歯の治療において、診断がついたら次に治療計画をたてますが、その時に先の先を見据えた計画立案が出来るかどうかが、大きな鍵となります。
系統だてて、整理できる能力が歯科医師にもとめられます。
この時、私は口腔組織に優先順位をつけて考える様にいています。
第1番に保存するように努めなければならないのは、歯を取り囲む歯槽骨です。
第2番目が、歯、その本体です。
第3番目は、歯の神経
第4番目は、エナメル質。
歯のそれぞれを、病気の進行状態と照らし合わせて、先ずは歯槽骨の保存を第1優先に考えて、
抜歯しなければならないのか、保存が可能か、ふるいにかけます。
残せる歯は、生きた状態で大丈夫か?出来るだけ神経を採ることの無いように出来るのか?を考えます。
生きて残せる歯は、歯の防護組織であるエナメル質に極力ダメージを与えない治療が可能か?と
考えを先に進めます。
1本の歯それぞれについて、述べた方法で精査しつつ、口全体については、また別の分類方法にて
考えを進めていきます。
第1番に、顎関節組織にダメージを与えないには。
第2番目が、円滑でスムーズな咀嚼機能を獲得するには。
第3番目は、歯の歯列を確りと保全するには。
第4番目、奥歯での、確りとした噛み合わせを確保するには。
第5番目、上下前歯の位置的関係を機能的にするには。
一般の方には難しい話だと思います。
しかし、この辺に配慮出来るかどうかが、、後々の結果に大きく絡んできます。
その上で、メンテナンスしやすい、清掃しやすい環境を整える事にも十分に考慮して治療計画を立案します。
患者さんが帰られてからの、頭を使う仕事のウェイトも大きいのです。
歯科医の器用不器用も、結果に大きく影響してきますが、正しい治療計画に基づいた治療でなければ
良い治療成績はえられません。
物事を推し測るには、何事も優先順位が大切です。