日別アーカイブ: 2017年1月21日

男という生き物

大昔の事ですから、もう良いでしょう。

別れた家人に途方に暮れた日々を過ごした事を

思い出したくもないのに、

時たま思い出すのです。

流しに溜まった皿やコップを洗えば、

汚れが残っているのも見えないのか!と罵倒され。

二度手間になるのが判らないのかと、

二度目の罵声を浴びせられ、

恐ろしいので、

何もしないでいると、

私は家政婦ではない!

と、また怒鳴られる始末。

挙げ句が、

親の躾が悪かったから始まって、

甘やかされて育った馬鹿息子に至り、

いつも決まった生活を送る私を、

アスペルガー症候群と勝手に診断し、

最後は、

自分が患者だったらお前のような人間には診て欲しくない、

で、締めくくってもう終わりかと思いきや、

アンコールの拍車で、

折角に舞台から姿を消した歌い手が、

再び舞台へと舞い戻るように、

甲斐性が無いという何時ものフレーズから、

見栄っ張り、

自己中、

嘘つき、

患者さんに媚びを売るホストのような奴だと、

続けて、

何年か前の話しをぶり返し、

あの時の表情が気にくわないから、

もうあなたとは関わりたくない、

気持ち悪いで、

ほぼ終盤戦を迎えへ、

次は、

子どもがあぁ言っていた、こう言っていた、

というボイスチェンジの頃で、

最後のクライマックスを迎えるのです。

今ですから言えますが、

ぶん殴った事も在ります。

想わず自分を見失う程の

強烈な台詞が飛びだし、

自制心を失ったのです。

でも敵は強い強い。

アッチ向いて【DV男】

コッチ向いて【危険な男】

ズーと、

手が出なくても、

自分が都合悪ければ、

恐怖心を感じると反論されました。

私ですか?

もうボロボロですよ。

髪が白くなったのも、

其れが原因でしょう。

それなのに、

私は家庭を守らねば、

家庭を崩壊させてはならない

と、信じキっていました。

それほど迄に罵る家人が、

別れた後に経済的に苦労させてはならないから

決して別れてはならないと、

これまた呑気な話しですが、

気が鎮まることを、

それこそ、

神さま、仏さまにお願いする一心でした。

でも、

家に帰っても落ち着く筈はありません。

恐いですもの。

いつネチネチされるのか?

また無視攻撃が始まるのかと。

夫婦喧嘩が勃発し、

私に意見を求め、

会いにお越しになられたご夫婦が居られました。

ドチラの言い分も

よーく判るんです。

夫の方は、

落とし処のサインを送っているのが解ります。

妻は、全く意にしていません。

コリャ困った!と、

なんで私が困らねばならぬと

まぁまぁ奥さん、落ち着いて、落ち着いて、

というのが精一杯の手当てでしかなく、

私は意見など言えませんし、

言ってはなりませんもの。

目の前の光景を観ながら、

用事を中断しているのが気になりながら、

吉行淳之介氏の【男という生き物】を

書棚から引っ張り出して、

男って、

こんなモノですから、

どうぞ是非に読んでみて下さいと、

手渡したのです。

 

 

後悔から

天罰が当たったとお感じになることがありませんか?

後悔など無いと言いきる人を存じ上げています。

私は振り返り、後悔の連続です。

真剣に生きる事と、

後悔や反省が無いというのは、

全く意味合いが違うと、

私は思います。

嘘つきという台詞が在ります。

しかし、

嘘も方便という言葉を

お釈迦様も仰られています。

同じ言葉であっても、

片方は軽蔑を、

もう片方には救いを感じます。

言葉の面白さ、深さだと思います。

私は若い時分には

随分と悪いことばかりしていました。

呑み歩き、

大勢の女性と付き合い、

それを【芸の肥やし】と

信じキっていました。

女性にも嘘もつき、

当時付き合っていた時代の前の家人の

察しての寂しげな表情に、

その時は自分を責め、

でも、

その繰り返しという塩梅。

ただ歯科医学への取り組みと情熱だけは、

ずっと変わることはありません。

それでも、

治療なり研究において、

反省すべき点は星の数ほど在ります。

私は歯医者に成りたくて成りたくて、

歯医者になった幸運者です。

その感謝の念も18の歳から変わってはいません。

ですから、

罪滅ぼしのように、

歯へ全神経を集中していたんだと思います。

言い訳かもしれません。

他方向への配慮する余裕はありませんでしたし、

私自身が古い日本の男から、

抜け出す事が出来ない

不器用者だからかもしれません。

歯に関する事以外はサッパリ駄目ですし、

歯でさえも、

未だに修行中の身ですから、

中途半端な境遇を糧に、

もっともっと上手に成りたいと、

益々、

歯へ向き合うようになりました。

今ではパワハラの代表例である、

【電通鬼十則】を

私は若い時分から手提げ鞄に入れて復唱し、

私は仕事の指針として、

今でも否定する気持ちにはなれません。

ただ、

これは自分が自分で言い聞かせる信念であって、

他人に強要する性質のモノではないと思います。

仕事は自分にだけ厳しく在れば良いのですから。

私の意見に反論も在ろうかと思います。

時代的には、

私は少数派の変わり者だと云う事は、

もう自覚済みですので。

私は決して人格者ではありません。

ただ、

患者さんを愛しく思い、

ナイチンゲールの心で接していると、

これは声を大に挙げて申せましょう。

私事で恐縮ですが、

内輪からの手厳しい批判の的となった事が在りました。

その内容を紐解けば、

私が歯科医学の厳しい修行を貫くための決意を

何十年も持続、継続させるために、

自然と身についたモノだと感じるのです。

其れが【汚泥】か【勲章】かは、

先入観が種分けしているように思います。

18での志を、

54の歳まで一向に衰える事なく、

嫌、

もっと上昇させるエネルギーの火を

燃やし続けてきた事だけは、

誰からの批判を撥ね付ける自負は在ります。

が、

人格絶対否定な厳しい罵声には、

倒れそうな程に、

自分の身の置き所を失うのです。

そんなぼろ雑巾のような私を

シッカリと支えてくれるのも、

歯の仕事です。

今日は悲しい人とお会いする機会が在りました。

涙で頬を拭いて差し上げたいと思いました。

でも、

その哀しみの大きさが判るので、

泣くだけ泣きなさいと。

ただ私が居りますから。

ポキンと心が折れそうになったら、

夜中でも、

何時でも、

私の携帯電話を鳴らして下さいと。

其れが【開業医】の仕事ですからと。

コチラの方が倒れたいのですが、

コレが私の仕事の真髄なのでしょう。

困った方のために生きるが医療人。

どうして、

身内からだけ、

私は責められ、

批判され、

否定され、

軽蔑の謗りを

受けねばならぬのだと。

欠陥人間と言う単語を叩きつけられたのです。

そんな哀しみと情けなさを味わい、

私の芸域が深まったと、

今は自分にそう納得させています。

 

 

 

 

 

総入れ歯

綺麗?な総入れ歯でしょう?

やっと工程の終盤を迎えることが出来ました。

DSC_0362

患者さんは、

【吸着】に驚いて、

眼をパチパチして居られます。

私ですか?

入れ歯が粘膜に食いつくのは、

予め判ってますので。

噛むと痛い?

素材にシリコンやゴムなど使ってませんよ。

普通の普通の素材です。

痛くなんかある筈ないじゃないですか。

私の入れ歯ですもの。

DSC_0363

どうか大切にお使い下さい、

とだけ。

言葉の重さ

口から出た言葉ほど大切なモノはありません。

グッと飲み込む方が良いと思うのですが、

禁句なり地雷を踏まれた瞬間に、

我慢糸がプツンとキレたら、

どうにも止まりません。

私は離婚経験者です。

夫婦間の問題は当事者間しか判らないことも多く、

最後は、

相手を憎む訳でもなく、

子どものことなどを考慮して、

納める落とし処を見つけて、

互いに自分を封じることが大切だと思っていました。

しかし、

納める落とし処を重んじるという行為は、

私が男だからという事が、

最近になって判ってきました。

不条理で矛盾に富んだ社会において、

正論がいつも通じる訳ではない事を

嫌がおうでも男は思い知らされます。

その中で、

物事を前に進めるための知恵が

落とし処だと、

男は察するのです。

時には低姿勢に、

ある時には押したり、

そんな状況を経て、

落とし処を模索するのです。

が、

女性 には男のその辺りの苦労など

皆目、理解出来ない様です。

次から次へと、

激しい言葉を浴びせ、

前から飛んできたと思えば、

次は後ろから、

かわせば、

矢は

横、斜め、

あらゆる方向から

飛び続けて来るのです。

次は、

大きな盾が、

周囲を取り囲んで、

グッグッと、

迫って来るという塩梅。

もっと質の悪いのが、

子どもを見方に着けて、

睨みを強める戦法を採る事。

で、

最後は男の地雷を踏むのです。

こうなれば、

いくら私でも、

プツンと我慢糸がキレるのは当たり前なのですが、

今まで低姿勢であったの私が応酬に変じると、

今度は、

今までの態度はヤハリ嘘だと、

相変わらず責めて責めて責めまくり。

男が仕事で辛抱するのは、

嫁と子どもの為だと、

歯を喰い縛って頑張っている事も、

それもお前の勝手だろうと、

片付けられ、

それなら勝手に、

社会へと出て、

母子家庭で頑張ってくれやというしかないのは

物事の流れから至極当然の結末。

アレハ何でしょうかね?

私らには皆目理解出来ません。

白血病の患者さんでした。

初診で、

お口を診て直ぐに判り、

検査すれば、

やはり白血病。

物凄く悩みますよ。

自分の事のように。

患者さんに告知する時の

言葉と表情を、

選んで選んで、

重い重い仕事です。

歯の治療においても、

私は重さを実感しつつ

器具を手にしています。

あぁ楽になれる場所が在ったらなと、

無い物ねだりに、

それでも、

毎日、毎日、

自分の使命を果たす事で必死ですのに。