大昔の事ですから、もう良いでしょう。
別れた家人に途方に暮れた日々を過ごした事を
思い出したくもないのに、
時たま思い出すのです。
流しに溜まった皿やコップを洗えば、
汚れが残っているのも見えないのか!と罵倒され。
二度手間になるのが判らないのかと、
二度目の罵声を浴びせられ、
恐ろしいので、
何もしないでいると、
私は家政婦ではない!
と、また怒鳴られる始末。
挙げ句が、
親の躾が悪かったから始まって、
甘やかされて育った馬鹿息子に至り、
いつも決まった生活を送る私を、
アスペルガー症候群と勝手に診断し、
最後は、
自分が患者だったらお前のような人間には診て欲しくない、
で、締めくくってもう終わりかと思いきや、
アンコールの拍車で、
折角に舞台から姿を消した歌い手が、
再び舞台へと舞い戻るように、
甲斐性が無いという何時ものフレーズから、
見栄っ張り、
自己中、
嘘つき、
患者さんに媚びを売るホストのような奴だと、
続けて、
何年か前の話しをぶり返し、
あの時の表情が気にくわないから、
もうあなたとは関わりたくない、
気持ち悪いで、
ほぼ終盤戦を迎えへ、
次は、
子どもがあぁ言っていた、こう言っていた、
というボイスチェンジの頃で、
最後のクライマックスを迎えるのです。
今ですから言えますが、
ぶん殴った事も在ります。
想わず自分を見失う程の
強烈な台詞が飛びだし、
自制心を失ったのです。
でも敵は強い強い。
アッチ向いて【DV男】
コッチ向いて【危険な男】
ズーと、
手が出なくても、
自分が都合悪ければ、
恐怖心を感じると反論されました。
私ですか?
もうボロボロですよ。
髪が白くなったのも、
其れが原因でしょう。
それなのに、
私は家庭を守らねば、
家庭を崩壊させてはならない
と、信じキっていました。
それほど迄に罵る家人が、
別れた後に経済的に苦労させてはならないから
決して別れてはならないと、
これまた呑気な話しですが、
気が鎮まることを、
それこそ、
神さま、仏さまにお願いする一心でした。
でも、
家に帰っても落ち着く筈はありません。
恐いですもの。
いつネチネチされるのか?
また無視攻撃が始まるのかと。
夫婦喧嘩が勃発し、
私に意見を求め、
会いにお越しになられたご夫婦が居られました。
ドチラの言い分も
よーく判るんです。
夫の方は、
落とし処のサインを送っているのが解ります。
妻は、全く意にしていません。
コリャ困った!と、
なんで私が困らねばならぬと
まぁまぁ奥さん、落ち着いて、落ち着いて、
というのが精一杯の手当てでしかなく、
私は意見など言えませんし、
言ってはなりませんもの。
目の前の光景を観ながら、
用事を中断しているのが気になりながら、
吉行淳之介氏の【男という生き物】を
書棚から引っ張り出して、
男って、
こんなモノですから、
どうぞ是非に読んでみて下さいと、
手渡したのです。