日別アーカイブ: 2017年6月1日

歯科治療は私の命

夜も遅いのにと、

不謹慎とお感じになられるのならば、

其れは其れで構いません。

夜の11時前です。

今日、最後の患者さんにお電話を入れました。

先のブログで紹介した手術の患者さんです。

そろそろ痛みが出る頃合いだろうと思ったからです。

全身麻酔でしたので、

手術後に通常行う術後の説明は

薬の作用である健忘効果にて、

ほとんど、

否、

全て忘れている筈です。

痛みが出ると、

手術が気になって不安になるものです。

手術は確かな手順で終了しました。

手術中の全身管理と麻酔も、

わざわざ日本歯科大学の新潟病院の大橋準教授に担当して頂きました。

日本歯科大学新潟の麻酔科は、

今春叙勲された柬理十三雄前教授が手塩にかけて育てた佐野主任教授と、

新潟の学部長である藤井一維教授の率いる伝統の教室です。

難しい症例を執刀する時に私は、

自分の身を削って、

命懸けで、

メスを手にしています。

患部に完全に集中しなければなりません。

ですから、

全身管理には気を向けることが出来ません。

私の代わりに、

私が完全に信じて患者さんを任せられるのは、

この伝統の麻酔科のエースであり、

麻酔科長を務める大橋準教授以外には考えられないのです。

私が医師として患者さんに、

して差し上げられる手当ての全ては尽くしました。

でも今頃、

患者が不安感に案じて居られたならばと思い立ち、

お電話をと云う次第です。

このような私の心配性は毎度のことです。

私に出来ることは全てする積もりです。

本当に困ってお出でになられて、

恐い手術を決意されて、

その思いをシッカリと受け止める積もりです。

本当に困って頼って来て下さるからこそ、

私も命をかけられるのです。

唖然!

先ほどまで、

手術の際の全身管理を担当して下さった

日本歯科大学の全身管理科 科長である大橋先生を

マリンライナーまでお送りして、

帰宅した処です。

私、大橋先生、スタッフ共々、

クタクタになりました。

大橋先生がポツリと語りました。

イヤー、私も長年臨床やって来ましたが、

新潟県には歯学部が2校在るからでしょうか?

これほど凄まじい?治療の痕跡を観る機会はありませんでした。

どのような教育を受けて来られてか?

先生、手術の後の治し方を

記録して医局員たちに見せてやって下さいよ。

私の四半世紀は、

このような症例の後始末ばかりでした。

本音で、

同業者として腹がたちます。

この輩、

ホームページで堂々と

自己自賛の名医でいらっしゃいますから。

歯科医師の名誉にかけて

キチンと治して差し上げます。

それにしても、

コレが治療でしょうか?

センスとか、

技術とか、

知識以前の問題です。

全く意味不明な治療に唖然!

 

 

 

プロフェッショナル

今日の大掛かりな手術を必要とした患者さんは、

全ての局面において、

【特別】な対応にて手当てしたのです。

観て下さい。

何ヵ月も歯科医院に通院していて、

この有り様です。

私の診療所に初めてお越しになられた際の所見です。

コレが治療でしょうか?

決して言いたくはありませんが、

健康を壊しているとしか思えません。

常にホームページの上位に掲載される歯科医院での治療です。

其所での治療計画書も拝見させて頂きました。

で、

この有り様です。

総合的な診断力と、

複雑な症例の具体的な治療の進め方の経験がないのだと、

瞬時に判断出来ました。

歯科医師としての全ての能力に欠けていると考えます。

インプラントを入れることが歯科治療のゴールではありません。

清潔な口腔環境を維持できながら、

長期間の快適な咀嚼機能と、

美しい口許を創造するのが、

歯科医師の仕事です。

このような症例には、

即座に採血し、内科対診を行い、

完成時のイメージを描いて、

そのために必要な手当てを直ちに行う、

トップダウン方式にての治療を行うべき症例です。

御主人が長年の私の患者さんで、

目に余って奥方をお連れ下さったのです。

奥方は歯科医師の違いを其れほど認識されておられなかったと。

ですから、

【違いの在る歯医者】であることを、

御主人の名誉のために、

私はシッカリと努めねばなりません。

こう言う際にこそ、

スピード感が必要なのです。

トロトロしていては、

口腔環境が崩壊してしまいます。

この患者さんについては、

既に崩壊していると言って良いでしょう。

一気呵成に治療すべき症例です。

ただ、

治療の時間短縮は出来ません。

速いスピードを競うのが歯科治療ではありません。

あくまでも確実な手順を必要とします。

それなりに長時間を必要とする治療の積み重ねから、

健康を回復できるのです。

この患者さんの経過については、

これからもご報告させて頂きます。

 

日本歯科大学の精神

今日の午後は、

日本歯科大学の麻酔科から大橋準教授が

応援に来院しての手術です。

ちょうど都合の良いことに、

今日は本学の創立記念日です。

で、

大学はお休みだったのです。

大橋先生には申し訳ないのですが、

朝一番の上越新幹線で東京へと、

羽田から空路高松市に入って頂きます。

手術は9時過ぎまでかかるでしょう。

その後、

東京行きのサンライズ瀬戸にて東京から明日早朝に新潟へと。

着いたら直ぐに大学病院での外来だそうな。

私らの仕事は、

世間向きには楽に観えるでしょうが、

働く人は、

トコトン働いているのですよ。

今日の手術は上顎と下顎ともに施術しなければならず、

局所麻酔だけでは、

使用量がかなり増えることから、

循環器系に大きな負担がかかります。

その予防策として、

全身麻酔にての手術を選択したのです。

麻酔科の医師を多く視て来ました。

歯科の全身麻酔は本学の医師が一番だと評価しています。

これは決して手前味噌ではありません。

歯科の全身麻酔は特殊なのです。

ただ眠らせて、

全身管理すれば良いと云うんじゃ、

私は満足出来ません。

痛みや恐怖を伴う際には深い眠り、

噛み合わせのチェックの際には浅い眠り、

治療の段取りを【先読み】して、

麻酔医は、

深度調整をしなければなりません。

この辺りは、

医科の麻酔医では無理ですし、

口腔外科と修復との連携がキチンと取れている

歯科大学でなければ。

で、

教授が藤井学部長です。

あの厳しい指導の末に準教授となった大橋先生は、

現状、日本歯科大学の新潟病院の麻酔科の現場のトップと言えるでしょう。

歯科技工士にしても、

医師においても、

私は組む相手を吟味しています。

大橋先生が仰られていました。

一生懸命、手当てさせて頂きますと。

コレが日本歯科大学の精神です。