月別アーカイブ: 2016年12月

ただのお父さん

日曜日というのに雑務に追われています。

夕刻、少しばかり時間が出来たので、

娘とマリリンを連れて、

郊外にある墓地の掃除へと向かいました。

草を抜きながら、

娘に、

パパが死んだらお参りに此処へ来てよ!

てな話しをしながら、

恐らく御先祖様も笑って聞いていてくれたでしょう。

お手伝いの褒美に、

帰りにピザを食べに行き、

ピザを造る職人さんが照れるほどに、

穴が開く位に真剣な眼差し。

で、

大きなピザを2枚も。

娘の表情に心温まる想いです。

あと何年、こうした時間があるんだろう?

淋しいような、

嬉しいような、

私も仕事から離れたら、

ただのお父さんです。

辛口?それとも?

先般、28年もの長きに渡って人気を博した連続時代劇【鬼平犯科帳】が、

中村吉右衛門主演での幕を閉じたことはご承知の筈。

池波正太郎ファンの私も、

随分と長い間、楽しまさせて頂きました。

多くの俳優が鬼の平蔵を演じてきましたが、

吉右衛門のが1番良かったと、

これも衆目の一致する処でしょう。

特に、

第1シリーズから第2、第3と初期の鬼の平蔵は見事なモノでした。

脇役も良かった。

カメラアングル、

画像の色合い、

脚本、

小道具、

何から何まで良かった。

ですが、

ラストの鬼平は、ありゃダメです。

吉右衛門の良さも出ちゃいません。

おまさもダメです。

上手い女優さんなのに。

アレは、何何ですかね?

あれだけのベテラン女優さんや俳優さん達ですよ。

恐らく、

演じながら判ってたんじゃないでしょうか?

違うって!

監督ですかね?

それとも脚本?

10分も観て、

観ちゃいられないんで、

消してしまいました。

でも、

翌朝、アレは何かの間違いじゃないか?と。

最終回、

キチンとイライラしながら、

スイッチを消したいんだけれど、

コレが最後だからと自分に言い聞かせて、

我慢して観ましたよ。

で、

駄目ですよ。

もう一回、やり直して貰いたいですね。

中村吉右衛門の鬼平犯科帳はアンなんじゃないですよ。

恐らく、

監督、脚本ですよ。

こんな仕事するから、

時代劇が駄目になってるんです。

さだまさしも、時代劇ファンなら、

アンなんじゃ駄目ですよ。

随分と日にちが経ちましたが、

直ぐに言わなかったのは、

もっと怒ってたんです。

 

歯科の無痛治療って?

歯科医院のホームページに

【当医院は無痛治療をしています】

てな文句を観たことありませんか?

アレって、歯医者の私でさへ、

よく判らないんです。

【当医院では笑気吸入鎮静法を取り入れています】

文字通り、笑っちゃいますよね!

笑気で無痛になんかなりませんよ!

インプラントの手術なんかで、

時たま使う静脈内鎮静法。

これは意識を落とせますから、

痛くは無いでしょうが?

それでも部分麻酔しないと痛いですよ。

後から健忘効果で、本人の記憶には残っていませんが。

でも、

こんな方法は、全員に出来ませんね。

コンピューター制御にて麻酔注入の速さをコントロールする

注射器がありますが。

こんなモノ使わないと自信ないなら、

他の治療もヤバいでしょうね。

表面麻酔は多少の効果はありますが。

腕の悪い奴なら、それでも痛い!

結局、麻酔は腕前です。

はい。

娘と

私は子ども達や、若い歯科医師の先生方に

しょっちゅう言うんです。

【私に才能が無かったから、歯科にしがみついたんです】

【自分に合った仕事?冗談じゃない!自分を仕事の方に合わせるんです!】

コレが私の私自身に対する評価であり、

私の仕事観です。

仮に私に絵の才能が在れば、

仮に私に楽器の才能があれば、

仮に私にスポーツの才能があれば、

幼少期に周囲が気づいていますよ。

何の才能も無い単の凡人である私は、

青春期の初めに【歯科医学】との縁を持ちました。

この縁を大切に、大切に、

で、

自分が凡人である故に、

歯科医学に対しては、

真剣に、

丁寧に、

諦めないで、

夢を持ち続けて、

進んできました。

人生の大半を歯科医学に費やしても、

私には未だに歯科医学の一端も消化できていません。

そこに、

私が生まれ変わっても、

もう1度、

歯医者になりたいという大きな訳が在るのです。

何故、こんな話しをと?

中学受験を控えた娘が、

問題集に八つ当たり!

無惨にも問題集は、

中途な形でクシャクシャ姿で、

ゴミ箱の中。

私が雷を落としたのは云うまでもありません。

娘は、もう小さな小児ではありません。

私も娘の人格は尊重しています。

如何に娘と云えども、

娘は自分で人生の進む方向を決め、

進むためには、

自分自身のエネルギーを使わなければなりません。

親の役目。

子どもの義務。

私は、そう考えています。

歯科医療は愛の仕事である

2~3年に1人の割合でしょうかね?

私の診療所での治療を中断され、

で、

他の歯科医院へと転院され、

やっぱり戻って来られるというのは。

その間、約4年から8年てな処でしょうか。

先ず転院の訳ですか?

それは、

お互いの希望する治療方法が一致しない時ですね。

患者さんが望む治療方法を【私がしたくない】

【しない方が良い】と考えた時は、

治療出来ませんから。

その逆も当然、ありますよね。

私の診断に、患者さんが納得がいかない時。

最近はインターネットでの情報が氾濫していますから。

記載されている症例と治療方法を、

患者さんが、ご自分の場合も当てはまると、

信じこんだ時は苦労します。

後は、

私はハッキリ言う質ですので、

患者さんの方がカチン!

と、きたんじゃないでしょうか?

どちらにしても、

こういう時は、良い関係では無いんです。

そういう時期は、距離を開けた方が良いと、

私は考えています。

また他の歯科医院へ行かれることで、

今までは気づかなかった私の診療所のコダワリに

気づいてくれるみたいですよ。

で、

再来院される時ですか?

患者さんの方が、気の毒な位に申し訳なさそうにしておられます。。

私ですか?

そんな事は全く気にも留めてませんのに。

だってそうでしょう?

自分と違う人を認めないんですか?

意見の相違と人格は違いますもの。

まして治療方法の意見の相違でしょう?

相手は素人の患者さんじゃないですか。

インターネットや他人の素人意見に惑わされるなんて、

当たり前でしょう!

私は私でプロですから。

してはならない治療、

信念に反する治療は出来ません。

だからといって、

素人の患者さんに、目くじらたてても

それは大人げないですよ。

【電話しにくかったでしょう処をありがとうございます】

笑顔で、

そう再開の挨拶して、

数年ぶりの私の歯科が始まります。

で、

口腔内を拝見して、

うぇー!コリャ酷いもんだ!と、

思っても口には出しません。

辻褄は合わせますので。

だいたいが、

治療の方向を定めていないですよ。

患者さんからの指摘された箇所しか観ていない。

木を見て、森を観ず。

後、

最先端の治療広告に惑わされて、

基本的な地盤が出来てないですよ。

いつもバック.トゥ.ザ.ベイシック。

臨床家の基本です。

私ら歯医者の仕事は、

内村鑑三先生の言葉じゃないですが、

歯科医療は愛の仕事である。

患者さんには、いたわりの心で。

しみじみと、

この言葉の重みが判る歳になりました。

 

どうしましょ?

世の中はクリスマスから大晦日、元旦へと、

急加速の勢いで、

慌ただしく進行中です。

私ですか?

こういう性格ですから、

世の中とは別の次元で過ごしていますので。

手術、マイクロスコープ、ダイレクトボンディング修復、

総入れ歯、セラミック治療云々。

帰宅してからは、

犬の散歩、

そして歯型彫刻、

文献読み。

毎日、毎日、

その繰り返しです。

飽きないんですか?

って、

半分バカにされた顔で聞かれますが、

習慣になってしまって、

逆に、

しない方が気持ちが悪いのです。

ですから、

診療所の休診日は困ってしまうのです。

何をして良いのか判らない。

また古い車を引っ張り出して、

整備士でもしましょうか?

と、

年末年始の過ごし方を

今から思案しています。

 

私の履歴書 8.

私の時代は、

歯科大学を卒業すると、

ほとんどが開業医に勤務していました。

今は1年間の臨床研修医を経る必要がありますが。

それでも、

臨床研修医期間を終えると、

今でもほとんどが開業医に勤務するようです。

2割程度が、医局に助手として残っていたようです。

私のように学費を出してまでの大学院への進学者は

1割以下程度だったと思います。

当時で大学院の年間授業料は36万円でしたけど。

ですから、

授業料はアルバイトで十分に賄えました。

歯科では、

患者さんの数をこなして診察することに重きを置きすぎて

今日の医療レベルの低下に繋がったんだと思います。

成り立ての頃は、

経営は度外視して、

ゆっくりと丁寧に、

技術を定着させていくトレーニングが必要ですから。

また、

科学論文の全てが優れている訳ではありません。

どの文献が確かなモノか?

これは実際に自分自身が研究に携わり、

自分自身で論文を執筆してみないと、

判らないでしょうね。

メーカーの紐付きの研究って凄く多いのです。

当然、メーカーの都合ってモノが見え隠れしますよね。

この処を見落としたら、

臨床家としては失格ですね。

そのようなことを、

私は大学院時代に学んだように思います。

歯学部の大学院は博士課程のみの4年間です。

その間は、

よく勉強したと思います。

コレが弾みとなって、

毎日の決まった勉強机に向かうって習慣が

今でも続いています。

歯科コンシェルジュとマネージャーのその影に

先日、郊外の喫茶店に立ち寄ったのです。

つい今しがた書店で買い求めた本を

もう直ぐに目を通して見たかったからでした。

【アウシュビィッツの図書係】

あの凄惨地獄の環境の中、

ユダヤ人の大人たちは、

死を覚悟して8冊の本を隠し持ち、

生きて地獄から出られるかもしれない子供たちに

教育を続けていたと言う内容の本です。

で、

ハヤル気持ちで、

先ずは珈琲を。

読み初めて数分くらいでしょうか?

あ~ん!

嫌な集団が、店に入って来たのです。

珈琲を早く飲み終えて、

家でゆっくり読もうと思った瞬間!

私は思い留まりました。

耳が像に変身!

私が不快感を持ったのは、

歯科医師とそこのスタッフでしょうね。

ゾロゾロと【白衣姿】のままで喫茶店に入って来たのです。

なぜ歯科関係って判るん?

白衣は院内で感染された物質に曝されています。

医師、看護師なら、

そんな事は理解できています。

コンビニに白衣の女性客って、

先ずは看護師はいませんよ。

因みに、

私のスタッフも、

外出時には私服に着替えています。

どんなに近くてでもです。

それは医療人の常識!

と、

私の耳が像に変身した訳。

これは会話の内容に興味をひいたという、

好奇心、ただそれだけです。

面白かったですよ!

呆れますよ!

恐いですよ!

ある女性、これは経営コンサルティング会社の営業ですね、きっと。

この人が、

先生とスタッフに説明しているんです。

歯科を【商売】にして【儲ける】システムを!

健康保険の治療を希望しての患者さんに対して、

あれこれの治療説明用ソフトを駆使して、

患者さんを心変わりさせて、

自費診療に変更させることを、

【自費に転がす】と言うのだそうです。

この【転がす】テクニックについてアレヤコレヤと。

役割分担までも。

受付嬢、歯科助手や歯科衛生士などが、

コンシェルジュ、マネージャー、。

話しを聞いて、

アホらしいやら、

呆れるやら。

【小学生用】の書籍で、ナイチンゲールや野口英世を買ってきて、

コイツらにブツケテやろうかと思いましたね。

数日経って、

其所のホームページ見たら、

あぁ、アイツら同じ経営コンサルタントが付いてるんだと。

だって、

色目こそ少しばかり変えてはいますが、

同じフォーマットでのホームページですもの。

医師ならば、

シッカリと自分の脚で立ちなさい!と、

誰も教えてくれなかったのでしょうか?

転がすことでのボーナスの方が

魅力的なんですね。

歯科医師免許返したほうが、

世の中のためになると思いました。

安易なテクノロジー信仰は

人の身体が、その人の予想を遥かに越えた

【神秘さ】につつまれていることを、

人の身体を与る医療人は、

肝に命じて、

医療行為を行う責務があります。

これは終生、忘れてはなりません。

ですから、

医療人は異常なほど、

【臆病者】である性格をも、

併せて持たねばなりません。

無論、新進気鋭のテクノロジーを利用する仕組み創りも、

私らの責務でもあります。

が、

忘れてはならないのは、

新しい技術を、

何時、一般実用に踏み切るのかという判断です。

インプラント治療で例えるならば、

CT撮影~コンピューターでの3D化画像処理~

手術用インプラントガイドマウスピース~

ノンフラップでのインプラント外科。

この流れは、

一般実用に至っていないと感じています。

私は、

最後の手順であるインプラント外科については、

切開し粘膜を開いて、

骨とインプラントの関係を、

実際に自分の眼で確認し、

テクノロジーの誤差を修正しています。

最近、お越しになられる新しい患者さんの中で、

特に他の歯科医院で手術を受けられトラブルとなった症例に、

歯科医師側のテクノロジーへの信仰が高すぎる感を覚えるのですが。

まだまだ、

私の経験と、経験から生まれた勘、

そして、

私の指先の微妙な動きを代理してくれる

ロボットはありません。

どうぞ、

自身の眼で確認してください。

どうぞ、

自身の経験を活かしてください。

どうぞ、

自身の指先のトレーニングを怠らないでください。

コレが、

若い歯科医師の先生方への、

私の偽りない真実の言葉です。

 

インプラントの患者さんが増える一方なんですが?

インプラントの患者さんが増える!

今時の歯科医師が聞いたら、

羨ましい!

という嫉妬を受けるでしょうね。

ただ、

インプラント治療の途中の患者さんが多いんです。

インプラントを入れる前の骨造成の後で、

いよいよインプラントを入れる段階になって、

やっぱり此処では避けておこうとか、

インプラントを入れたものの、

皮膚に麻痺や痺れが生じてという患者さんが

とてもとても多いんです。

口腔外科を得意とする歯科医師や、

インプラントを歯科一番の稼ぎ頭と

熱心に営業している歯科医師の処からって

決まっていますね。

だいたい数件の同じ歯科医院ですね。

インプラントは手術がつきものですから、

口腔外科の治療だと勘違いする人が多いのでは?

インプラントで口腔外科の技術を要するのは、

顎顔面外科の分野でしょう。

事故で顎の骨が歯と共に吹っ飛んだとか、

腫瘍にて顎の骨を歯と共に取り除いたとか、

顎骨に大きな打撃を受けて、

とにかく咬めるようにという咀嚼回復主体の症例は、

口腔外科の出番でしょうね。

歯科インプラントの場合、

これは、

歯周病や根が折れて抜歯になったような場合のインプラントですね。

これは、

私ら歯周病治療を得意とする【保存屋】の仕事です。

インプラントは、

あくまでの人工の根でしかありません。

上に人工歯が乗っかってくる訳です。

審美性への配慮、

噛み合わせの微妙さ、

他の残っている歯との調和、

で、

メンテナンス。

これは【歯科】の専門です。

私ら保存学の人間の手当ては、

身体に優しいですので。

こういう事は、

実際に治療されて判るんでしょうね?

お越しなった患者さんは、

口腔外科出身の開業医からの転院でした。

治療前にCTも撮影したそうです。

3D化したコンピューターガイドの手術用マウスピースも使ったようです。

が、

インプラントは神経を圧迫しているのでしょう。

それならば、

まだ良いのですが。

即座の手当てが間に合いますから。

とにかく、

神経に対して苦しい手術だったのは、

症状から明白です。

私がCTを撮影する際には、

インプラントに限っては、

大きな病院の放射線科に医科用CTでの撮影を依頼しています。

医科用CTと比較すると、

歯科用のはオモチャでしかありません。

解像度が違います。

3D解析は、和田精密のビオナを使って、

手術用マウスピースは和田精密のもの以外は使いません。

和田精密のマウスピースが、手術には優れていますね。

それでも、そんな手術をするのは、

1年に数症例程度です。

私は自分の眼で診た所見、

自分の手で触った感触を

テクノロジーよりも信じています。

この患者さんの手当ての方法ですか?

臨機応変ですよ。

必ず、

楽にして差し上げます。

コレが私の仕事ですから。