院長室の机の脇の床上には、
無造作に多くの書籍が山積みされています。
もう二度と眼を通すことは無いだろうと決裁された
書籍の墓場です。
とは言え、
私は書籍を捨てることが出来ません。
で、段々と増える一方となりました。
癖なんでしょうか?
久方ぶりに道で知人と出会った際、
ヨォ!と、
右手を大きく挙げる。
コレも私の癖なんだ相ですが。
息子に言わせると、
苦手な人の程度によって、
手の挙げ具合が判別出来るそうな。
コレも癖なんでしょう。
院長室の机の脇の床上には、
無造作に多くの書籍が山積みされています。
もう二度と眼を通すことは無いだろうと決裁された
書籍の墓場です。
とは言え、
私は書籍を捨てることが出来ません。
で、段々と増える一方となりました。
癖なんでしょうか?
久方ぶりに道で知人と出会った際、
ヨォ!と、
右手を大きく挙げる。
コレも私の癖なんだ相ですが。
息子に言わせると、
苦手な人の程度によって、
手の挙げ具合が判別出来るそうな。
コレも癖なんでしょう。
物忘れの多い年頃になった
気恥ずかしさを感じる機会が多いこの頃ですが、
5年前の記憶、
昨日からの2週間程の間は、
どの時刻に、
何を想い、
何を感じ、
幽体離脱し客観的に自分の表情を眺めるが如く、
全ての事象を鮮明に覚えています。
雪の北陸道を終日、
新潟へと、
ひたすら、ひたすらハンドルを握っていました。
空隙間なく舞う大粒の雪のかすか向こう側に、
空と海が一緒になる処の遥か彼方の峠目指して
ひたすら駆け抜ける私が居ました。
心でも、
口に出しても、
息子の名前を繰り返し、
不安に押し潰される私が居ました。
暮れる頃、
萬代橋にたどり着き、
街の警察署に駆け込み、
アヤフヤな情報収集に夜通し、
苦しんだ私が居ました。
引き留められるのを振り切り、
夜明けと共に、
再び、北へと北へと、
向かった私でした。
道に迫る荒れ狂う日本海の荒波を
恨めしく、
その後、
残酷な光景を眼にする事など考えるにも至らず、
息子の名前を泣きじゃくった顔で、
叫びの声を挙げて、
ただただ車を走らせる私が居ました。
どの時刻にでも、
どんな自分が居たのかを
鮮明に覚えています。