雑踏のなかの茶店の軒下に腰掛けて、
渋茶を啜りつつ、
つい此の間の出来事を思いだしていました。
新潟滞在の序でに、
請われて、
若い歯科医師の診療所へと。
真面目な先生であることが一目瞭然であるのが
可笑しかったのです。
多くの問を頂き、
私なりのアドバイスを与えた積もりでしたが、
胸のつかえが取れない心持ちに。
何故か、
全く関係ない今、
その訳が判ったのです。
それは【余裕】です。
役者でも、
年がら年中、一日中、
舞台やスタジオに籠っていても
芸の肥やしにはなりません。
芸の肥やしどころか、
気が狂ってしまうでしょう。
役者にとってカメラがまわる間が演技処です。
それ以外の時間の使い方で、
その役者の延び代ってモノが変わってくるのだと思います。
若い先生の診療所を観て、
同じ苦心を味わった者として、
気がつく、
察知できる処が沢山在りました。
【夢】を抱きつつ仕事をすることが大切です。
【夢】を描くには【目標】を具体的に持つことです。
その実現のために、
【工夫】を加えてこそ、
自分流が出来てくるのだと思います。
冷静でなければなりません。
そのためには【余裕】を忘れてはなりません。