41歳の女性です。
すがる様な表情で、
私の診療所へとお越しになられました。
一番奥の歯は折れてるから抜歯!
その手前も膿んでるから抜歯!
と云う診断を受け、
私の診療所へと転院されてお越しになられたのです。
レントゲン写真です。
私の診療所はデジタルレントゲン写真を採用していません。
暗室にて、
故 浅見保子先生から指導された現像環境を
ひたすら守り、
画像診断の重さを、
とても大切に考えています。
フィルムの写真をスマホで撮影したモノを
お見せすることしか出来ません。
私は全てがアナログ派ですので、
ご容赦下さい。
で、
その患者さんのレントゲン写真です。
、
1番奥の歯は折れそうですが、
折れてません。
何故なら、
クラウンと金属土台を、
注意深く除去して、
マイクロスコープで確認しました。
手前の歯が膿んでいる?
この歯は生きています。
抜く処か、
神経を取る必要もありません。
奥歯が腫れた訳ですか?
土台を入れる際に、
歯を削りますが、
削り過ぎて、
歯の底に、
ドリルで穿孔したのでしょうね!
このアクシデントは、
クラウンを入れた時から痛かったと云う
患者さんの記憶からも明らかです。
治療ですか?
丁寧な根管治療と、
穿孔部分を、
MTAセメントにて補修すれば、
充分に、
この歯は患者さんの人生と共に生きてゆけるでしょう。