気の早い私


 気が付けば早いもので
今年も2/3程、消化してしまった。

 毎年、年頭に
その年の抱負を決めて
必ず実現してきた私であったが、
此のところは、
体力の低下の為か、
はたまた、
倅や娘達も大きくなり
此方のコントロールが
効かなくなったためなのか、
まま成らぬ事が多い私である。

 気の早い私は
心はもう既に、
正月休みの予定で
一杯である。

 私は越後の正月の雰囲気を
愛する者である。

 彼の国には
未だ昭和の趣が残っているからだ。

 年末の慌ただしい雰囲気のなか、
本町市場で、
年越しの準備を済ませて、
越後蕎麦で
小腹を慰め、
映画館へでも出掛けて、
粉雪が暗夜を舞うなか
コートの襟を立てながら
鮨屋でコップ酒を片手に
紅白に耳を傾けよう。

 遠くで響く
除夜の鐘の音と供に
通りへと、
護国神社の篝火で
新年を迎える
此のところ変わらぬ
年末年頭の
有り様が
矢張、
一番無難な過ごしようで在ると
思うに至った私である。