もう既に20年近くの患者さんである〇〇さんは、
一昨年の秋に胃癌の手術を受けてからはそれはそれは随分の落ち込みようで、
私の方も特に治療することはないのですが、口腔清掃と称して
〇〇さんを自宅から外へと出させる機会を作ろうと毎月、診療所へ来ていただくように努めておりました。
昨年の年末に、もう一度の手術を受けられてから初めての来院が今日でした。
で、一通り診察してから〇〇さんへ私がお声がけした台詞です。
ー どういんだ!なじらね? ー
こう言う時に私は越後弁が出てしまいます!
ー どうしたん!なんで?〇〇さん!
お口の中の粘膜の毛細血管は確りと勢いあるのに!
神様から頂いた寿命は未々あるんよ!
一杯、患者さんを見送った私だから判るんよ!未々生きてられるよ!
未だ寿命が在るのに、死ぬのを今か明日かと恐がってどうするん!
歯しか出来ない私が、グニャリと折れた時に支えてくれるのが私の患者の務めでしょうが!!! ー
帰りに、私の観音様の脇に置いたる亀の御守りのキーホルダーを手渡して、
ー 亀の万年の寿命の10年だけでも頂いて下さい!お会計は今日はツケにしときます!来月元気で持って来て下さい! ー
アノォ?お支払はしたいんですけど?でも、御守りはありがとう、先生。
イヤイヤ、会計は来月だと無理に突っぱねて手を振ってお送りしました。
私のこのヤリトリをどのようにお感じになられるのかは判りません。
が、これが三枝デンタルオフィスの流儀です。