日別アーカイブ: 2015年1月22日

型 (かた)

未熟者ゆえに、歌舞伎役者の演技の程度を評価する眼を持っていませんが、

正月にケーブルテレビの日本映画専門チャンネルで、最近亡くなった中村勘三郎のドキュメントドラマを放映していたのを

今日、新しくお越しになられた患者さんのお口の中を拝見しながら、

思い出してしまいました。

ー 型をキチンと修得して初めて、型破りの芸が出来るんですよ!でなきゃ、単なる形無しってヤツで! ー

上手いこと言うもんだ!としきりに感心し、

少しは歌舞伎を勉強して、見る眼を養おうと思っていましたが、

それにしても、上手いこと言うもんだ!と又々、今日も感心しきりの私です。

最新の治療も良いですが、

やはり従来からある基本的な治療をキチンと日常化して行うことの大切さを

患者さんを拝見する度に感じるのです。

私とインプラントとの関わりは、それは長くて深いものですが、

それでも私は、歯を残せる治療を第1とする歯科保存学の王道を歩いていく気持ちに変わりはありません。

また、日常の普遍的な治療を疎かにする者に、

インプラント治療という異物を生体に取り込む治療を行う資格はないと思います。

チタン製のインプラントと骨との結合を発見したブローネマルク博士は、

神々しい姿と考え方をお持ちでした。

私たちは、その先生の教えに沿った治療を守らねばなりません。

様々な治療からなる歯科治療です。

型をキチンと修得して初めて、新しい技術が活かされてくるものと思います。

いつでも新鮮さを忘れてはいません

昨年の終わりから、何時もの年に比べて新しい患者さんが多いことに感謝しています。

石を投げれば、コンビニと歯医者に当たるくらいに歯科医院が多いのに

私を訪ねてくださって本当にありがとうございます。

患者さんからのご紹介が大半ですが、ホームページをご覧になって

先生、何とかして下さい!と頼って来られる患者さんに、

ますます奮闘して仕事に精を出そうと決意新たにと言った処です。

今朝もまた、新たに患者さんがお越しになられます。

治療中の歯の痛みがとれないとお困りの様です。

確りと慎重に調べて、丁寧に手当てをすれば、歯は必ず私の言うことをきいてくれます。

手当ての前に私が一番に気を遣うことは、

皆さんがお持ちの歯科に対する不安感と不信感を一掃することです。

そこが一番の要だと思っています。

経験は宝箱

若い30代の歯科医から、治療の相談を受ける機会が多いのですが、

時代的背景の違いに、なんと私は恵まれていたのかと感謝しています。

近代歯科医学の目覚ましい発展期に私は育ちました。

今の先生方にとっては、既に歴史上の教科書での歯科医から、直接に指導を受け、個人的に食事に出掛けたり、

談笑して頂ける幸運に恵まれました。

歯周病の治療からインプラント治療の黎明期、その背景経験出来たことは

何よりの私の治療の強さになっています。

若い先生方に伝えたいと思っても、

最近の若い人は、変に冷めているように感じてなりません。

優等生も良いですが、熱い情熱をモット欲しいように思えてなりません。

自ら飛び込んでいく、自分の目と耳と肌で感じた経験こそが

将来に振り返っての宝箱になる筈ですのに。