日別アーカイブ: 2017年11月20日

願い

歯科医学の門を叩いてから40年近くになりました。

未だに歯科医学への情熱は変わりません。

ある一つのことを、

ずっと継続し続けることに、

大きな意義があると信じています。

歯科医学を通して、

粘り強さだけは身についたようです。

が、

元来の私は短気で瞬間湯沸し器。

時たまに、

その性格が顔を出しますが、

それは余程の時であり、

相手が私の地雷を意図的に踏んだ場合に限ります。

それでも、

簡単には諦めず、

結果はどうであれ、

精一杯頑張ることだけは、

自信を持って言えます。

しかし、

精一杯努めても、

どうにもならないことが在ることも

最近では消化できるようになりました。

例えば、

対人関係などがそうです。

人には様々な考え方や価値観が在ります。

それは遺伝的な要素、

育った環境、

現状の都合など、

様々な因子が、

違いの原因です。

私はお人好しなのだそうです。

で、

ついつい関わってしまう。

その結果、

私の心が大きく傷ついて、

そんな繰り返しの対人関係が在りました。

息子が反抗期の頃、

私は随分と涙を流したモノでした。

それでも、

私は一方通行でしかないけれども、

父親の愛情だけは発信し続けて来ました。

息子は大人になりましたし、

なんと言っても、

私の遺伝子を大きく引き継いでいます。

今では頼りになる相談相手になりました。

このような時に、

途中でさじを投げ出さず、

息子を信じて良かったと痛感しています。

血の繋がりのない他人であっても、

縁を信じて、

如何なる時にも、

私は息子にしたように、

接してきたことは間違いありません。

が、

それでも通じない相手はいます。

頑張った分、

未練なり、

まだ頑張った方が良いのでは?

そんな後悔したくないので、

また、

関わってしまう。

そんな繰り返しの関係が在りました。

が、

遺伝的要素と育った環境の違いは、

やはり大きな川を挟んでいるような気持ちに落ち着いたのです。

駄目なモノは駄目なんだな。

そう、

納得できる心境にさせてくれるほど、

一生懸命向き合った人がいます。

男である私の人生の一番勢い在る時期を

随分と無駄にしたような、

でも、

流した涙から大きく成長した部分が在るのも事実です。

悲しい眼をした患者さんにも

時にはお会いする機会が在ります。

人生って色んな色合いが在るんだなと。

が、

歯科治療を通じて、

そういう方が、

少しでも、

眼の色合いが変わって欲しいと、

願い、願い、

器具を手にしています。

みんなに幸せになって欲しいと、

私は願い続けています。

 

 

 

血の連鎖

来週の土曜日から、

4月15日まで、

徳島県立近代美術館にて、

館所蔵コレクションとしての

【島あおい画伯】の絵画が展示されます。

画伯は、

私の師匠である内部正裕先生のお祖母さんです。

私のカトリック洗礼に際して、

内藤先生から、

ヨゼフと云うクリスチャンネームと、

お祖母さんの描かれた【大工ヨゼフ】の絵画を頂きました。

館の担当者に即座に電話をいれました。

館としては、

画伯の絵の所在を知っておきたいのだそうです。

館へ出向き、

【大工ヨゼフ】をお見せする積もりです。

私は診療室に入室する際に、

一礼します。

診療室は神聖な場所だからです。

先生からの【大工ヨゼフ】が、

この診療室を守って下さることでしょう。

内藤先生の仕事に、

芸術性を感じるのは、

お祖母さんの血の連鎖なのだと、

納得したのです。