心定まって、定まらず


昨夜は眠れませんでした。

今、患者の合間にて、

あの時を迎へ、黙祷を捧げていました。

胸の動悸がします。

あの光景が脳裏に焼き付いて、

毎年のように心が縮む想いがします。

あの地に立った人、皆が同じ心の痛みを思い出している事でしょう。

一晩中、映画を眺めていました。

生まれし頃から今日までの日々が

次から次へと

映画の画面と重なって蘇ってきます。

そろそろ先へ、前へと、

気持ちでは判っているのですが、

拙い私の歴史であっても、

私にとっては、大きな軌跡です。

役所広司の映画ばかり眺めながら、

この名優の顔表情を、

自分の心と見比べて、

朝を迎えました。