月別アーカイブ: 2016年8月

インフォームドコンセント

墓参りの他は、

それこそ死んだように眠ってばかりいました。

疲れが吹き出したかのようでした。

最近、興味深いメールを患者さんから頂き、

何度かやり取りしています。

とても歯の治療に関心を持たれて居られることが伝わってきます。

また、とてもよくお勉強されておられ、

この点も感心させられました。

ただ、

この患者さん既に気づいて居られる筈です。

いくら患者さんが歯科の理論を学んでも、

それは極表面的なものでしかありません。

また、体系的な理論構築には、

プロと素人の間には大きな川が流れています。

また、

残念ながら、私らの仕事の技量の差は、

歯科医師間においても大きく差が実際は在るのです。

歯科医師という、ただそれだけの事での、

インフォームドコンセントって言うんですか?最近は。

理屈では良い事なんでしょうが、

意見を求める専門家の程度の差は、

とても影響してくるんだと言う事を

そろそろ素人の方も認めて頂きたいと思います。

治療方針や治療方法について慎重になる姿勢は正しい行いです。

が、

治療には時期というタイミングがあることも、

患者さんは認識して頂きたいと思います。

私は市井の開業歯科医でしかありません。

が、

私は来院される患者さんの全てを診察する訳ではありません。

【本当に困った患者さん】のために私は生きています。

私の眼で【本気度】を感じ、

私でよければお役にたちたいと思う患者さんしか

私が仕事をすることはありません。

その辺りは、

私は他の歯科医師とは違います。

国民的アイドルグループのSMAPが解散したようです。

それで良いンだと、

私は感じました。

無理することはないのだと。

風が吹き、川が流れての如く、

人と人との出会いも

同じようなものなのだと。

私は朝が来れば、

【三枝デンタルオフィス】という舞台に立ち、

【歯の舞】に自分を封入します。

それの繰り返し。

大丈夫です!

今日も朝一番から大きな手術があります。

麻酔注射をして、

メスを手にした私は、

ジッと、

患部を凝視します。

予め手術のデザインは頭の中に在ります。

それでも直前まで、

私は悩みます。

で、

【決まる瞬間】が一瞬。

メスを持った手が、

勝手に動き始めます。

手術が終わるまで、

私の身体の中には【意思】はありません。

術後のレントゲンをコイーバを燻らせながら

目にした時、

身体の中に魂が戻ってくるようです。

先日、

東京都麻布にて開業の師である内藤政裕先生と

長話に興じていました。

私は、内藤先生が好きです。

歯の塊のような情熱の歯医者だからです。

先生を追いかけ、

その時既に、

悔しいかな!

もっと先へと駒を進めておられ、

決して届くことができません。

手先の器用さは、

歯科医師に必須の条件ですが、

内藤先生の治療には哲学が在ります。

また、

男として、

職人としてのやせ我慢をも

感じ取れることが

内藤先生と他の歯科医師との

大きな違いだと思います。

私は内藤先生との出会いがあった30代前半に

歯科医師としての

歩く道を見つけました。

私の診療所に来られる患者さんは難症例ばかりです。

本学に困った患者さんに対しては、

私は屁理屈など言いません。

背負う気概で、

受けて立っています。

同業は特に、

家族の理解が得られているとは思えない半生でした。

それでも私は、

治療した患者さんからの評価で支えられています。

患者さんがお越しになられました。

術前の患者さんに必ず申し上げる台詞。

【私がしますから大丈夫です】

私の手は、

神様仏様が守ってくださっていますから。

肩の調子も楽になりました

肩の調子も回復したようです。

これからは【し過ぎ】ないように

予約の入れ方を考えようと反省しました。

今私は仕事の上り坂に在ります。

大きく深呼吸して、

目の前の大きな山を越える積もりです。

17歳で、この道を志し、

じっくり基礎固め、足腰を鍛えてきた

ここからが勝負です。

もう前しか観ません。

【歯科への信頼の回復】が私の遺された仕事です。

先ほど、前回に金属製の仮の歯を装着した患者さんを診察していました。

インプラントの必要ない処にインプラントを入れられて、

噛み合わせのバランスを大きく壊された

お気の毒な患者さんです。

入れてしまったインプラントを除去出来ませんが、

苦労して人工歯の形を変えて、

噛み合わせの要所だと考えられる部分に

金属製の仮の歯を装着したのです。

無論、その前に樹脂製の仮の歯は装着しています。

その上で、

材質を金属に変えて、

挙動を視る予定です。

患者さんはとても明るくなりました。

歯科医師不信の方でしたが、

今ではとても治療に協力的です。

協力的な患者さんはとても助かります。

グングン良くなりますから。

人と人とのかかわり合いも同じじゃないでしょうか?

あー、辛んどい

週末は上京し、

昨日は遅くに帰宅しました。

私は東京が好きになれません。

人が多すぎるからです。

疲れたんでしょうね。

爆睡しました。

朝、マリリンが甘えて甘えて、

困りました。

ゆっくりしたいのですが、

週末は予定が満載です。

遊びなら良いのですが。

昔、開業医と言えば安気な稼業だと思っていたのですが、

これは相当に甘かった!ようです。

患者さんの診療以外に、

ヤらねばならないこと満載!

でも、歯が好きなンですね。

これしか取り柄もない私ですが。

偏屈同士

右肩の痛みが一向に回復せず、

それでも歯の治療は押し寄せる波のように。

患者さんの数を調整しながら10日ほど

苦しみながら過ごしていました。

整形外科、ペインクリニック、整体、マッサージ。

治療の合間や終わってから、

ありとあらゆる手段を講じたのですが、

良くなっては、仕事。

で、再び痛みという繰り返し。

案じて下さった患者さんのご紹介にて、

トアル治療院の門を叩いたのです。

「 偏屈な先生なので、お気を害するかもしれません。」

と、更に案じる患者さんに、

「 イヤイヤ痛くて、カチンとくる元気はありません。」

偏屈と偏屈がぶつかることを案じて居られるのが伝わり

思わず笑いそうになりました。

で、

成る程、成る程!

なかなかの偏屈親父じゃな!

色々説明して下さるのですが、

一瞬、私が説明など無用という空気を発したのを、

この偏屈先生は見逃さなかった。

「 説明しないでイインですか?」

私ですか?

「 全く無用です。信頼していますので、ご随時に」

私ら人の身体を治療する人間には判るんです。

相手の技量の程度が。

餅は餅屋という言葉があります。

素人がどんなに研究しても、

本物のプロには到底及ぶことはできません。

生板の上の鯉。

で、

専門家の指導通りの日常を過ごす。

素直な気持ちで、治療と向き合う。

そうでなければ病気など治りません。

自己主張していたら、

病気になった原因の解決にもなりません。

この偏屈先生、私に対して其処から

とても紳士的な態度に豹変したのです。

相手も偏屈、私も偏屈。

同じ匂いを感じたンだと思います。

帰る時に、痛みは消えていました。

相当に手を酷使しているので、

当分の間は、週に2日ほどは手当てを受けようと思っています。

東京の街は、

私はあまり好きになれません。

雑踏の中、

鞄を左手に、

人混みの中へと移動するのに、

今、ほんの一時休憩している処です。

蝉時雨

蝉時雨のなか、

マリリンと八坂神社までの川沿いを並んで歩きながら、

ふと昔のことなどを思い出すのです。

何十回と夏を過ごしました。

が、

あんなに大きく観えた入道雲を

最近では見かけないような気がします。

夏の顔も、

年月を経て少しずつ変わっていて当然かもしれません。

明日からまた週末は上京します。

当分の間、

私には休暇はないと覚悟しました。

それでも合間をぬって、

自分なりの癒しを見つけようと思っています。

機内や宿で読む本を2冊ほど、

昨日のうちに見つけてきました。

司馬遼太郎氏の

【幕末維新のこと】

【明治国家のこと】

診療所では【歯三昧】で、

片時も、患者さんの容態が頭から離れません。

私は馬鹿なんでしょう。

読書しながらも、

文中に、

治療への【閃き】が

点灯すること度々。

私の息子も

歯科医になるのだそうですが、

それが彼にとって幸せなのかは

私には判りません。

息子も新潟の蝉時雨のなかを

歩いています。

彼の耳に、

その蝉時雨は

どのように聴こえているのでしょうか?

 

 

歯の命

お盆が近づくと

物置から小さな包みを取りだし、

行灯を組み立てるのが、

幼い頃の私の仕事でした。

行灯に描かれた絵が火を灯した時に浮き上がる瞬間に

私はご先祖様が、

旅の支度に取りかかっているような気持ちになりました。

それは今も変わりません。

私は魂を信じます。

それは人の心を信じているからです。

縁があって歯科医になりました。

人の身体を診る仕事です。

が、

仕事を仕事として割りきることは

私には出来ません。

それは人には心があるからです。

ですから、

人の身体の一部分である【歯】には

魂があると、

私は信じています。

 

歯医者の性

メールによる患者さんからの相談は無論のこと、

治療に着手する前でも一度患者さんを診察した時は特に、

片時も、

その症例のことが頭から離れないことに

私は日々、

ある意味苦しむのです。

患者さんの病気の原因を見つけるために

患者さんの所見が頭から離れないのです。

先日、山形県最上町開業の吉澤さゆり女史から

幾つかの症例の相談を受けました。

私にはたった1枚のレントゲンでさえも、

その為したる歯科医の性格や技量の程が手に取るように解るのです。

真っ直ぐで誠実な歯科医だな、と。

手当ても確実なモノでした。

私はこの頃、想うンです。

眼には見えないモノも視える眼を持たねばと。

患者さんへの問診はとても大切です。

問診はクドイ位でも足りません。

その上で、それでも、

問診からの患者さんの訴えに

全てを診断の根拠にしてはいけません。

裏を読む、

行間を読む、

症状から感じとる、

ここが肝心要だと思っています。

吉澤さゆり女史の持ち込んだ症状は、

所謂、難症例です。

エジプトでの古代遺跡の発掘作業のように、

病気のキッカケとなった何か探しに

専門家としての性でしょうか?

この症例も

私の頭の片隅から離れません。

審美一辺倒の歯科業界ですが、

この女医さんもいずれ良い歯の番人にへと

成長するに違いありません。

 

 

医者に必要な大切なモのは

新患の患者さんのほぼ全員が、

他の歯科医院からの転院組です。

で、

つくづく感じますのは、

歯医者さんが治療方法に迷い、

振り回されているなと。

テクノロジーと情報伝達トゥールの進化発達にて

色々な治療方法の存在を皆がリアルタイムで

知る得ることができる便利な時代です。

ただ観るだけでは、

ただ教えて貰うだけでは、

自分の血肉にはなりません。

医者の手先と閃きと勘は、

長い長い年月を

【丁寧に診ることに徹して】初めて生まれてくるのです。

最新機器を使ったヘタクソ治療の氾濫。

最新材料を使った歯への破壊行為。

毎日、毎日、

眼にする光景です。

【基礎】ほどに大切なモのはありません。

また、

人の身体を診る私らに、

誠実な素直な心と目が一番の

大切な治療道具であることは言うまでもありません。

孤高のマウンド

右の肩を傷めて苦しんでいます。

指先は問題ないのですが。

この数日は、

仕事の合間を

手を休めることに終始しています。

マイクロスコープの見すぎだと判っています。

私ら職人には【壁】って厄介なモノが在りましてね、

それこそ【壁】が見えない時の方が不安だったりして。

ソコに【壁】が現れたってなモンなら、

無我夢中でぶつかって、ぶつかっての繰り返し。

壁の向こう側って、

そりゃ、清々しいモンです。

これでまた、

歯を助けられる【技術】が自分の肉になるんですもの。

患者さんを前に、

絶対なる安定感で私は診察したいですから。

といっても、

人体、歯は不思議なもの。

次から次へと、

何故だろう?の泉が湧いてくる!

そんなこんなで、

今は私も体力が低下してるンででょう。

気合いと情熱に、

頚が就いていってないんですね。

で、

肩が痛たーい!と。

激痛ですよ。

プロの選手に相談したのです。

返事ですか?

【孤高のマウンドにたってるんだから定めですよ】