未熟者ゆえに、歌舞伎役者の演技の程度を評価する眼を持っていませんが、
正月にケーブルテレビの日本映画専門チャンネルで、最近亡くなった中村勘三郎のドキュメントドラマを放映していたのを
今日、新しくお越しになられた患者さんのお口の中を拝見しながら、
思い出してしまいました。
ー 型をキチンと修得して初めて、型破りの芸が出来るんですよ!でなきゃ、単なる形無しってヤツで! ー
上手いこと言うもんだ!としきりに感心し、
少しは歌舞伎を勉強して、見る眼を養おうと思っていましたが、
それにしても、上手いこと言うもんだ!と又々、今日も感心しきりの私です。
最新の治療も良いですが、
やはり従来からある基本的な治療をキチンと日常化して行うことの大切さを
患者さんを拝見する度に感じるのです。
私とインプラントとの関わりは、それは長くて深いものですが、
それでも私は、歯を残せる治療を第1とする歯科保存学の王道を歩いていく気持ちに変わりはありません。
また、日常の普遍的な治療を疎かにする者に、
インプラント治療という異物を生体に取り込む治療を行う資格はないと思います。
チタン製のインプラントと骨との結合を発見したブローネマルク博士は、
神々しい姿と考え方をお持ちでした。
私たちは、その先生の教えに沿った治療を守らねばなりません。
様々な治療からなる歯科治療です。
型をキチンと修得して初めて、新しい技術が活かされてくるものと思います。