日別アーカイブ: 2016年8月3日

歯医者の性

メールによる患者さんからの相談は無論のこと、

治療に着手する前でも一度患者さんを診察した時は特に、

片時も、

その症例のことが頭から離れないことに

私は日々、

ある意味苦しむのです。

患者さんの病気の原因を見つけるために

患者さんの所見が頭から離れないのです。

先日、山形県最上町開業の吉澤さゆり女史から

幾つかの症例の相談を受けました。

私にはたった1枚のレントゲンでさえも、

その為したる歯科医の性格や技量の程が手に取るように解るのです。

真っ直ぐで誠実な歯科医だな、と。

手当ても確実なモノでした。

私はこの頃、想うンです。

眼には見えないモノも視える眼を持たねばと。

患者さんへの問診はとても大切です。

問診はクドイ位でも足りません。

その上で、それでも、

問診からの患者さんの訴えに

全てを診断の根拠にしてはいけません。

裏を読む、

行間を読む、

症状から感じとる、

ここが肝心要だと思っています。

吉澤さゆり女史の持ち込んだ症状は、

所謂、難症例です。

エジプトでの古代遺跡の発掘作業のように、

病気のキッカケとなった何か探しに

専門家としての性でしょうか?

この症例も

私の頭の片隅から離れません。

審美一辺倒の歯科業界ですが、

この女医さんもいずれ良い歯の番人にへと

成長するに違いありません。

 

 

医者に必要な大切なモのは

新患の患者さんのほぼ全員が、

他の歯科医院からの転院組です。

で、

つくづく感じますのは、

歯医者さんが治療方法に迷い、

振り回されているなと。

テクノロジーと情報伝達トゥールの進化発達にて

色々な治療方法の存在を皆がリアルタイムで

知る得ることができる便利な時代です。

ただ観るだけでは、

ただ教えて貰うだけでは、

自分の血肉にはなりません。

医者の手先と閃きと勘は、

長い長い年月を

【丁寧に診ることに徹して】初めて生まれてくるのです。

最新機器を使ったヘタクソ治療の氾濫。

最新材料を使った歯への破壊行為。

毎日、毎日、

眼にする光景です。

【基礎】ほどに大切なモのはありません。

また、

人の身体を診る私らに、

誠実な素直な心と目が一番の

大切な治療道具であることは言うまでもありません。