日別アーカイブ: 2017年4月27日

ていねいに生きる

手先の繊細かつ微妙な動きが必要不可欠な仕事です。

しかし其だけでは治療成功へは程遠いのです。

特にインプラント治療においては、

部品と部品の組み合わせです。

メーカーから供給された部品を素直に使うと云う

素人仕事は出来ません。

症例によって、

工夫を加えてこそプロの仕事だと思います。

また診断と治療経過を客観的に評価することも

とても、とても大変な治療成功への道です。

ですから、

毎度、毎度、

患者さんの口腔の状況を診て、

当初の予定通りに治療を先に進めるのか、

それとも引き返し、

別の手段を選択すべきか、

いや、

もう少し経過を診て再び考察すべきか、

そんな事の繰り返しばかりです。

ですから、

毎日の診療は、

観察力との戦いとも言えます。

正確な判断する能力を具備するには、

毎日の生活を穏やかに、規則性を持って、

過ごすことが必要だと結論付けしたのです。

また私らは大切な人の身体を与る仕事ですから、

日頃の行いにおいても紳士の嗜みに気を配るように思います。

そんな考えに至ったのも、

私が大学の学生諸君のプロフッションと云う特別講義を

委されるようになったことも大きな理由となっています。

学生諸君に恥じない行いをと

常日頃、

頭のど真ん中に置いて暮らすようになりました。

正直、

窮屈極まりないと思うこともあります。

が、

私は【縁】と云うモノを大切に思っています。

これも定めだと。

ですから余計に日々を【ていねいに】生きるを

大切に思っています。

辛い紳士道

自動車に乗車した際の、

人の体温で、

自動車のフロントガラスやサイド、バックガラスが曇って

視界が確保シヅライなんて経験を

今の人は信じられないでしょう。

でも私の若い時分は、

それが当たり前でした。

そのための乾いたタオルを車内に常備していましたもの。

メルセデスくらいだったと思います。

決して曇らない自動車ってのは。

トヨタも日産も曇ってました。

だからこそメルセデスだったのです。

しかし、

自動車の構造変革とエアコンの進歩にて、

自動車は正に人の身体の一部となった感が在ります。

で、

今後は自動運転でしょう?

どこまで消費者は望むんでしょうか?

また、

メーカーも大変な時代になったと思います。

が、

反して私のオンボロ車は曇って、曇って、曇もりまくりです。

雨上がりのせいでしょうか?

昨夜の帰宅時は蒸し暑かったですね。

エンジンをかけて走り始めて数分程度で、

フロントガラスを始め全てのガラスが曇ってきたのです。

あぁ、昔の自動車って、

こうだったと、

記憶から消え去っていた

若い時分の同じ状況を思い出したのです。

この間の日曜日は逆に暑かった。

助手席に息子を乗せていましたら、

父ちゃん、エアコンが壊れてんのちゃう?

私は未熟者である息子を諭したのです。

古いイタリア車ってのはな、

どんなに熱くかろうが、

窓を閉めきって、

それでも悠然とハンドルを握る。

これがイタリア車を愛する紳士道なのじゃ。

大いに講釈垂れる私を

冷ややかな視線で観ている息子の方が

ズット大人なのかもしれません。

 

強さの意味

ペナルティを受けたテニス選手であるシャラポワ女史が、

1年3ヶ月ぶりの試合で戦っている姿は、

誠に美しいものでした。

序盤、調子を取り戻す過程での様々な表情から、

その美しさが際立って、

私には観えました。

1年3ヶ月と云う期間はプロにとっては、

トテツモナイくらい長いものです。

途中、途中でのトーナメントに出場出来ない訳ですから、

精神力を持続させることに脱帽するほどの

努力なり手当てしたことが伺えます。

筋力の維持のためのトレーニングは単調な行為に見えますが、

単調な行為を継続することには、

トテツモナイ精神力が必要です。

なんでも女史は大学に通って経営学の講義も

併せて受講されていたとのこと。

女史が美人であるから応援しているのではありません。

内に秘めたる精神力に私は惹かれたのです。

強さの定義を勘違いする人も

この歳ですから大勢に観てきました。

強さの意味。

それは紙一重です。

出来ることならば、

私はこの若い女史のような、

弓のような力を体得したいと、

画面に釘付けになっていました。