冷凍庫の中を
彼是覗いていたら、
既に食いつくしてしまったと
思い込んでいた
或ものが
顔を出した。
新潟の塩引き鮭である。
当地、讃岐では
塩鮭と云えば
誰しも北海道と
迷わず思い浮かぶであろう。
私のなかでは
鮭は断然、新潟の村上産である。
鮭漁が解禁となる11月末を
毎年待ちわびる私である。
師走に入ると
本町市場の石山魚店を訪れ、
1年分の鮭を買い込むのを
恒例行事とするが、
余りにも旨いので
歳の半ばともなれば
既に食いつくしてしまう。
其れならば、
今年は昨年の倍量を
購入しようと
手当てをすれば、
安心感から
ついつい食べ過ぎてしまい
やはり、
歳の半ばには
底をついてしまうのが
恒となってしまった。
かように越後の鮭は旨い。
底をつくまで
毎朝、私はひたすら鮭を食す。
幸せな心持ちで
鮭を食べつつ
テレビを点けていたら、
朝のワイドショーで
森高千里が
唄っていた。
味覚善し、視覚佳しの
幸先の良い1日を予感した。