メールによる患者さんからの相談は無論のこと、
治療に着手する前でも一度患者さんを診察した時は特に、
片時も、
その症例のことが頭から離れないことに
私は日々、
ある意味苦しむのです。
患者さんの病気の原因を見つけるために
患者さんの所見が頭から離れないのです。
先日、山形県最上町開業の吉澤さゆり女史から
幾つかの症例の相談を受けました。
私にはたった1枚のレントゲンでさえも、
その為したる歯科医の性格や技量の程が手に取るように解るのです。
真っ直ぐで誠実な歯科医だな、と。
手当ても確実なモノでした。
私はこの頃、想うンです。
眼には見えないモノも視える眼を持たねばと。
患者さんへの問診はとても大切です。
問診はクドイ位でも足りません。
その上で、それでも、
問診からの患者さんの訴えに
全てを診断の根拠にしてはいけません。
裏を読む、
行間を読む、
症状から感じとる、
ここが肝心要だと思っています。
吉澤さゆり女史の持ち込んだ症状は、
所謂、難症例です。
エジプトでの古代遺跡の発掘作業のように、
病気のキッカケとなった何か探しに
専門家としての性でしょうか?
この症例も
私の頭の片隅から離れません。
審美一辺倒の歯科業界ですが、
この女医さんもいずれ良い歯の番人にへと
成長するに違いありません。