男の更年期障害


旧友と久し振りに電話での会話。

【男にも更年期障害ってなモンがあるようだねぇ】

から始まった解剖学の教授となりし彼の講釈を聴く私。

無気力気味、身体の疲労感、孤独感。

で、

無趣味ゆえの時間の持て余し。

私らの歳で、

趣味に夢中になれる人を羨ましいと。

阿呆カラスの我々は、

人の一生の10人分位は楽しんだから。

もう遊びようが無い。

此れではイカン!と、

無理して何かしようと無い知恵を搾ってみても、

夜更かしは次の日の仕事に堪えるから控えよう。

眼が商売道具。疲れ過ぎないように休めよう。

子供に仕送りの最中。チョッと我慢しておこう。

家に居てもすることが無い。

家から出ても、

結局は金のかかる事ばかり。

其れは自分の首を絞めるのと同じだから、

馬鹿馬鹿しくてとてもじゃないが止めとこう。

私はビックリしたのです。

私の想いと全く同じであったからです。

【犬でも飼ったらどうや?】

世話する女房に叱られるやないか!

50も過ぎた教授様の女房に叱られるには参りましたが、

【犬の世話は君がするのや】

そんなに可愛いモンかね?

【少なくとも人間の女よりは犬が良いわな】

【あの山口先生も、今では女は卒業して犬だぞ】

え~!犬って凄いんやな!

彼は坂東人の癖に、

私との会話では何故だか関西弁を。

歳を経ると女性は、何処までも果てしなく強くなります。

彼の云う【男の更年期障害】からが、

男と女の明確な境目になると。

今度、長崎で学会があるそうな。

【よし!其処で会おう。】

で、

【犬も飛行機に乗せて連れて帰れ】

怒られるぞ!きっと!

【最初はオネショとウンチで苦労するがな、きっと良かったと思うよ】

想えば、

汚れなき彼に、

悪い遊びを教えたのは私です。

犬ならマシだと思いませんか?