日別アーカイブ: 2015年2月20日

素直なる歯肉

思うように往かないのが人生ですが、歯と歯肉だけは私の思うがままと実感しています。

何かしらの原因があって、ひとたび、患者さんの歯に対して私たち歯科医師の手が介入するならば、

余程の裏づけがある治療方法なり、手指の動きがなければなりません。

機能面は勿論のこと、自然な美しさ、清潔さを保てる事が必須の条件となります。

いったん削られた歯は、自然には元の形には戻りません。

ですから、歯を削る必要性があり、歯を削ったならば、

携わる歯科医の側には、覚悟が必要だと学生さんたちに言い聞かせています。

人の判断と技術には、先ずは誤りや間違い、見落としがあると思っています。

ですから、治療の過程の全ての段階に於いて私は、

常にマッサラの心と目で、自分のなしたる治療を再評価するように心がけています。

ですから、毎日、毎回が再評価の連続です。

再評価の結果、う~ん?と、感じた時は、即座に患者さんに伝えています。

根の治療などは、最後に歯の中に防腐剤みたいなモノを入れるのですが、

確認のためのレントゲンにて、イマイチ、完璧!と思えない時は即座に

ー ゴメン!ゴメン!直ぐにやり直し! ー

患者さんにラバーダム防湿をして、根菅充填をし直します。

まったく恥ずかしいとは思いません。

上手く出来ていないという判断が出来ないことが恥じであり、

上手く出来ていないことが判っていて黙っているのは犯罪であると思っています。

で、レントゲンの確認で、完璧!と判断して患者さんの治療を終わりにします。

まぁ、性格でしょう!

手当てをキチンとすれば、歯や歯肉は言うこと聴いてくれるモノです。

 

Kaneko,T061019001

写真の症例は、前歯に詰め物だらけで、それもキチンと出来ていないから、

詰め物の間から虫歯が拡がったりで、

女性心には随分と気にやんでお越しになられました。

Kaneko,T061109001

で、1回目の仮の歯を入れて、当のご本人は喜んでくれたのですが、

私としては専門家ですから判るんです!先々に起こることが!

で、歯茎の手術をお願いして、させて頂いて、

そんでもって2回目の仮の歯を入れました。

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随分とスマートになったでしょう‥‥!

但し、歯と歯の間の歯茎の隙間が大きいでしょう?

でもね!観てて下さい!

ホラッ!

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最終歯を入れたら、段々と歯茎が育って!

綺麗に隙間がなくなりました!

Kaneko,T080702001

(セラミッククラウンセット後 5年経過)

この隙間を人工歯で埋めようと無理をすれば、人工歯はイビツな形になって、

後から歯茎が黒ずんできたり、

腫れぼったくなったり、

妙に臭くなったり‥。

歯や歯肉を自由自在に操るのが、この仕事の面白さなんです!

 

 

 

 

 

結構厳しいお話しを先のブログにて書いたものの、

私と接する当の学生さんや若い先生方は、たいして厳しさ等は気にしていないようです。

私の顔を観るや、レントゲンや模型を抱えて若い先生方が立ち寄ってくれるのも恒例の新潟での行事となりました。

4学年の歯科保存学実習にて、私の担当となった学年さん達は、恐らく先の学年からの申し送りでもあるのでしょう。

実習机の上の整理整頓は勿論のこと、机上に列べる器具の置く位置と順番も、

示説のスライド写真通りでないと、私の雷が炸裂するのを知ってか、

キチンとなされているのに、可笑しさを堪えています。

学年さんにとっては、初めてする事ばかりですから、上手くいかないのは当たり前で、

小器用に実習をこなす事よりも、誠実なる手順を身に付けて貰いたいと思っています。

講義に際しても教室に入り、当の私は一生懸命に学年さんへ向かい合っているのですが、

なんせ彼らを確実に国家試験に合格させるのは最低条件で、

将来の歯科医療の最前線で活躍して貰いたいと‥。

が、学年さんにとって私は不思議な存在なのだそうです。

今では日本歯科大学.新潟校の在校生と研修医は皆が教え子になるのですが、

自分では此れでも、なかなか学生さんには人気があるものと秘かに喜んでます。

ー 先生の話しの表情は面白いです! ー

なんじゃ、講義の内容じゃないんかい!

そんなこんなで、私の大学での過ごしようです。

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