歯の保存


診療所のドアを開いた瞬間に、

私は別の人間に生まれ変わります。

身体全体の皮膚が張り積めるのを意識します。

何時からか覚えていません。

私が歯科医になってから今日まで至った時間は、

もう私には残っていません。

むしろ、その半分の時間も残っていないでしょう。

精一杯に努めよう!

上手になりたい、上手になりたいと、

自己研鑽してきましたが、

今は、

歯を残してあげたい!

ただそれだけを念じて白衣を纏っています。

歯科医の本来の仕事です。