週刊誌に、
こっ酷く叩かれる位に悲惨な歯科業界ですが、
これは歯科医院が増えて不景気だからという理由付けは
大きな間違いだと思って観ています。
と言うのは、
私が小学生の頃にも、
また中学生の時分にも、
歯科業界はマスコミから叩かれているのを
覚えているからです。
当時は、
保険治療と自由診療の差額請求での
不明瞭会計が大きな問題だったと記憶しています。
また歯科医師不足にて、
3時間待たされての治療は3分というのも、
叩かれる理由の1つでした。
その結果、
国は致し方なかったのでしょう。
雨後の筍のようにドンドンと、
歯学部を新設した結果、
今日のように歯科医師過剰問題が生じて、
歯科医院間の過激な競合が始まったのです。
医師よりも歯科医師が頻繁に叩かれる理由の
本当の処を見極めなければ、
歯科業界の明日は無いと言えるでしょう。
歯科医師は命のやり取りに関わっていないのが理由では?
という意見を耳にした機会がありました。
私は賛同しかねます。
医師であっても、
日常的に命のやり取りに関与している分野は
限られています。
一般の内科外来、
耳鼻咽喉科、
眼科、
皮膚科、
心療内科などは、
救急蘇生の必要に迫られた際に、
心臓外科、
麻酔科、
救急救命科の医師と同等のレベルでの
的確な手当てが出来るのでしょうか?
では理由をどう考えているのか?
と、問われれば答えに窮します。
医療倫理観に欠ける医師を
私は大勢に存じ上げています。
私の考えですが、
歯科疾患の特殊性が大きな原因だと思います。
歯科医学は自然科学の1分野という事ですが、
本当にそうなんでしょうか?
掴み処のない分野、
それが歯科医学だと思います。
本来は他の分野と比較しても、
複雑な状況下での治療であるのですが、
数字で系統的に証明しづらいのが
歯科医学だからです。
また歴史的な歯科医師のルーツが、
仏具師から派生した入れ歯師というのも、
医師よりも低く思われる理由だと思います。
料理の世界でも、
建設業界においても、
手抜きする不心得な輩は大勢いることは、
偽装問題が後を絶えないことからも、
同じだと思いますので。
患者さんにお願いしたいのです。
もっと、もっと、
歯に関心を持って下さい。
もっと、もっと、
歯を大切に思って下さい。
それが現場の歯科医師を大きく育てるキッカケになります。
また、
キチンと手当てできる手先と知識と、
人間愛を併せ持つ歯科医師か、
それとも、
単なる金儲けの権化かどうか?
見極められますから。
私は医師に身体を任せる際には、
あらゆる方向から、
その医師を観察します。
医師に対しては、
私は自分の知識を語る事はありません。
相手は当に熟知済みという前提でなければ、
私は自分の身体を託しません。
最後に何を青臭い事をと、
お思いになられるかもしれませんが、
医療人の絶対に必要な性格として、
ナイチンゲールの心だと云うことを
お伝えしたいと思います。