日別アーカイブ: 2015年1月30日

マイクロスコープ顕微鏡を使った歯科治療 続き

先のブログに於いて、マイクロスコープ顕微鏡が、どれ程に精確な、精密な診療をする上で

大切であるのかを述べさせて頂きました。

しかしながら、あまりにこの顕微鏡を重宝する事での落とし穴があることも併せてお話ししておかなければなりません。

木を見て森を見ず!という言葉があります。

拡大することは大切ですが、

歯科の治療に於いては、治療する歯の周辺の状況や、噛み合わせ、

粘膜の性状、唾液、モット言えば患者さんの体格から骨格、筋肉の発達状況、

とどの詰まりは、患者さんの性格も全体に渡って観る目を必要とします

それが人の身体を診る医者の使命だと思います。

何事もバランスのとれた見方ができる医者であることが大切だと考えています。

患者さんにとっての最良の鎮静剤は、どんな薬、麻酔よりも医者そのものであります。

そう言った意味に於いても、患者さんを見透す医者の目を養うことが、医者の日々の過ごしように於いては一番気をつける行いであると言って良いでしょう。

マイクロスコープ顕微鏡を使った歯科治療

私がマイクロスコープ顕微鏡を使った歯科治療を実践して随分となります。

手術はもとより、神経を採る治療から虫歯の治療、被せ物の治療全般に於いても

顕微鏡はなくてはならない私のもうひとつの目になりました。

科学とは探究の世界です。

遥かに細かく見える世界での歯科治療は、細かな仕事の代名詞である歯科治療に於いては当然の道具であると言って良いでしょう。

凝り性で、コダワリの私です。

カール.ツァイスの顕微鏡を贔屓にしています。

色々と使ってツァイスに行き着きました。

顕微鏡を使っていない方には判らんでしょうが、

それはそれは面白いモノです。

歯科で使う顕微鏡の倍率は、よくテレビのドキュメント番組で目にする心臓外科や脳外科で使う顕微鏡のモノよりも

ズットズット大きいんですよ!

但し、顕微鏡を買ったから直ぐに使えるという代物ではありません。

アメリカの専門医についてトレーニングを受けた昔を思い出します。

但し、欠点は疲れ過ぎてフラフラします。

1日に大勢の患者さんを治療椅子を並べて診療するスタイルの歯科では使える代物ではありません。

顕微鏡は大きく視野を拡大して、精確な精密な診療のために使う道具です。

削らない歯科治療、残す歯科治療の精密な目には顕微鏡はなくてはならない道具です。

私が患者の立場であれば、顕微鏡の無い歯科治療は受けません。