日別アーカイブ: 2017年4月19日

余裕

雑踏のなかの茶店の軒下に腰掛けて、

渋茶を啜りつつ、

つい此の間の出来事を思いだしていました。

新潟滞在の序でに、

請われて、

若い歯科医師の診療所へと。

真面目な先生であることが一目瞭然であるのが

可笑しかったのです。

多くの問を頂き、

私なりのアドバイスを与えた積もりでしたが、

胸のつかえが取れない心持ちに。

何故か、

全く関係ない今、

その訳が判ったのです。

それは【余裕】です。

役者でも、

年がら年中、一日中、

舞台やスタジオに籠っていても

芸の肥やしにはなりません。

芸の肥やしどころか、

気が狂ってしまうでしょう。

役者にとってカメラがまわる間が演技処です。

それ以外の時間の使い方で、

その役者の延び代ってモノが変わってくるのだと思います。

若い先生の診療所を観て、

同じ苦心を味わった者として、

気がつく、

察知できる処が沢山在りました。

【夢】を抱きつつ仕事をすることが大切です。

【夢】を描くには【目標】を具体的に持つことです。

その実現のために、

【工夫】を加えてこそ、

自分流が出来てくるのだと思います。

冷静でなければなりません。

そのためには【余裕】を忘れてはなりません。

 

匂い

比叡山の滋賀越え道を抜けて、

向こう側の京都に寄り道しようと。

不思議なもので、

この山の向こうと東で、

食べ物の味から、

人の匂いまで、

何から何まで違うような気がします。

山の小径を下りながら旧い街並みが視界に入った瞬間、

ホッとするのは、

私が東人には決してなれない訳が、

此処に在るのかもしれません。

で、

瀬戸内の碧さと潮の匂いに、

ホッと落ち着くのは、

もう私は讃岐の人間なのだと思います。

LAZY DAZE

明日から診療ですから、

今日のうちには高松市へと帰っていなければと。

が、

以前のように、

目的地から目的地へと云う猪突猛進しなくなりました。

途中に寄り道したり、

フラリ、ブラリと云う具合です。

こういうのを【LAZY DAZE】と云うのだそうです。

恩師である山口先生に教えて頂きました。

私の生涯は歯一色であることは間違いありません。

その隙間に、

チョッとした余裕も

はさんでいたいと思います。

空の青さや風の音に感じる心を

いつまでも持っていたいからです。