診療所の院長室で泊まる時が在ります。
こういう時は、
心身共に臨界点を越えた時です。
私は好きで【歯の仕事】をしています。
ただ治療だけ出来れば、何の不足もありません。
が、
仕事場を構えると云うことには多くの事情が発生します。
診療所を保有し、其れを維持するための経費。
雇用の問題。
加えて一家の主としての義務と責任も
当然、私の肩に架かっています。
私の仕事の特殊性ゆえに、
私は仕事上の悩みを同業者に相談できません。
私が先行者だからです。
職人としての悩みに対する対応策は、
既に身につけていると思っています。
人生は重い石を背負って歩くようなものと云う台詞がありました。
この10年近く、しみじみと味わっています。
背負う石も色々ありましょうが、
私が青春期に選んだ【歯科と云う石】は、
どんなに重くても背負う意味も大きい石だと思います。