月別アーカイブ: 2016年2月

良い経験

今ほどの医療技術の発達をみない江戸時代の事であれば、

私は確実に命を落としていたでしょう。

インフルエンザに罹患し、

五臓六腑は今にも腹膜を突き破るほどの激痛で、

身体中の関節は押し潰されそうな傷み、

全身の皮膚は針で刺す程の鋭利な傷みが、

頭はグルグルと回り続け、

食欲も無いので、

嘔吐するモノもなく僅かな水分が口から出るのみ、

下痢も水分のみと云う始末。

腹の皮と背中はクッツイタほどにまで。

寝てても痛い!

座るのも苦痛。

診察に行って4日はもがきました。

但し、床に臥せっている間、多くの事を考えました。

今までの自分の生き様なり。

これから将来のことなど。

働き盛りの私が、今現状においてこの始末であれば、

歳をとって稼ぎがなくなれば、

いったいどうなるのだろうと!

物事の真実がよく見えました。

色々な人間が居る事もよく判りました。

気が利くとか、気が利かないと云う単純な種分けだけでは解決できない

人間本来の優しさに欠けた人間も居るのだと。

何事も自分軸中心で、

常に自己弁護の終止し、

反省なり後悔などからは一切縁の無い

その時々の快楽のみに幸せを求める人の存在も

十分認識出来ました。

こういう人から今まで随分と私は非難されてきた経験が在ります。

ある時まで、私の方が変なのかと思い込んだ時もありました。

床から動けず、ズット天井を眺めて過ごした数日間で、

これは私の間違いであったと気づいたのです。

私は短気ですから、

怒ったり、モノを床にぶつけて八つ当たりしたり、

ドアを蹴飛ばしたり、

其れこそ家人をぶん殴った事もあります。

今だとDVと言って大変な事になるんでしょうが。

但し、最近では喧嘩の前に、冷めてしまいました。

誰に対してもです。

言っても解らない人に何を望んでも馬鹿げていると。

関わらないでと云う知恵がついたのでしょう。

が、駄目なモノは、どうしても駄目なので、

そういう場合は、サッサと引き揚げると云う知恵が

今回の床に就いた数日間で得た境地です。

地雷

長い間の私の患者さんに、娘たちの茶道を教授して頂いています。

今日の私は発熱酷く、娘たちを送っていけません。

で、電話にて事情をと。

その際に、もう10年近く前になるでしょうか?

私が、ある患者さんの治療をお断りした話しを持ち出されました。

私らが治療を断るなどと云う行為は稀の稀な事です。

その患者さんは、アレは当たり前であったと。

娘たちの先生と、私がお断りした方は顔見知りであることから、

私も先生も、特別に口にする事は無かったのですが。

人には幾らなんでもと云う地雷が在ると。

成る程!

難しい事は判りませんが、

私なりの基準値と云うモノはあると。

納得の根拠

現在、私らは、ある基礎的研究の最中です。

研究実地の総責任者である日本歯科大学の岡準教授の重圧を

先生から毎朝送付されてくる研究報告を眺めながら、

私自身、ヒシヒシと伝わってきます。

相撲には【徳俵】という粘りの象徴が在ります。

私ら臨床家にも、

治療において【粘って粘って】という感情が備わります。

諦めない!気持ちが、良い治療を造り出すことを

長い診療生活で実感しました。

シツコイ性格を作ったのは、間違いなく、

歯の仕事に誠実に向き合った証しだと思います。

が、保存の限界を悟り、

抜歯の診断を下す時も在ります。

この際に、全ての手を尽くしたと云う自身への納得は、

後悔ない手当ての限りを尽くした結果です。

スパッと、

抜くも、メスを手にするも、

覚悟の結晶であるのです。

臨床家の性と云えるでしょう。

素直な心

私らの仕事は職人仕事です。

腕が良い事が、結局は全てです。

が、そんな簡単に技術が身につく訳ないじゃないですか。

上手い先生やスタッフの方々から揉まれて成長するんです。

認めたくない事を指摘され、

其れを素直に受け止める度量が、

私らの仕事を成長させます。

人の持ち合わせる感情、

【喜怒哀楽】もまた、臨床家には必要です。

子供のような心のままで、

成長していない!と、指摘された経験が在ります。

ウーン?と。

人の身体を治療すると云う特殊な仕事です。

その辺は、私らは常人ではないと認めています。

一生懸命

疲れがドット吹き出したンだと思います。

喉が痛い!

咳き込む!

顔が熱い!

寒気がする!

昨夜は、翌日が小学校のお休みと云うことで、

娘たちは、洋画に釘付け!

私は、そんな事には付き合える筈もなく、

隣部屋の二段ベッドへと潜りこんで、

半死状態でした。

夜中に気がつけば、

娘みんながベッドの中に。

身動き出来ない訳が判ったのです。

朝は、娘たちみんなは手伝ってくれました。

なんせ犬の御世話だけで大変ですから。

一生懸命、日々を過ごしています。

その姿を、子達にと。

そんな事しか、出来ませんから。

相手によりけり

義理堅いと云われます。

最近、患者さんのご令嬢と上越新幹線に並んで座っていたら

窓から赤城山が見えたので、

「アレが国定忠治で名高い赤城山じゃ!」

????

「えっ!知らないの?」

で、

「男心に男が~惚れて~、雪が溶け合う~赤城山」

と、浪花節の1節を唸りに唸る羽目となりました。

と言っても、

義理を通すのもいい加減にと云う事も

最近、判り始めたのです。

物事を推し測る基準値が大きく違う人に

いくら義理立てしても、

其れはエネルギーの浪費でしかありません。

相手によりけりですよ。

私のブログの問い合わせフォーム

私のブログには【問い合わせ】と云う項目があります。

歯の治療に関しての疑問点などを、

直接私に会ってと云うのにはヨイショ!がいると

お感じの方が居られるだろうと云う想定で設定したのです。

其れは其れで、多くの問い合わせを頂いています。

驚いたのは、

歯医者さんや、歯科の学生さん達からの相談のメールが多い事!

殆んどが人生相談ですね。

私にしてみれば、その道の専門家ではありませんし、

どうのこうの云う資格もない、

私の方が悩みで押し潰されそうな境遇下で、

日々を過ごしてヤットの想いで、

自分に自分でムチ打って生きて来ました。

歯の仕事と子達に支えられて、

また患者さんへの責任の重さで、

また、私が居なければ子達が困った境遇になるからと、

私自身のためと云うよりは

背負った重い荷物へのシガラミで、

必死に生きています。

ですが、困った時にはお互い様で、

私が聞いて、其れで楽になるのであればと。

但し、この【問い合わせ】のお蔭で多くの友人も出来ました。

傍目からは良く見えるかもしれません。

が、人生ですよね。

紳士道

私は小学5年~卒業するまでの2年間、

クラスの数人から壮絶な虐めに合いました。

他のクラスメートは、観てみぬ降りで、

担任も絶対に気付いていたと思います。

が、彼も決して助けてはくれませんでした。

親には口が裂けても言えませんでした。

私なりのプライドが、虐めを受けている弱者であることを

告白することを許せませんでした。

理由ですか?

【お金持ちのボンボン】

下品な表現ですが、当人たちからの言でしたので。

今でも思い出すと、悔しくてなりません。

それ以上に、私は虐めに加担する人間に対して怒りを覚えます。

また、観てみぬ降りをする人間も同罪だと思います。

先日、都内のJRの車内での出来事です。

師匠である内藤正裕先生と御一緒させて頂きました。

満員電車ゆえに、私らは優先座席前の吊り皮にぶら下がって居りました。

前の優先座席には、若造が大きく股を開いて座っています。

別に内藤先生が御歳73歳のご老体でいらっしゃるから

席を代われと云う話しではありません。

歳は歳でも先生は、心は未だに青春期でいらっしゃる積もり。

で、何が起こったと思います?

独りの年老いた御婦人が車内の私らの側に押し寄せられ、

内藤先生は、右手で若造の肩に触れ

「君!ご老人に変わった差し上げなさい」

で、先生は御婦人に

「どうぞ」

と。

呆気にとられ、

序でに大いに反省した私です。

此れが紳士のタシナミと。

序でに、

女性にも淑女のタシナミと云うモノが在ると。

またまた序でに、

人間のタシナミも。

その基本の基本が人を苛めないことだと思います。

その辺りを理解出来ない輩の多いこと!

報道での幼児虐待の多いことに怒りを覚えます。

そうは思いませんか?

私の生き方

愚息から

「父ちゃんの生き方は、まるで山に籠った加治屋の親父みたいやな」

と。

熱い炎の中から取り出した鋼を

ジュッ!と、水に漬けて

槌でヒタスラ叩く。

の、繰り返し。

そうかもしれません。

自分に向いている仕事とか、向いていないとか、

但、縁の在った歯の仕事と大切に向き合いたいと、

其だけでした。

岡山のノートルダム清心の理事長先生の書かれたご本に、

人の生き様を花の種に例えて、

風と共に空を舞い、縁があって落ちた処の土で素直に育って欲しい

と云う主旨の言葉で在った様に記憶しています。

不満を云えばキリがありません。

損得勘定ばかりの人生などツマラナイと思います。

プロ野球選手であった清原選手の薬物使用の報道が賑やかです。

私は、心から残念に思います。

が、弱い人間だったという批判を口にする人を

私は心から軽蔑します。

仮にも清原選手は、プロ野球の押し押されぬスター選手だった人です。

スターダムに立つ日まで、

凡人には到底、想像出来ない程の辛苦や苦労、プレッシャーの中で

生きて来られた類い稀な人です。

何処に人生の躓きを経験しない人が居るでしょう?

黙って、温かく、再起を願うのが人の人たる道だと思います。

残念に思うのと、批判することは違います。

小保方さんの場合も同じだと思います。

真実は、私には判りません。

が、現在、基礎的研究の最中に在る私ですが、

到底、彼女の知識レベルには至っておりません。

30歳前の女性と言えば、

普通はモット楽しい日々を送っているでしょう。

あの知識に至る過程を、ただリケ女と云う単語で片付ける方に無理を感じます。

もう一度、再起出来る道を作って差し上げてと。

チャレンジする若い研究者が居なくなるような気がします。

一時の、みのもんた氏バッシングも、また然り。

他人の不幸で飯を食う人の方が、アサマシイ輩と思っています。

こういう意見を述べると、

また、非難ごうごうなのでしょうが。

私ら開業医も人気商売です。

私は私のカラーを鮮明に提示し、

私の考え方が嫌いであれば、

私のブログなど、読まなければ良いのです。

こんな私ですが、多くのファンも居られ、

日々を支えて頂いています。

歯科医として生きるのか?

人として生きるのか?

等と、

昔、私に問うた方が居られました。

私にとっては歯科が人生の全てですので、

此の両者に瞬差などある訳ないじゃないですか。

私ら歯医者は職人です。

哲学してる暇などありません。

命懸けの人生の意味など判らぬ人の方が正常者であるのか、

異常者であるのかも、私には判りません。

 

習慣

窓越しに、

青年期に読んだ新田次郎の【あらすか物語】を思い出すような

北海を一面に覆い尽くす厚い氷の大洋のような雲海の

ただ一ヵ所から、

雪の冠を被った【富士の山】が見えました。

思わず、ソッと柏手を叩いたる私です。