月別アーカイブ: 2015年1月

新しくお越しになられる患者さんへ

今週も新しくお越しになられる患者さんが居られます。

私の診療所は、チョコッと簡単に診てもらおうという歯科医院の体裁を採っていません。

何処に行っても駄目だった!

キチンと治したい!

歯医者なんか信用出来ない!

本当に困った!

という患者さんと一緒に頑張ろう!という歯科医院です。

コンプレックスなんか持たなくても構いません!

本当に困った方ばかりがお越しになられていますから。

恥かしがる必要は、まったくありません。

治療期間や痛みへの恐怖、ご費用への不安で、治療が後回しになるのは馬鹿げています。

大切なのは、良くなりたいという決意です。

私の診療所は、歯科のユートピアで在りたいですから。

三枝デンタルオフィスのホスピタリティ

私の診療所の診察室の写真を観て、驚かれる方が多いのかもしれません。

別段、高級サロンをイメージして造った訳ではありません。

ニューヨークのセントラルパークの南に面した通りにある旧いホテルであるエセックス.ハウスや

パリのサントノーレのオテル.ド.サントノーレというプチ.ホテルには

決まって書斎があつらえています。

私は夜が更けても、こうした書斎にて街の書店にて買い求めた本の頁を捲るのを楽しみとしています。

私の時間の大半を過ごす診察室ですから、心地よく仕事に専念したいと、

こうした旧いホテルの書斎をイメージしたのが私の診療所です。

好きな歯の仕事に就けて感謝し、

数ある歯科医院の中から私の診療所を選んで頂いて、

私は患者さんをベストな環境で迎えたいと思っています。

清潔、プライバシーに対する配慮、余裕ある対応、精密な治療、

それらが組あわさって診療所のホスピタリティが成り立つと思っています。

それが三枝イズムであることは間違いありません。

同業の歯科の先生方からは色々言われますが、

私の患者さんからは評判が良いのは言うまでもありません。

近況

新年を迎えて未だ間もないのですが、

出張の多いのに戸惑って過ごしています。

それはそれで忙しいのですから、感謝していますが。

今週末も診療が終わったら、最終の飛行機で上京します。

都内に出向くのは億劫なので、仕事の打ち合わせは空港内のホテルにてとリクエストしました。

夜中まで仕事の打ち合わせをするのは苦にはなりません。

むしろ移動のために都内まで出向く方が億劫です。

折角に上京したのですから、合間にブラブラも良いのですが、

朝の早いフライトにて高松に帰りたいという気持ちの方が強いのは

歳をとったせいでしょうか?

帰ったら、墓の掃除にでも犬を伴って行こうと考えています。

相変わらず、患者さんにも恵まれて感謝して日々を過ごしています。

このところ、診療所にマリリンを連れて来ています。

診察の間、マリリンは私の机の脇で横たわり寝入っています。

今もマリリンの寝顔を横目にブログを認めています。

こうして私の毎日は繰り返されています。

春の訪れを首を長くして、診療に仕事に没頭しています。

祈り

早いもので阪神淡路大震災から20年も経ちました。

当時、マンション住まいであった私は、前日に大阪から帰宅してグッスリと寝入っていました。

で、グラッ.グラッ.ズシン!

寝ぼけていた私は、何が起こったのか理解出来ずに、

床が抜け落ちていくと瞬時に感じて、愚かにも布団にへばりついてという有り様でした。

結局、私の身の回りには何の被害も無かったのですが、

テレビから流れる光景に凍りついたのを鮮明に覚えています。

その後、まさか東北の震災の現場に立つことになろうとは思いもよりませんでしたが、

確実に私は震災恐怖症に罹患したようです。

人が生まれて天寿を全う出来る世の中であって欲しいものです。

震災で亡くなられた大勢の方々のご冥福を心より御祈り申し上げます。

様々なインプラント

一般の方には興味のない話かもしれません。

一口にインプラントと言っても、それはそれは色んなモノがあるのです。

中にはよくもまぁ、厚労省が認可したものだ!と常識を疑うようなモノまで市場に出回っています。

私は今の処、ファーストチョイスがアストラテックとストローマンですが、

現状アストラテックを使う機会が圧倒的に多いのです。

近年、アストラテックのインプラントがフルモデルチェンジのを機会に、

昨年は随分と多くのインプラントについて吟味を加えました。

私の診療所へは、私以外の先生が治療したるインプラントの患者さんが多くお越しになります。

治療を途中から引き継いだり、やり直ししたりですが、

嫌でも様々なインプラントと関わる機会も多いのです。

最近、国産のインプラントと3iインプラントの治療を途中から引き継いだのですが、

イマイチと思っています。

私の選択、即ちスウェーデン&マルティナインプラントを私の治療に加えたことは正しいと認識しました。

私は結構と慎重派です。

だからこそ、インプラントの選択はもっともっと慎重にと思っています。

決めたこと

頑固な訳ではないが、一旦決めた事柄は必ず最後までやり遂げるようになったのは、

決して私の意思が強いからではありません。

どちらかと云えば意思の弱い私です。

禁煙外来にも通ってみましたが、中途退学してしまいました。

物事を決めるにも、なかなか踏ん切りがつきません。

が、一旦こうと決めれば、どんなに状況が変わったとしても、

どんなに困難な状況に置かれても、石のように自分の道を貫いてきたと思っています。

こういう私ですから、他人の目は一切気になりません。

そういう意味での少数派であることは、よく自覚しています。

この性格は治らないでしょうし、治す気持ちもありません。

結果の良し悪しは別として、

自分の欠点なり悪い処は自覚しています。

そのような処は、努力して治そうと思っています。

しかしながら、他人から指摘された処は余計に反発してしまいます。

一生懸命生きている人からの忠告は、案外素直に耳を傾けられるのですが。

何故にそのような話になったのかというと、

ある人から、私のブログの更新について
とてもマメであると感心半分、呆れで半分、指摘を受けたからです。

これは決めた事柄なので、決まりごとになったモノをしないのは逆に自分が苦しくなるものですから。

歯の仕事に於いても様々な決まりごとがあり、そのような手順を割愛するようになったら

歯科医も終わりだと思ってきましたから。

で、ここまでで書きはじめてから7分です。

そんなに苦になる作業ではありません。

インプラント治療のトラブル対応策

先のブログにて紹介させて頂いたインプラント治療後に唇、頬の痺れが生じた患者さんの現状を報告します。

2年ほど前に他の歯科医院においてインプラント治療を受けてから、このような症状が出た患者さんですが、

恐らくこれがその原因となっているのだろうと思われるインプラントを精査すると、

インプラントと骨の結合が未熟と思われました。

45ニュートンの大きなトルクをかけてインプラントに対して逆の回転で負荷を与えました。

どうやらインプラントと骨の結合が完全に失ったようです。

インプラントが骨と完璧に結合していると、幾ら大きな負荷をかけてもそのまま確りと骨と結合しています。

このインプラントは、結合が未熟であったので、今では少し浮き上がってきているのを確認しました。

骨との結合を失ったインプラントは、異物である為に、身体から排除されるのです。

患者さんの唇と頬の動きが正常になってきています。

異物が排除されるに従って、傷んだ身体は治っていくでしょう。

一月程、症状の回復程度を観察して、痺れが少し残っているようであれば、

外科的に傷んだ神経に対して手当てを行う積もりです。

が、この症例については、恐らく自然と治癒に向かうと思います。

噛み合わせによる頭痛については、次回に新しいアバットメントと仮歯を入れて快方に向かうでしょう。

安全なインプラント治療を行うには

今年に入ってからのインプラントの手術を予定している患者さんの大半が、

昨年の夏頃に抜歯をしたり、骨造成を行った症例です。

骨が完全に健康な状態になってからインプラント治療に着手することが、

やはり安全な手法であると思っています。

手術の際に、インプラントを埋め込むことに専念出来るからです。

基本的に私は、インプラントの手術に際しては、部分麻酔のみで行っています。

ですから、どんなに広範囲の手術であっても、手術時間は長くて1時間半程度の短時間で終了します。

骨は空気に触れる時間が長い程に、手術後に収縮します。

インプラントの上部の骨が収縮して歯周病の骨のような形になるのを

インプラント周囲炎と言います。

このインプラント周囲炎の原因は、様々言われています。

私の長いインプラント治療の経験から、

このインプラント周囲炎のような骨の吸収形状は、

大半が、インプラントの手術時期が早かった場合と、手術時間が長くて骨にダメージが加わった場合と言えると思っています。

安全で安心なインプラント治療の基本は、先ずはこのような処にあると思っています。

不肖の弟子

先日、初診にてお越しになられた患者さんのインプラントの上部構造とアバットメントを取り外して

私は、凍りついてしまいました。

この訳は後程お話しさせて頂くとして、

この患者さんは、手術後の頬と唇の痺れと頭痛、そして口の中の不潔感を強く訴えかけて

私の診療所へ訪ねて来られました。

インプラントの手術は、今からさかのぼること2年前に受けられたようです。

左の下顎の奥歯の部分に3本のインプラントが埋め込まれていました。

早速にレントゲンを撮影しました。

ー 先生、この先生から紹介されて公立病院の口腔外科に行ったんですが、
  レントゲンでインプラントと神経は離れているからと言われました。 ー

この患者さんの手術は静脈内鎮静法にて行われたようです。

手術時に、激痛があったとの事。

手術時間はなんと7時間も要した事。

術後から唇と下顎部分の皮膚に麻痺があること。

上部構造を装着してからこめかみから頭にかけて痛いこと。

患者さんには、この原因と解決案を2つに分けて考えるようにお話ししました。

レントゲンでインプラントが神経と離れていても、ドリルで深くまで堀こんでしまったら、
ドリルの先端が神経に触って麻痺は生じ得ること。

術中に痛みを強く感じたのは、ドリル時の神経との接触であると考えられること。

たかがこの程度の手術で7時間も時間を要したのは、

このトラブルに対する対応と、

3本のインプラントの内の真ん中のインプラントが、他のインプラントよりも細くて、

しかも歪んで埋め込まれているので、骨の幅の狭い所へドリリングした際に、

骨の硬い部分に導かれて堀こんでいったので、

骨の形が崩れて、インプラントを入れた後にバイオス等の骨補填材料を使って、

大幅に時間がかかったのだろうと思われること。

ー そうです、先生、バイオスを使ったと言ってました。 ー

頭痛の原因は、いたってシンプルであり、冠の形を変えれば治るとお伝えしたのです。

お気の毒ですが、麻痺は当分の間は治らないだろうとも付け加えました。

この患者さんは、この歯科医師を医療紛争で訴えると息巻いていましたが、

そのようなことをしても、患者さんの傷は治らないのだから

もう振り返らないで前を向いていきましょうとなだめておきました。

ここで問題なのは、この歯科医師が患者さんに対して逃げの姿勢を採ったことです。

で、自分では患者さんに認めたくは無かったんでしょう。

この態度に患者さんは怒りを爆発させたようです。

麻痺に対しては、当分の間は治らないとお話ししましたが、

対応策はありますので、私と患者さんとの間に信頼関係が築けた時に提案しようと思っています。

で、私が凍りついて訳ですが、

アバットメントを外さないと、正確なインプラントの埋め込んだ位置が判らないので、

患者さの了解を得て、アバットメント取り外したときに、

ビックリ仰天したのです。

インプラントの埋め込んだ位置が変なのは容易に予想出来たのですが、

そのアバットメントを作った歯科技工士が、

私の診療所の卒業生であることが判ったからです。

名前なアバットメントに書いている筈もありませんが、

そのタッチで、私が技工を教えたのですから判ります!

が、私はこのような理論と形は教えませんでしたが、

そのタッチは、うちの卒業生である事は間違いありません。

大手の技工所の営業マンに電話をして問い合わせた処、

やはりこの歯科医院の技工はうちの卒業生が行っているようでした。

私は、自身の仕事は細かくチェックしています。

但し、この事で歯科技工士が自分で考えることを学なばなかったのでしょう。

しかしここまで、基本からかけ離れた仕事をしているとは思いませんでした。

スタッフ教育の有り様を大きく考えさせられました。

こういうことも私は、患者さんにはハッキリと伝えるようにしています。

アバットメントを取り外して、患者さんの不潔感が消失したのは言うまでもありません。

この患者さんの不快症状が消えて、歯科への信頼が回復するのは時間の問題でしょう。

この歯科医師を訴えると息巻くこの患者さんへの最後の一言は、

この先生に委せた観る目の無かったことが大きな原因です。

もう振り返らないで前を向いていきましょう。

十日恵比須

商家に生まれ育った私は、幼い頃からこの季節はアチコチの神社仏閣へとお詣りに連れて行かれたせいか、

どうやら習慣化されてしまったようです。

新年は伊勢神宮のの参拝から始まって、宝塚の清荒神、東大阪の石切神社、京都祇園の八坂神社、

で、今日の恵比須さん、3月14日の奈良東大寺のお水取りで一応の予定を終了するを常としています。

このような私です。

神様、仏様の力を信じて疑ったことはありません。

今日このように私が在るのは、神様、仏様のおかげと感謝しています。

歯科医学という自然科学の世界に生きる私ですが、

科学を遥かに越えた力の存在を信じています。

歯科の経験を重ねれば重ねる程に、

人の身体の神秘さを実感し、

神様、仏様の大きな力を感じざるを得ないと思うようになりました。

大切なご自身の身体を私に預けて下さる患者さんの期待に応える為に、

私自身が強運の持ち主にならねばならず、

そのような訳から、私の信心はより一層深くなるのです。

朝の仕事に先だって、恵比須さんの鳥居をくぐり、謙虚な気持ちと感謝の気持ちで、

大きく柏手を叩いて、今年の仕事に臨む私の1年が始まりました。