月別アーカイブ: 2015年1月

新患.急患の患者さんへ

わざわざ私の診療所を選んで頂いた患者さんですから、

出来る限りのことはと心がけています。

私の診療所では、毎日、急患の患者さんの為に一部の時間を空けています。

生憎今日は予約でいっぱいですから、何時何時までお待ちください!などといった馬鹿な対応をしないで良い様にです。

私が拝見している患者さんに限っては、急に痛い!などといったことは殆どありません。

ですから、このような時間を利用して昼の散歩へとマリリンを連れて行っています。

新しい患者さんの多くは、この時間に拝見しています。

痛みなどでお越しになる緊急性を要する患者さんと、今後どうなるか心配で堪らない!何とか診て欲しい!

という患者さんばっかりですから、速く対応をと、心がけています。

最近の新患の状況としては、

他の医院にてインプラントを勧められたのだけれど、

どうせインプラントをするのならば、私の診療所でと云ったケースが多いようです。

が、私の見る限り、

インプラント以前に、歯を抜く必要など全くなく、根の保存治療で治るケースが大半です!

インプラントをご希望の患者さんには申し訳ないのですが、

セッセとラバーダム防湿環境下で、保存治療に精を出しています。

痛みが取れた!

グラグラしなくなった!

歯茎の腫れが無くなった!

噛めます!

普通に当たり前の事なんですが‥。

ー それは良かった! ー

と、サラリとお答えしています。

基本に忠実に

週末は診療が終わってから最終のフライトで上京していました。

慌ただしく空港へと向かいましたので、

取り急ぎ、机の脇に常に置いてあるTHE LIFE OF BENJAMIN FRANKLIN

ベンジャミン.フランクリンの日記を鞄の中に放り込み、

飛行機に飛び込みました。

機中で、ホテルのベッドの中で頁を捲り、

この規則正しい、規律正しい米国建国の偉人の、コレマタ無駄のない文章に触れて、

清々しい心持ちとなりました。

何事も原著に触れる習慣が身に付いたのは、私は遅く二十代半ばになってからです。

大学院に入学して直ぐに、今は新潟市にてご開業の高橋博士より

翻訳された文献、著作の不正確さや、何よりも書いた本人のニュアンスを感じるには原著を読まねばならないとの言葉に

あぁ、そう言うモノかと、当時は素直!であった私はいたく感心して、

歯科保存学の父と唱われる歯科医であれば誰でもその名を知らぬ筈はない

G.V.BLACK先生のTHE TEXTBOOK OF OPERATIVE DENTISTRYに向き合ったのが初めです。

多くの辞書に囲まれて苦労し読破した際の、何とも言えぬ達成感に心地よい思いがしたのを覚えています。

研究生活のなか、海外の文献を読む必要性から身に付いたこの習慣は

ひとえに環境のお陰であると感謝しています。

国内の作家の認める文章に於いても、やはり好みというモノを感じます。

古くは永井荷風の文章の美しさに感動を覚えます。

現代の作家では、池波正太郎と伊集院静の文章が好みです。

何れの作家に於いても、無駄のない、でも確りと情景を身体全体で感じさせる【書く技術】を確立されておられます。

昨今は、専門家であっても技術のない仕事を何も感じていないのでしょうか?

平然と提供する輩が多くなりました。

その仕事の内容を吟味するに、やはり基礎的な足腰の弱さを感じます。

何の仕事に於いても同じこと。

焦りハヤル気持ちを抑えつつ、基本に帰ることが、一番の芸の向上の薬と、

私は信じて止みません。

私の身だしなみ

大学には規則がありますので、白衣を着用していますが、

自分の診療所では白衣を着ていません。

スリーピースの上着は脱いで、ベストにネクタイで患者さんに接しています。

心に白衣を着ていますからと、驚かれる?殆どが患者さんではなく、見学に来られた歯医者さんにですが、

サラリとお答えしています。

プライベートでは、ジーンズのラフな出で立ちです。

腕時計、もちろん指輪などは一切身に付けていません。

手指が商売道具です。

飾り物を手指に着けてはならないと、私は思っています。

これは私の流儀ですから、あくまでも私だけのものです。

香水、ヘアトニックも駄目だと思っています。

昔気質の窮屈な奴だと感じられて居られることでしょう。

職人ですのでご勘弁下さい。

但し、清潔こそが美徳との信条と、紳士のたしなみから

ボディソープはPERFUMでとのコダワリを持っています。

職人たる者、清潔で、決して飾らず、紳士のたしなみを。

このブログは、メールにて質問のあったウチの学生さんへの回答です。

学生さんって、面白いことに不思議がるんですね!

個性

昭和38年の大衆文芸の8月号に【先生の声】というタイトルで

池波正太郎が短文を寄せているのが目に留まりました。

ちょうど此の年の2月の末に、私は生まれましたので今から半世紀以上前の随筆です。

当然、この頃は【鬼平】も【梅安】も世には出ておりません。

ー 作家としても、人間としても、個性を失ったらダメだよ ー

皆が横並び一辺倒を好む昨今です。

個性を変な奴で片付けられてしまっては堪りません。

この辺りの処を、私は若い歯科医と接する時には特に注意しています。

勉強会や学会に参加しても、皆が結論ありきの金太郎飴の様な発表ばかりでウンザリしています。

科学とは未知への挑戦であった筈ですのに‥。

そう言えば小保方さんを責める気持ちにはなれません。

また、若い娘には甘いと言われるかもしれません。

皆が女史を未熟と責めるには、私は抵抗があります。

あんな風に責め立てられたら、誰も恐くてチャレンジ出来なくなるのでは?

大の大人の男であっても、あの責め立てように耐えれる人は居らんでしょう!

人を責めるも、横並び!

私が若い時分に、ネビンズ先生と云う其れは其れは有名な先生から

ー 世の中を変えるのは皆とは違う人たちです。一生が一度キリであるから、私はごく一部の変わった人間で在りたい! ー

ズシンときたものです。

私が先生の門を叩いたのは、母校の大学院で歯肉のコントロールを専門に勉強していた私が
当時の自分の置かれた環境では、学べないと云う現実に気づいて、当代きっての名医の為したる治療を知ってしまったからでした。

勿論、先方である先生は私のことなど知る筈もありません。

決意して手紙を認め、先生よりお招きのお手紙を受け取った時には天まで届かんばかりに喜び勇んだものでした。

ー 成功からは何も生まれない!失敗を知り認めてこそが成功を生むんだよ! ー

私の持ち込んだナサケナイ!治療写真を前に先生はその様に言われました。

20代ももう終わりにさしかかった頃の話です。

私を導いて下さった先生方、それぞれの言葉を私が忘れる事はありません。

信じて、信じて、歯科しかないのだと歩いてきました。

で、気づけば変わり者と観られることしばしばです。

納得いかないのは、歯科を専門とする歯科医師から

ー 何故に其処まで歯が面白いのですか?変わってますね!ー

と言われることです。

歯は生きています。

骨は生きています。

その鼓動の息吹きを私たちは、大切に大切に取り扱わねばなりません。

身体のそれぞれに個性がある故に。

型 (かた)

未熟者ゆえに、歌舞伎役者の演技の程度を評価する眼を持っていませんが、

正月にケーブルテレビの日本映画専門チャンネルで、最近亡くなった中村勘三郎のドキュメントドラマを放映していたのを

今日、新しくお越しになられた患者さんのお口の中を拝見しながら、

思い出してしまいました。

ー 型をキチンと修得して初めて、型破りの芸が出来るんですよ!でなきゃ、単なる形無しってヤツで! ー

上手いこと言うもんだ!としきりに感心し、

少しは歌舞伎を勉強して、見る眼を養おうと思っていましたが、

それにしても、上手いこと言うもんだ!と又々、今日も感心しきりの私です。

最新の治療も良いですが、

やはり従来からある基本的な治療をキチンと日常化して行うことの大切さを

患者さんを拝見する度に感じるのです。

私とインプラントとの関わりは、それは長くて深いものですが、

それでも私は、歯を残せる治療を第1とする歯科保存学の王道を歩いていく気持ちに変わりはありません。

また、日常の普遍的な治療を疎かにする者に、

インプラント治療という異物を生体に取り込む治療を行う資格はないと思います。

チタン製のインプラントと骨との結合を発見したブローネマルク博士は、

神々しい姿と考え方をお持ちでした。

私たちは、その先生の教えに沿った治療を守らねばなりません。

様々な治療からなる歯科治療です。

型をキチンと修得して初めて、新しい技術が活かされてくるものと思います。

いつでも新鮮さを忘れてはいません

昨年の終わりから、何時もの年に比べて新しい患者さんが多いことに感謝しています。

石を投げれば、コンビニと歯医者に当たるくらいに歯科医院が多いのに

私を訪ねてくださって本当にありがとうございます。

患者さんからのご紹介が大半ですが、ホームページをご覧になって

先生、何とかして下さい!と頼って来られる患者さんに、

ますます奮闘して仕事に精を出そうと決意新たにと言った処です。

今朝もまた、新たに患者さんがお越しになられます。

治療中の歯の痛みがとれないとお困りの様です。

確りと慎重に調べて、丁寧に手当てをすれば、歯は必ず私の言うことをきいてくれます。

手当ての前に私が一番に気を遣うことは、

皆さんがお持ちの歯科に対する不安感と不信感を一掃することです。

そこが一番の要だと思っています。

経験は宝箱

若い30代の歯科医から、治療の相談を受ける機会が多いのですが、

時代的背景の違いに、なんと私は恵まれていたのかと感謝しています。

近代歯科医学の目覚ましい発展期に私は育ちました。

今の先生方にとっては、既に歴史上の教科書での歯科医から、直接に指導を受け、個人的に食事に出掛けたり、

談笑して頂ける幸運に恵まれました。

歯周病の治療からインプラント治療の黎明期、その背景経験出来たことは

何よりの私の治療の強さになっています。

若い先生方に伝えたいと思っても、

最近の若い人は、変に冷めているように感じてなりません。

優等生も良いですが、熱い情熱をモット欲しいように思えてなりません。

自ら飛び込んでいく、自分の目と耳と肌で感じた経験こそが

将来に振り返っての宝箱になる筈ですのに。

患者さんにありがとう

50も過ぎると、自分がどれ程に多くの人に助けて頂き、これまでを過ごして来られたのかを実感します。

私に出来ることと云えば、仕事で精一杯努めさせて頂くことと、

忙しいと言えばキリがありませんので、

これまで以上に精一杯頑張らせて頂こうと思っています。

基本に忠実で、尚且つ最新の治療をいち早く取り入れながら、

患者さんを大切にしたいと思っています。

初めて治療に来られる方は、不思議と皆が口を手で隠そうとなさいます。

どうぞ決して恥かしいことはありません。

私にとっては、どんな状況にあっても大切な皆さん方のお口です。患者さんと
どうやったら綺麗に確りと治せるのか!しか考えていません。

プロとはそう言うモノです。

予約の合間でも何とかしますよ!

私のはや飯は、この様ななかで習慣となりました。

少しでも皆さんに、良くなって頂きたいと思っています。

その姿勢を、私の母校の学生諸君も観てくれているのでしょう。

未だに若い学生諸君からお声をかけられて気恥ずかしさもありますが、

まんざら悪い気持ちにはなりません。

今はお昼の12時になりました。

丁度、和歌山県からの患者さんがお越しになりました。

この方の義理兄、ご令嬢ともに歯医者さんです。

ご家族の勧めで遠方より治療に来ていただいてありがたいと思います。

今日も昼飯は抜きになるでしょう。

初心ということ

飽きもしないで暇さえあれば、徒然なるままに書棚から池波正太郎作品を手にとって目を通す私です。

どの作品も既になん十回となく読み込んでいます。

しかしながら、新鮮さ色褪せない池波ワールドに魅了されて10年程過ぎ去りました。

ー 私ども、芸術にたずさわる者は、仕事にスレてはならないとしみじみ、そう思う ー

ー 新しい仕事があるたびに、生まれて初めて、その仕事に立ち向かう気持ちを忘れないように、
  私はこれからも自分に言い聞かせては仕事に取り組む積もりだ ー

この大家の言葉は、いちいちモットモと、素直に私の心に染み入ってきます。

受験シーズンたけなわの今日この頃。

日本歯科大学の門を叩いた日の喜びと希望に胸を膨らませたのを忘れることはありません。

初めて患者さんの治療をした時の緊張感を忘れたことはありません。

ー 初心、ういういしさということは、取りも直さず、新鮮だということになるのだろう ー

この台詞をサラッと書けることに、池波ワールドの真骨頂があるのだろうと思うのです。

神経を採った後の続く痛みの原因

不思議で堪らないのですが、

他の歯科医院において、歯の神経を採った後、痛みがとれないと言ってお越しになられる患者さんが多いのです。

1.神経の取り残し

2.神経を採る時に、根の先端から器具や薬品がはみ出した

3.器具からの細菌感染

原因は極めてシンプルです。

治療方法も明確であり、痛みへの解決案もすぐにあります。

厳しい意見かもしれませんが、このような基本的な対処もできない歯科医は、

治療行為を中止して、勉強をし直した方が良いでしょう!