私は母校である日本歯科大学新潟校の1年生の授業を担当しています。
歯医者さんへの第一歩を踏み出した若き卵たちへの、その社会的使命と職責への自覚を促す「プロフェッション」という科目にて講義をしています。
その講義の中で私はよく京都の舞子さんの話を聞かせます。
【教えて貰う準備】心構えの例えで、舞子さんの話を聞かせます。
中学を卒業したばかりの幼いとも云える年頃の少女たちは、
僅か1年や2年くらいの仕込みさんと云われる修行期間を経た後に
立派に日本の伝統芸能の世界に羽ばたいて行きます。
その世界は私たちの想像を遥かに及ばない厳しい修行の世界です。
オン.ザ.ジョブ.トレーニングの代表例として、私はこの花柳界の教育方法に注目しています。
歯科医の世界は、技術と患者さんとの関わりあいから成り立っています。
ですから、常に技術の向上に努め、そして人間としての暖かさを育まなければなりません。
常に自身でモチベーションの向上に苦心する必要があります。
この日本の文化とも云える舞子さんたちからよく耳にする言葉が、この【教えて貰う準備】です。
何事にも、この謙虚な心を忘れてはならないと思います。
昨日の7日、京都の祇園甲部、祇園東、先斗町、宮川町の4花街で始業式があり、黒紋付き姿の芸舞子が
心新たに芸事の精進を誓っていました。
「おめでとさんどす」の言葉と稲穂のかんざしに、新しい年を実感しつつ、
明後日の恵比須さんのお祭りで、私の心もグッと引き締まるのです。