少数派


変わり者あつかいを受けること度々の私です。

自分では自覚していませんが、よくその様に云われるので、そうなのでしょう。

若い時分に、手術を教えて頂いたネビンス先生から、

ー 新しい事にチャレンジする人間は、ごく僅かの人間である。
   大勢の人は、その成功体験をもとに着いてくる。
     私は、そのごく一部人でありたい! ー

と云う言葉を、よく聞かされました。

若い時に知り合った人、影響を受ける人間は本当に大切だと思います。

出会いは偶然の産物だとは思いません。

出会いを求める努力も、本人の責任であると思います。

棚からぼた餅などと云ったむしの良い話はありません。

棚の上のぼた餅は、棚を揺すって落とす努力をしなければなりません。

厳しい先生と言われますが、私は診療所の質を向上させるための努力を惜しむ事はありません。

それは私が、歯医者になりたくてなったからです。

居心地の良い環境から、耳障りの良い言葉から、確りとした物は生まれません。

己を厳しい環境に、常に晒して、それに耐えてこそ真実が見えて来ると私は信じています。

耐えてこそ、物事の本質に迫れると信じています。

大きな夢を持ち続けること。

夢に向かって、コツコツと努力を惜しまない様に持続させること。

惰性や様々な事象に流されることに抵抗することが、勇気だと思います。

ですから、ノーとハッキリ言う方だと、これは自覚しています。

以前、このような事がありました。

インプラントメーカーの方々と、私の診療所のスタッフと食事に行った時の事です。

なにかの拍子に、営業マンが私のスタッフにビールのお酌を求めました。

ー うちのスタッフはホステスと違うから、自分で注いで! ー

一瞬、座が凍りつきました。

診療所の人間が、医療メーカーと、なあなあの関係になることを私は嫌います。

人間関係で、薬や材料を選ばれたら、患者さんに申し訳がたちません。

診療所の人間と医療メーカーとの間には、ある程度の溝があった方が良いと思っています。

まして私のスタッフは未婚の女性であり、大切な娘さんを親御さんからお預かりしています。

酒など自分のペースで自酌すれば良いだけの事です。

こういう処で、私は変わり者扱いされるのなら、それはそれで構わないと思っています。

この歳ともなれば、自分スタイルは出来上がっているのが普通で、
流行りにフラフラとの方が愚かしいと考えるのは、私が少数派だからでしょう。