモノはありません。

今日の治療のメインイベントは、

最後のマイクロスコープ治療です。

帰宅するとグッタリでしょう。

明日は夕刻までの診療所で、

直ぐに空港へと。

空路東京へ。

で、

新幹線に乗り換えて新潟へと。

新潟の自宅に入るのは深夜12時はまわっているでしょう。

翌日は大学へ出勤。

昼前に入る重役出勤ですが。

午後いっぱいは【歯科保存学】の実習の監督。

夜は学生への小テストの監督。

その後は、

保存学教室第二講座にて、

新海教授、山口前準教授らと研究打ち合わせ。

また深夜になるでしょう。

翌日は、逆の行程で帰途へ就きます。

週末は診療で、

日曜日の朝一番のフライトで再び、上京。

夕刻まで、

師匠の内藤先生の診療所にて個人指導を受けて、

午後の7時から吉祥寺にて、

手術を2症例、執刀。

で、朝一番のフライトで高松市へと。

朝から通常通り、手術が入っています。

開業医の生活って、

全然、優雅ではないのです。

他のメーカーのインプラント患者さんが転院してきた際に

【他のメーカーのインプラント患者さんの転院】って、

よく聞く話なんですが。

通常、歯科医院で取り扱うインプラントの種類って、

1種類か多くて2、3種類だと思います。

それは機具への投資の問題と、

インプラントにはそれぞれ【クセ】が在りますから、

どうしても慣れたモノを使いたいと、

私も昔、そうでしたから。

しかし既に28年が経過した私のインプラント治療です。

色々なメーカーの講習会を依頼されたり、

そうなれば使ってみない訳にはいきませんので。

また、他所でインプラントの治療をお受けになられたのですが、

逢わなかったのでしょうね!

私の診療所へ転院される患者さんも多いですから、

そんなこんなで、

色々なメーカーのインプラントの機具を準備するようになりました。

メーカーも協力的で、

無償で機材を頂く場合も多いですし。

で、

色々なインプラントを使ってみて、

今では症例によってインプラントを使い分けするようになりました。

全身状態、骨格、骨質などによって、

インプラントを使い分けています。

それでも、

未だ私が使っていない未経験のインプラントの患者さんも来られます。

どうするんですか?って?

簡単です。

レントゲンからのインプラントの鑑定は、ほぼ可能です。

で、

そのインプラントメーカーに電話するんです。

「四国の三枝です。御社のインプラントを入れた患者さんが来られました。

ご指導お願いできますか?」

と。

スットンで、私の診療所に来て下さいますね。

で、ジックリと半日ほど説明を受けて。

後は、束になったデーターと文献を

数日かけて読んでと。

解らない処は、直ぐにメーカーに電話します。

転院患者さんは、

インプラントを入れる手術よりも、

アバットメントの再製作から冠の再製作がほとんどです。

インプラントを入れたけれども、

噛みにくい、

磨きにくい、

見た目が悪い、

ってのが、ほとんどですから。

修復治療は、工夫とインプラントの精度の【クセ】を

私が把握するのが大切なんです。

転院患者さんで手術が必要な場合は、

ほどインプラント周囲炎の症例で、

インプラントの上の方の骨が溶けているモノです。

コレは、

インプラントの周囲を清掃して、

溶けた骨が再生するようにすれば良いので、

どこのインプラントであっても

手順に差はほとんどありません。

私サイドの技術の問題です。

これだけインプラントの患者さんが増えました。

何処かのメーカーだけにこだわっていれば、

治療になりません。

私の診療所では、どこのインプラントでも対応しています。

 

【浪花節】だよ人生は!

傍目からして観れば【クダラナイ】と、

お感じになられるようなモノを

妙に大切にする【質】の私です。

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どうですか?

オモシロイでしょう?

【清水の次郎長一家】の子分の名前を記載した日本手拭いです。

私は【浪花節】が好きです。

風呂の浴槽の中でユックリと足を延ばして寛ぎ極まると、

つい、

【浪花節】を唸ってしまいます。

この様な環境で育ったからでしょうか?

風呂から息子の唸る【浪花節】が聴こえてくるのも珍しくない光景です。

廣澤虎蔵師匠なんて、

今は殆どの方がご存知ないでしょうね。

師匠の唸る【清水の次郎長一家】の全曲CDを

長距離ドライブの際には必ず聴いている私です。

高松市から東京までの行程で、

丁度、全物語を聴くことができます。

森の石松最後のくだり辺りは、

左手に富士のお山を仰ぎながらと云う感じです。

私のこの【浪花節】贔屓は、

恐らく幼い頃のラジオの影響だと思います。

ビジュアルのない世界は、

想像力を育てます。

今の時代に育つ子供たちが、

スマホやゲームに興じる姿に

違和感を覚えながら横目で眺めています。

直ぐにリセットできる便利さは、

本当に便利なのでしょうか?

抑揚ある人生の叫びである【浪花節】。

大概の同乗者は、

節に眠気を催すようです。

あァ、もったいない!

エネルギー補給源

今日はスタッフが友人の婚礼に参席するので、

私ひとりの三枝デンタルオフィスです。

もうひとり位スタッフを雇用したら良いのにと、

関係者からアドバイスを受けるのですが、

歯科衛生士なら誰でも良い訳ではありません。

私の基準に達している歯科衛生士って、

結構と少ない、

否、ほとんど居ないのです。

私の求める歯科衛生士の基準ですか?

1. 手先が器用なこと

2. 石のように堅い口 ( 患者さんのプライバシーにかかわりますので )

3. 仕事に表裏のないこと

4. 見た目 ( セクハラ?でも、美人の方が私は嬉しい )

そんなことを云うから、

アソコの先生処は難しい!と、

業界で言われているのかもしれません。

でもね、

私の仕事は、とても精神的にストレスがかかるのです。

毎日、毎日、

これでもか!と、押し寄せて来る【転院組】の難症例!

インプラントのトラブルは、して貰った医院でして下さい!

などと、無責任な台詞は私の倫理感にはありません。

困って居られるから、

助けを求めて来られるので、

医者が其れを受けられないのは勉強不足。

ですから、

傷心の初診の患者さんの面談は、

それはそれは気を使います。

で、

次から次へと波のように押し寄せる手術です。

まだまだ在ります。

歯を保存する治療の数々。

くたびれます!

だから私は毎日9時には床に入るんです。

その分、起きるのも少々早いですが。

私のエネルギー補給源ですか?

決まってますよ。

患者さんの喜んだ顔!

歯医者冥利に尽きるんです。

再生医療

歯医者さんが増えて、

どこの歯医者さんも【新規患者さん獲得】に大変な昨今のようですが、

お陰さまで連日【新規患者さん】で賑わう【三枝デンタルオフィス】です。

【高松インプラントセンター】として

もう20年近くになります。

インプラント治療が中心の私の診療所ですが、

もうひとつの私の診療所の柱も軌道に乗ったようです。

もうひとつの柱とは、

【再生医療】です。

今までの歯科治療は、

歯を抜く、

歯を削る、

歯を殺す、

で、

入れ歯や被せモノで整える、

と云う流れでした。

【助ける】ために医者になったのに、

殺すや抜くのが前提の毎日に、

大いなる矛盾を感じていたのです。

元来、私の専攻は【歯科保存学】です。

ですから余計に、胸が苦しい毎日でした。

私がインプラントを入れるのは、

既に歯がない患者さんです。

できればインプラントを入れる前に、

歯を残す、

歯を殺さない、

コレが私の本当の【仕事】です。

私の【再生医療】は、

こうした自己欲求から生まれたモノです。

治療結果が【新規患者さん】を呼ぶのでしょう。

ただし、

私の治療は、

丁寧に丁寧にの手作業から生まれる治療です。

1日に大勢の患者さんの手当ては出来ません。

ですから、

患者さんには申し訳ありませんが、

お待ち頂く場合も多いですし、

緊急を要する患者さんを優先する場合もあります。

この辺りは、

規則ではなく、

私の裁量に委せて頂かねばなりません。

患者さんの【歯を守る】のが、

私の仕事ですから。

 

ドタキャンへの対応

若い先生から相談を受けました。

予約をドタキャンする患者さんへの対応です。

私の診療所にも、

初診の予約を入れておいて当日お越しにならないと云う方も

時たま観られます。

実際に診療すれば患者さんですが、

この様な場合は、

私の患者さんではありませんので、

責任も何もありませんから、

かえって良かったと思っています。

治療が始まり、治療が進めば進むほど、

治療に際しての私側の準備の大変さが

患者さんに伝わるようです。

ほぼドタキャンはありません。

私が経験するのは、

あくまでも初診なり治療の着手前の方です。

コレはどうしようもないと思っています。

私は割とハッキリとお伝えする方なので、

患者さんからの好き嫌いの評価も

ハッキリしているのではないでしょうか?

何事も相性が在りますし、

私がお願いして治療させて頂くために勉強した訳ではありません。

この先生には、

そういう時にこそ、

外にお茶でも飲みに行きなさいと。

普段は昼間から、そんな事出来ないでしょう?

【類は類を呼ぶ】

と云う言葉があるように、

ドタキャンできる神経の持ち主に贔屓にされると困るでしょ?

てな話をして、

皆、同じ経験するんだなと。

香川県では間違いなく、

四国、中国、関西圏の歯科業界で、

私の診療所を知らない方はいないでしょうね。

患者さんが歯科医院を選んでいるように、

すみません、

私も患者さんを選んでいます。

本当に歯を治したい!と云う患者さんしか

私は自分のエネルギーは使いません。

美容院感覚でお越しになられる方には、

その方が患者さんになる前に、

他へ行って下さるように、

私は自分の力不足をお伝えします。

私は名医ではありませんと。

そんな事をお話ししました。

モラル常識も、

人それぞれですから。

無理して遇わせることないと。

この私の考えにも、

また反論も多いのでしょうが。

何事も、

逆の立場になって考えれば解りそうなもんですが。

日々努力

幼い頃に覚えた味と云うのは

何時までたっても贔屓であるような。

京都からの患者さんは不思議と私の贔屓をご存知の様子。

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皆さんが、

【葵家やきもち総本舗】のやきもちを手にお越しになって下さいます。

そんな時の私は、

「うぁー、ありがとうございます!」

観音さまにお供えし、

残りは一気呵成に私の腹の中。

他にも餡こ餅は沢山在りますが、

なぜか私は此処のでないと。

そう在りたいモノですよね。

此処のでないとと言われるように

日々、努力しませんとね。

 

ラバーダム防湿

来週は新潟へ参ります。

日本歯科大学新潟校の4年生への実習指導です。

私は【歯科保存学】を担当しています。

今回は【ラバーダム防湿】の実習です。

私の時代もそうでしたが、

日本歯科大学では

【ラバーダム防湿】がキチンとできるように教育してきました。

【ラバーダム防湿】は歯科治療の基本の【き】ですから。

この手順を踏まない治療を【軽蔑】する空気が

私たちの大学には在ります。

普通の治療です。

が、

患者さんからは【珍しい治療】【特殊な治療】【私のこだわり】

のように、

思われているようです。

これは歯科医の怠慢だと、

私は思っています。

実習は午後の1時から6時半まで

休みなく続けられます。

広い実習室の中を

眉間にシワで、

ウロウロと歩き回り、

学生のチェックをするのが私の仕事です。

私は恐い教官なのだそうです。

 

 

臨機応変

今、手術が終わりました。

粘膜を開いて、

骨の形を、

自分自身の眼で直接に確認して、

私は当初イメージしていた手術方法から

他の手術方法へと瞬時に変更すると判断したのです。

この辺りは、理屈ではありません。

【勘】といっても良いでしょう。

手術の際の安全性は当然のことながら、

私は治療が終了してからの長い患者さんの生涯での

衛生しやすい環境つくりとか、

力学的な安定性を

とても重要視しています。

長持ちこそと。

手術の際には、

勝手に手先が動いてくれます。

より安全に、

より確りと、

より安定した治療が遂行できるようにと、

治療には予めの決まり事にとらわれるよりも、

臨機応変に、

それがプロの仕事だと思います。

上顎洞の底の粘膜を持ち上げて骨を移植してインプラントを埋入。

もう1ヶ所は、骨を頂上で裂いて骨幅を拡げて骨を移植してインプラントを埋入。

静かに手術は進められました。