日別アーカイブ: 2013年12月19日

良い歯と身体の会

 私の専門は歯科保存学です。

 歯科保存学と云う学問は、
歯科の中の一つの専門分野で、
歯と歯肉、そして歯を支える骨にまつわる
病気の予防と治療を研究するものです。

 歯科大学に於ける教育では
歯科保存学は具体的には
1.虫歯の予防と治療
2.歯の神経を採る治療
3.歯周病の予防と治療

 を担当しています。

 私は歯学博士の学位を授与された後に
レイモンド.キム先生の歯周補綴と云う考え方の
影響を受けました。

 歯周補綴と云う学問は
歯を被せる際に
歯肉や歯の周囲の骨を
傷める事が無いように
人工の修復物を
身体との調和をはかりながら
長持ちさせるものです。

 歯科保存学を専門とする私にとって
歯周補綴は
正に的を得た学問でした。

 私のインプラント治療も
歯科保存学をベースにしたものです。

 但し、
長い間の臨床生活で
歯の健康には
身体と心の健康な状態が
どれ程大切で在るかを
実感しています。

 そこで私は
歯科保存学の専門家として
歯と歯の周囲の歯肉、歯槽骨が
いつまでも健康でいられる様に
全身にも目を向けて
皆さんに共に
考へ、
勉強し、
実践して頂きたいと
良い歯と身体の会を主宰し
歯科医としての
最後の締めくくりをしたいと思います。

真の友達 その2 

 私には、とても仲の良い友達がいます。
私と大学時代の同級で、
彼と私とは丸っきり性格は違いますが、
何故かウマが合いました。

 彼は今は
治療の現場から退いて
医療系大学の教授として
研究と教育に携わっています。

 その彼との会話の中で
私は来年からの抱負として
ある事を始めようと思うに至りました。

 正しい歯の治療の知識を
一般の方々にお伝えする事。

 私は大学院で歯科保存学を専攻しました。
歯科保存学と云うのは
歯を長持ちさせる治療について研究する専門分野です。

 歯を長持ちさせる為には
色々な事に配慮しなければなりません。

 その為には
一般の方々の知識を高める事は
とても大切なポイントとなります。

 どの様な形で
皆さんの歯の治療に対する知識を高めるかを
今はじっくりと思案しています。

 

真の友達

 群馬県の医療系大学の
解剖学の教授を務められている親友と
昨夜は長い時間、
電話で話し込んでいました。

 今、お気づきになった方も
いらっしゃるかもしれません。

 そうです。
私の語り口調が
このブログから
変わりました。

 この群馬県の親友は
私にとっては
真の友達であります。

 彼は歯科医の三代目です。
私と同じ年に
彼の父親の母校であります
日本歯科大学に入学しました。

 大学卒業後、
私と彼は
同じく母校の大学院へと
進みました。

 彼は解剖学を専攻し、
歯学博士の学位を取得した後、
故郷である群馬県前橋市の
両親が営む歯科医院へと
帰って行きました。

 なんだ、家業を継いだんじゃないかと
思われるかもしれません。

 一般的には
その様に捉えられるでしょうが、
彼の場合には
特別な事情が在りました。

 彼の父親も母親も
大変高名な歯科医師です。

 父親の造る入れ歯や冠を被せる治療は
天下一品のものであり、
彼の母親の歯を長く残す治療は
当時の最先端のものでした。

 恐らく、若い歯科医の修行先として
これ程恵まれた場所は
無かった事でしょう。

 私は彼の人柄を
よく知っています。

 コツコツ真面目に
何事にも取り組む
誠実な人柄です。

 両親の元で
立派な歯科治療を
修得したことは
間違いありません。

 治療の間を縫って
彼は自身のライフワークである
歯茎の微細研究も行っていたようです。

 彼の母親も今は既に
この世には無く、
昨年末で
三代続いた伝統の歯科医院の
看板を下ろし
彼の父親は引退し、
彼は解剖学の教授に就任して
第二の人生を歩み始めました。

 ー 三枝な、知っての通り
     僕は大病してね、
   今は好きな研究して幸せなもんさな。

   真面目に歯科治療をしてきたよ。
     でもさ、今は何か変だろ?
   歯を治す医者じゃなくて
   美容業界の人間みたいでさ。

    良いしっかりとした仕事は
   地道で地味な仕事さな。

    それよりも
   派手な広告やホームページで
   自慢しまくる奴等のほうが
   商売上手いときたもんだ!

    正直云って
   医院経営は楽じゃなかったよ。

    今は本当に気が楽になったけど、
   まぁ、僕は開業医は向いていなかったんさ。

    僕は三枝を応援しているよ。
   君は今の時代に珍しく
   職人仕事を貫いているからさ。

    ただね、
   今の時代は優しさの時代で
   コダワリとか厳しさって云うのは
   伝わり難いんだよ。

    僕は三枝の書き方はすきだけど、
   一般には
   優しさの口調で書いた方が
   もっと三枝イズムが伝わると思うんだ! ー

  彼は私にとっての真の友達です。

  私は素直に友の意見を採り入れ
 今日このブログから
 書き方を変える事にしました。