昨日の最後の患者さんは、
上が総入れ歯、
下は全てインプラントにて治療を進めている患者さんでした。
インプラントにて修復するからといっても、
仮の総入れ歯は経験して頂かねばなりません。
多くの歯を
お気の毒にも失われてしまっておられます。
ですから、
噛み合わせを
1から造らねばなりません。
歯を列べる位置決めを必要とするからです。
お顔も、
歯があって、
シッカリと噛み合っていた頃とは、
随分と変化していることが、
お借りした若かりし時代のお写真から
容易に想像できます。
正常で健やかな老化とは思えない、
人的ミスが加わって、
今日の表情筋の形が形成された模様です。
顔。
シワ、
表情、
それぞれに【人の生きざま】が刻まれます。
その痕跡は大切にしたいと思います。
が、
ソッと、
私の手当てにて、
蓋を閉じるように、
軌跡を、
隠して差し上げることも度々です。
歯を列べる作業には、
歯科医師の持つ【魔法の手】が効を奏することも
若い歯科医師の先生方には、
気がついて頂きたいと思います。
最近、
顔について熟考するのです。
美容整形医のできない歯科医師だからこそ出来る
従来からのオーソドックスな治療のなかに
大きな宝物があることに気づいたからです。
昨日の患者さんには、
2回目の仮の総入れ歯をお入れしました。
瞬間、
お顔に若さが舞い戻ったのです。
真剣勝負でしたので、
私の側は、
患者さんがお帰りになられると共に
疲れが一気に吹き出しました。
院長室のソファーにチョと横になろうと。
で、
目覚めたら朝。