蝉時雨


蝉時雨のなか、

マリリンと八坂神社までの川沿いを並んで歩きながら、

ふと昔のことなどを思い出すのです。

何十回と夏を過ごしました。

が、

あんなに大きく観えた入道雲を

最近では見かけないような気がします。

夏の顔も、

年月を経て少しずつ変わっていて当然かもしれません。

明日からまた週末は上京します。

当分の間、

私には休暇はないと覚悟しました。

それでも合間をぬって、

自分なりの癒しを見つけようと思っています。

機内や宿で読む本を2冊ほど、

昨日のうちに見つけてきました。

司馬遼太郎氏の

【幕末維新のこと】

【明治国家のこと】

診療所では【歯三昧】で、

片時も、患者さんの容態が頭から離れません。

私は馬鹿なんでしょう。

読書しながらも、

文中に、

治療への【閃き】が

点灯すること度々。

私の息子も

歯科医になるのだそうですが、

それが彼にとって幸せなのかは

私には判りません。

息子も新潟の蝉時雨のなかを

歩いています。

彼の耳に、

その蝉時雨は

どのように聴こえているのでしょうか?