波間にて


出来るだけの精一杯のことをし尽くしたけれども、

真逆の結果なり評価を受けたときには、

自分の力不足であったと、自己評価しよう。

他人のせいにするのは止そう。

マリリンと長い間、

堤防から砂浜越しに海を眺めていました。

瀬戸の凪ぎは割れた硝子の粉のように眩しかった。

引き潮から満ち潮へと変わると、

風の匂いも変化することに気がつきました。

で、

波が

砂浜の上の折れ枝、塵、足跡、

いっさいを隠して消し去った後、

静かな押し波が堤防の真下までに。

リズムある波音が鼓膜に響きます。

マリリンは、

眼に風を受けて瞬きばかり。

空は薄い水色で、

遠くの瀬戸の島々が白く、

私が幼い頃に観た光景と変わってはいません。

変わってゆくモノは、

私のような不器用な人間には

追いかけようもありません。