日別アーカイブ: 2016年3月11日

タンゴ

今日の日は、

私を患者さん漬けにしようとのスタッフの気遣いを感じます。

合間が在ると、私が地震の日の記憶に苦しむ事を

判っているようです。

と言っても、

セメントが固まる合間には少しの時間が在りますので、

映画の再生ボタンを押して、

気をまぎらわそうと。

【セントオブウーマン】

アルパティーノ主演の私の好きな映画です。

何度、観たか判りません。

で、

初対面の女性をタンゴに誘う処から、

踊り終わるまでのシーンにひきつけられるのです。

【タンゴは人生と違い、間違わない】

【脚が絡まっても、踊り続ければ良い】

人生の岐路で、

何時も私は此の場面を眺めます。

心定まって、定まらず

昨夜は眠れませんでした。

今、患者の合間にて、

あの時を迎へ、黙祷を捧げていました。

胸の動悸がします。

あの光景が脳裏に焼き付いて、

毎年のように心が縮む想いがします。

あの地に立った人、皆が同じ心の痛みを思い出している事でしょう。

一晩中、映画を眺めていました。

生まれし頃から今日までの日々が

次から次へと

映画の画面と重なって蘇ってきます。

そろそろ先へ、前へと、

気持ちでは判っているのですが、

拙い私の歴史であっても、

私にとっては、大きな軌跡です。

役所広司の映画ばかり眺めながら、

この名優の顔表情を、

自分の心と見比べて、

朝を迎えました。

祈り

あの日、

先の東北大震災から5年目の朝を迎えました。

尊い命を落とされた方々の御冥福を、

心よりお祈り申し上げます。

大切な御家族、御友人を失われた方々、

住まい、職場を失われた方々、

不自由な生活を余儀なくされて居られる方々、

あの光景、声、に、

心に大きな傷を受け、

失意と恐怖と不安に、

苦しまれて居られる方々。

どうぞ、

力の灯火を思い出して下さい。

私は、祈っています。